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SS:いじめられっ子、胸糞タグを付けた上でザマァを敢行するのコト。(下)

昨日の更新をサボってしまい申し訳ございませんでした。


その分、と言う訳では無いですが、ボリュームは二本分となります。


超大作となってもーた(笑)では、御覧下さい。


 5年3組の鳶田 美代さんは、ウチのクラスの球磨川 雅、4年生の子役タレントで俺の幼馴染、山田 久子と並ぶ校内三大美人として有名だった。彼女については、俺自身は交流が無かった為、詳しくは知らなかったが、一度だけ泣いている所を寄ってきて、無言でヨシヨシしてくれた事がある。多分年下の子とでも思われたのかも知れないが、何も聞かずそうしてくれた事が嬉しかった事は俺だけの秘密だ。


 最近では学校を休む事も多かったとは聞いていたが、漏れ聞こえてくる噂の中には


「トイレでゲロ吐いてた」

「最近太った」

「トイレが間に合わず漏らしてた」

(恐らく破水であろう)


 とか、女子の嫉妬とヘイトを一身に集めたかの様な醜い噂話が多く聞こえて来たが、それも今となってはこのゲス野郎が原因だったとなれば、やはりこの野郎は許し難いな。

 

「でも、それだけじゃ無いのです……」


 鳶田さんは、ポツリ、ポツリと話始めた。


 曰く、彼女が妊娠を告白した後、校長は彼女の両親に会いに行ったそうな。


 普通ならば、両親への挨拶なり何なりと言うのが当然ながら人の道と言う物である。


 だが、このクズは違った。


 彼女の両親に対して、プレイ中のビデオ撮影を見せ、この映像を暴力団に流す事を示唆し、多額の金をせびり取ろうとしたのである。


 小学生の娘が陵辱される様を見せられた事も忸怩たる物なら、この様な男に良いように脅迫されたまま従う事も業腹極まりない物であろう。


 だが、結局彼らは校長の要求に従う他に道は無かった。


「両親は校長先生に土下座してまで許しを得て、更には正式なワタシとの【交際許可証】を作成しました。何故なら両親は他校とは言えやはり教員なので、他校の校長とは言え彼に目を付けられたら、教員を続ける事は出来ないぞ、と脅されれば成す術もありません」


 その【交際許可証】と言うのは、行政書士立ち会いの元、両家の者のサインを入れた、裁判になっても正式な証明書として認められる「私文書」であり、晴れて二人は正式な婚約者として、おまわりさんに捕まらない境遇で交際出来る体裁を整えてしまったのである。


「おい! その【交際許可証】とやらは何処にある!?」


 流石に暗黒街で生きるジャッキーもアランも、ここまでのゲスに対して憤怒の表情で首筋の両側に青竜刀を添えて脅す。一歩でも動けば校長の首はズンバラリンだ。


「ぴゃ〜! ころさないで〜! 言います! 言いますからぁ〜!!」

「じゃあ何処だ!?」

「校長室の金庫のなか〜」

「よし! 行って持ってこい!」


 ジャッキーが命令したのは校長では無く部下の一人。無論彼も仁王の如き憤怒の表情である。


「おい? 行っちゃったけど、鍵とかどうすんのさ?」

「心配無い。ヤツの特技は……」


 俺とジャッキーがそんな話をする間も無く


「開きました。これを御覧下さい」

「早っ!?」

「だろ? 奴は金庫破りのプロ。どんな金庫も奴の前には20秒と持たない」


 フンス! と胸を張るジャッキーに対して、その天才な彼が持ってきたモノは意外と多彩だった。


「何だコリャ?」


 件の【交際許可証】は元より、1キロの金塊が十個程。各種有価証券。現金が一千万ばかり、総計5千万程。他にはどうやら表沙汰には出来ない嶋田父からの司令書らしきモノ。中には俺と2年生の弟の名前も記載されていた物もあった。


「何だコリャ? 不良遺伝子所持の同兄弟は上級国民としての資質に大いに欠ける為、あらゆる優遇措置はこれを利用する事を禁ず。又、同兄弟については就学中に【事故死】する事が望ましい。尚、その際にいかなる行政処罰も当該関係者に適用外となる事を此処に保証する。

 文部省参事 嶋田 隆? よーし!こいつは何処だ?」

「いや、アソコに転がってるミンチ玉だよ」


 ジャッキーが振り上げた拳を大人しく下ろし、代わりに校長に対して凶悪な笑みを浮かべた。


「さて、辞世の句は思いついたか? 思いつかなくても執行猶予は無いが」


 そんな慈悲も無い事をアランが校長に宣告したら、やはりと言うか、当然と言うか、校長は失神してまた倒れてしまった。他人の死刑執行命令書を受け取る立場にしては随分とメンタルが弱い事だ。GABAを食え! とは言え最早そんな機会は訪れない様であるが。


「さて、このお宝についての処遇だが」

「あの、スイマセン」


 鳶田さんが控えめな態度でジャッキーに話かけた。


「その銀行の袋、多分父が校長先生に渡したお金だと……」

「OH! コイツは失敬。ならばコレは君に返そう。他に取られた物は、あ〜そうだな。その小汚い【交際許可証】はこっちで処分しておこうか。何? 気分が悪い? キミは一度自宅に帰った方がいいかも。ならば付添いを誰か付けようか? おーい! 誰か彼女を自宅まで送り届けてあげてくれ!」


 粗野な外見に反して彼はこう言う気配りに長ける様だ。いっそ、俺が彼女を送ろうかとも思ったが、この後、校長を始末するまでの顛末は俺も見届ける義務があるだろうなぁ。


「じゃあ、証拠物件になりそうな書類と金塊は没収ートとして、何だ? コノ、ワリコー、ワリチョー、リッシンワイドって?」

「燃やして捨てればいいと思うよ?」


 ったく、アホだアホだとは思っていたが、投資の仕方にもセンスが壊滅的とか、どんだけ駄目なんだか? インフレターゲットのこの時期に債券投資とか、バカなの死ぬの? ってか、今から死ぬのか。


「ギャー! やめて! それは儂の老後資金「無いから、老後。ざ〜んね〜ん」ギャー!!」


 スパン!


 ジャッキーの持つ書類の束に手を伸ばした姿のまま、後ろからアランが一刀の元に首を跳ねた為、アンバランス極まりない姿で絶命したタヌキの置物みたいな体型のオヤジは、その生涯の無様さ宜しく、転倒後も死後硬直で激しく痙攣しつつ、その死に様までが、周囲の少年少女の嫌悪感を誘ったのだろう。


「これで9割方は決着が付いたが、ミツミネをいじめていた奴らは他にも居るんだろう?」


 そう言ってジャッキーが周囲をねめつけると、少なくない少年達がいきなりジャンピング土下座をかました。


「「「スンマセンっしたあー!」」」

「「「自分ら調子に乗ってましたぁ!」」」

「「「もう、二度としませんから、殺さないでぇ〜!!」」」


 と、涙ながらに訴えて来た。その中には鈴木も中瀬もその取り巻きも居る。


 変り身の早さに流石のジャッキーも


「と、言ってるが、どうする?」


 と、呆れ口調で俺に下駄を預ける、と言うか、匙を俺にぶん投げて来た。要は【バカ負け】って奴だな?


「ん〜、コイツらは只のパンピーの家のモンだからな。別に叩く様な【裏】も無いし、心を入れ替えるってんなら放置でもいいんじゃね?」


『『『『ありあっやんしたあ〜っ!!』』』』


 結構本気の土下座で謝られた。


 土下座衛門大量発生とか、誰得なんだか?


 まあ、お陰で一人一殺なんて無駄な真似はしないで済んだんだから良し(๑•̀ㅂ•́)و✧としなきゃな。


「まあ、これで俺はこの日本に居場所は無くなったってわけだな……」


 そう言いながらも結構サッパリとサバサバした感じで気分自体は悪くない。


「なあに、お前と言うエンジェルが居れば何処に行こうと住めばミヤコってわけだな」

「むしろ、今回は俺達がミツミネをアウトローの流儀に巻き込んだ様な物。謝罪しなければならないのは寧ろ俺達ではないか?」


 ジャッキーもアランも一番危ない橋を渡ってくれたのにそんな泣きそうな顔をしないで欲しい。


 結局、俺の我慢が足りなくてこんな手段を取った様な物なのだ。俺の望む世界を俺が作った。それだけの事。一体何がコイツらが悪いと言うのか? 俺は自信を持って言うぞ!


「お前ら、サイコーだあああああっ!!」


 血なまぐさい風がびゅうと吹いた。


「三峰しゃまぁ〜!!」


 そして、その空気にそぐわない能天気な桜子の声が響いて来る。


「喜んでくだしゃい! 三鷹のマンションが1億3千万で売却できました。既にわたしの貯金も含めてマカオに送金済でしゅから、成田から高跳びしても明日から何の不自由無く暮らせましゅよ?」

「よっし! でかした!!」


 俺は桜子の頭をワシワシ撫でてやると、奴は上気したぽわんとした表情で嬉しそうにニヤける様がやけにセクスィー、と言うか、小学生に見せてはいけない性的なハレンチ顔であった。


 最早置物と化した少年少女は、土下座組(いじめっ子)も、ボケっとつっ立った(傍観者たち)連中も、揃って信じられない物を見るような目で俺達の様子を追っていた。


 無論、ジャッキーもアランも、その仲間たちも、初めて見る調教済のエロカワイイ桜子の姿に


「「マジか?」」


 と、驚愕しきりであった。




 ◆




 そして、その後の俺達の顛末についてだが、少しだけ話しておかねばならないだろう。


 目と耳を塞いだまま、何も証言しなかった教職員達と、余りの超展開の連続に、証言する自分自身を含めて何ら有益な情報を語る事の出来なかった少年少女達の群れに、警察も正直食傷気味だったのか、今回の事件については犯人の手がかり自体を掴む事に難儀していた。


 無理もない。


 目の前での大量虐殺を見せられた子供達のPTSDを疑った警察と医療機関による、極めて配慮された取り調べにより、時間だけを空転させた結果、時間を追う毎に被害者となった仏さんの悪事の証拠だけが積み重なり、結果、犯人グループを置き去りにして被害者を犯人死去のまま書類送検しなければ面目が立たない程に警察が外野から叩かれたのだ。


 しかも、世論は被害者に対して「殺されて当然、さもありなん」と言う見方が多数を占めた。


 まあ、それも俺達、と言うか、ジャッキー達の仲間の情報工作によるモノなんだけど。


 そして、俺と桜子は「香港競馬場に現れた謎の親子? ギャンブラーとして名を馳せた後、ワールドカップ発祥前の黎明期にあるドバイに渡り、「ドラゴンファミリー」共々王族との誼を結ぶと、その頃鳶田さんが産まれた子供と共に日本から訪ねて来た。


 すわ! メインヒロイン就任か? と思ったらさにあらず。


 彼女を自宅まで送り届けたジャッキーの部下とデキていたのである。


 子供共々受入れた男気のある部下の人(チェンと言うらしい)はこれに奮起してドラゴンファミリーのNo.3として活躍する事となるのだが、それはまた別のお話。


 一方、俺達の方はと言うと、王子の庇護の元、着々と資本を積み上げて行き、俺が成人する頃には資産2兆ドルの大富豪となっていた。


 流石にここまでは俺の未来情報だけではちと足りず、桜子の幸運チートが非常に良い仕事をしてくれた。考えて見れば、約800万の肩代わりと年一千万の給与だけと言う格安で手に入れた「幸運の女神」な訳である。やっすい女だな。


 そして、俺は某国で爵位と新しい「姓」を買い、新たな人生を歩む事となる訳だ。


 これで、名目上は()()事件は無かった事となり、俺は堂々何時でも日本に里帰り出来る身の上となった。


 まあ、今となってはあんな国に未練は無いけどな。


 今や、桜子と言うチート持ちを筆頭に、世界中の美女軍団を俺のビジネスパートナー兼、情人として抱え込み、シャンパンと薔薇と愛欲の日々を送る、何とも良い身分である。


 そうして、2020年が訪れた。



 ◆



 俺も早、40歳。とは言え前世以上に健康に気を配る毎日である。


 そして、前年年初に俺は気の置けない仲間たちと共に、俺にとってのラストリゾート。ツバルへと居を移した。


 此処で、()()悪魔。いや、魔王たる【コロナウィルス】との最終決戦に挑むのだ!


 とは言え俺は医学の専門家では無いし、俺が死んだ時点で特効薬があった訳でも無い。


 そう。俺はコロナウィルスに罹って死んだのだ。


 2020年初頭、中国武漢で大発生した新型コロナウィルスは、瞬く間に全世界へと蔓延し、世界中でパンデミックを引き起こした。その感染力は欧州イタリアからヨーロッパ諸国を網羅し、アメリカ全土での感染拡大に伴い、各国で人類史上初とも言える全世界的国境封鎖を引き起こした。むしろ、感染が収まった後の経済的損失と、それに伴う「人死に」が心配になる程に。


 その頃、発祥地の中国では感染拡大の勢いも落ち、人類最初の勝利者として、その偉業に酔っていた。


 だが、喜ぶのはまだ早かったのだ。


 老齢者達に対して洒落にならない致死率を誇っていた段階を「第一」の段階とすると、それまで比較的若年層に対して被害の少ない状態から、老若男女問わずに感染してきた段階に進んだ強化されたウィルスになったのが「第二段階」。そして、感染から一度介抱に向かい一段落したかに見える状況から、それを嘲笑うかの様に潜伏したまま、密かに復活の時を待ち、時が来れば一気に本丸を攻め落としにかかる。風林火山の如き荒れ狂いを見せる、その狂暴性を顕にした姿こそが「第三段階」。真の意味でヒトの天敵たる姿を顕にした、最凶最悪の【魔王】たる姿である。


 そして、俺自身もまた、この「第三段階」に、してやられた口である。


 時は2020年7の月。


 一度は終息宣言を出して人々がその閉塞感から開放された事を喜び合う、そんな最中である。


 都内で父親の会社を継いだばかりの俺は、史上最悪のウィルス渦から会社を守る事ばかりに意識を注力していた。


 一歩間違えたらウィルスよりも前に貧乏によって死ぬ! そんな脅迫観念に支配されたまま、休業する事も出来ない状態でただひたすら働いた。働いて金を稼ぐ以外に自ら生きる術が無かったのだ。


 そして、当時はそう言う輩が大多数を占めていた。


 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ。

 そう信じて邁進して来た。


 だが、身を捨てて飛び込んだ先に、ぷかりと浮いたのは俺自身の死体だった。


 今度は同じ轍を踏まない。今度は守るべき大事な人々と共にあるのだから。


 攻撃が最大の防御なら、防御もまた、最大の攻撃なのである。痛いのも苦しいのも嫌なので防御力に極振りして何が悪い!?


 その為に選んだ人類文化最辺境の地だ。


 生存戦略としては、此処で2年程巣ごもりをしながら、怠惰に、淫らに過ごして行きたい物である。


 ちなみに今回の巣ごもりメンバーは、俺と桜子を筆頭に18人の嫁と同じ数の子供達。ジャッキーの家族が夫婦と二女。アラン家が妻君と年老いた彼の母(実は血の繋がらない孤児院の元経営者でジャッキーの育ての親でもある)。ナンバー3のチェンさんは現在シンガポールで鳶田さんと俺達の代わりに実務を担当している。


 こうして、半リタイアと言う体での隠遁生活も半年を過ぎ、前世の俺の死亡時期を見事無事にクリアした。


 その頃、世界では8億人の感染者が発生し、5千万人の死者が出た。


 日本でも、死亡者が10万人を突破したが、これはまだ予想よりも少ない数字である。尤も、自殺者と餓死者がほぼ同数居る事を考えると他国と比べても決して被害が少ない訳では無い。自殺だけならこの30年で百万都市が空っぽになる程出ているのだから。ある意味中国や北朝鮮よりも救えねえ。




 年が明けた。人類は、まだ生きている。だが、数は半減した。


 何処もかしこも死体だらけ。遂に人類は、死体処理を放棄しだした。

 産業も崩壊した。現在、一番人気の職業は「死体漁り」である。死者の家を漁るだけで、それなりに儲かるのだから止めるバカは居ない。食料も底を尽きたから、下手すればご馳走が野生動物と言う原始時代並になっている。


 我がコミュニティー? それはまだ大丈夫。まだ、人間らしく生きている。少なくとも死体を喰らって生きるグールに成り下がった先進国の様にはなっていない。と、言うかツバルは殆ど変わっていない。俺達の提言を聞き入れ、ほぼ、俺達が居を移した2年前から実質的な「国境封鎖」状態だったから。


 お陰で俺の事は「現代のノア」だと島民達から持ち上げられているし、俺達の住まう地域は地名をアークと改名までした。ツバルのアークだけで俺の所に手紙が届くのだ。


 2021年は、それでも残った人類が、奮起する者、落ちる所まで落ちる者、と二極化が著しくなった年だった。比較的終息の早かった地域は、先ずロシアと中国、その周辺である。ロシアは分かる。広い地域に少ない人口密度。接触の機会が少なければそれだけ感染機会も減ると言う物。中国は最初期からの感染地域故、ありとあらゆる方策が取られて来た。結果、対処療法とは言え、中国4千年の歴史が復活を後押しした。こういう時、中国人はやっぱりしぶといと改めて実感した。


 一方、落ちた所はマジで駄目だ。


 インド、パキスタンは、共に互いを罵り合い、最期は20億越の国民全てを道連れに、核を撃ち合って絶滅した。


 欧州は、黒死病(ペスト)の悪夢再びと新興宗教が流行り、教祖と称する者が子供達を「約束の地」へと連れて行くと宣言。住民達と争いとなり、信者は保護した子供達諸共虐殺された。


 我が日本は、北朝鮮が特効薬を開発したとのニュースを真に受け、それのレシピを公表しない事を「人類への裏切り」と批難し宣戦布告した。とは言え、この一年で医療も警察力も自衛隊も崩壊している。日本が取った戦略はシンプルだった。即ち、徴兵した下級国民を感染させ、治療して欲しくば北朝鮮を落として来いと脅したのだ。謂わばリアルな意味での【人間魚雷】である。既に2千万を切った日本人に対しこんな事をする政府に対して、僅かに生き残った知識人達が決起、遂には自民による支配を打倒。大政奉還を実現させ、日本は親政を約900年振りに取り戻し、賢人達による統治を取り戻した。尤もそれまでに更に数百万人の犠牲を出したのだから、最早国家としての体を成していないとも言えるかも知れない。収束後は米中両国に国土を切り取られるのが関の山だろう。




 そして、2年が経った。


 2023年。コロナウィルスに対する抗体を持つ女性が発見された。


 と、言うか、桜子だった。


 ここでも安っすい「幸運の女神」はミラクルを達成したのだ。


 我が医療チームの偉業であると同時に全世界にその福音が発表されると、生き残った人々による喝采は全世界を揺るがす程の歓喜の渦となって普く世界に波及した。


 遂に人類は【魔王】の驚異より救われたのだ。


 人々は桜子を讃え、【現代の聖母(マリア)】とまで呼んだ。60近いBBAを持ち上げ過ぎだが、マジ本人は何もして無いのに、どんだけラッキーマン体質なんだか?


 ラッキーついでにもう一つ。俺と桜子の間の子供、神流(カミル)がユーチューバーから全世界規模のアイドルとしてデビューした。その出自が公表されるや、全世界の芸能界が黙っていなかった。


 現在では、変な虫の付かない様に「ドラゴンファミリー」総出でのバックアップにより、大事に、大事に育て上げられている。




 何はともあれ、こうして、俺の物語は幕を閉じ、人類は平和を取り戻した。最終的に人類は十億を切る程に激減したが、多くの無辜の民と共に世界を牛耳っていた支配者層もまた、壊滅的ダメージを負った。


 ノウハウは消失したが文明はきっちりと生き残った。


 人類は勝利したのだ。


 戦後処理はまだ当分時間を要するが、それも幸せの対価である。


 こうして、世界は平和になり、生き残った人類は幸せを取り戻した。


 めでたしめでたし


 これで


 おしまい。

燃え尽きたぜ。まっ白に、よ……


と、言う訳ではありませんが、しばらく再構成の為にお休みします。書きだめも尽きた事だし。


いっそ「SS」を抜いて完結出してもいいのですが、本来こんな話では無かったので、本意でも無いのです。


いや、いっそランキング狙いで完結出すのも悪くは無い、のか?(ニヤリング)

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[良い点]  素晴らしい~^^!(^^)!このパターンだけでも、^^ 百巻は出せる^^(o^―^o)ニコ~電子書籍で短編を量産^^ 一巻百円以下でも印税70円十数年前情報原罪不明・・ 単独でも月一万部…
[良い点] 普通に面白かったけどやっぱりもう少し細かいところも書いてくれたらと思う。 [気になる点] 今世間様はコロナに敏感だからもう少し表現気にした方がいいのかな?とは思ったけどまあ面白いからなぁ笑…
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