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SS:いじめられっ子、胸糞タグを付けた上でザマァを敢行するのコト。(上)

ランキング28〜29位辺りを彷徨っております。皆様のご期待に添えるといいのですが……


数々の感想を頂きありがとうございます。番組の途中ではございますが、頂いた感想をヒントに、「思いついて」しまったので衝動的に書いてしまいました。


どうか、生暖かい目でご覧頂けましたら幸いです。

 

 ゴールデンウィークが明けた最初の登校日の事だ。


 俺は白地に【胸糞】と書いてあるTシャツを着て登校した。先日のアキバ行で発見し、何故か心に刺さったので購入した逸品である。尚、帰ってから気が付いたのだが、タグの部分にも【胸糞】のロゴが刻まれていた。クールである。クールジャパン!


 そして背後には黒づくめの外国人の一団がシークレットサービス宜しく俺に付いて来ている。


 彼らもまた、先日のアキバ行の際、道案内の末に仲良くなった通称「ドラゴンファミリー」の一団である。彼らはマカオ出身の華僑の者達で、普段は歌舞伎町界隈を縄張りに、日夜青竜刀を振り回し日本のミンボーと抗争を繰り広げ、粋に暴れ回っていると言う。


 彼らは道案内にいたく感動してくれて、目的の買い物の後、食事をご馳走してくれたのである。その際、互いに境遇を語り合った結果、何故だか俺の身辺警護を買って出たのである。


「HEY Yo ミツミネ! 本当にこの学校にお前の様なナイスガイを甚振ってやがる嫌な輩が居るって〜のか?」

「ああ、ジャッキー。だが、本当にヤル気なのか?」

「当たり前だ! その為に集めた兵隊ざっと百人。一人一殺もすればあっという間にお前の【敵】は完全に駆逐されるってなスンポーだぜベイベ」

「イヤイヤ、一人一殺は駄目だろう。【命大事に】!」

「OH! なんて優しいんだミツミネ! お前は正に天使の様な奴だぜぇ! だが、そんな天使の平和を乱す乱暴者は許しちゃいけねー! おうお前ら! 今日を限りにマイエンジェル ミツミネの【敵】を一掃するぞぉー!!」

「「「アラホラサッサー!!」」」


 は〜、ジャッキーはとってもいい奴なんだよ。ジョー=ディ○トン並に。それがどうしてこうなったのやら?


「それはミツミネの境遇故であろう。マカオの下水道でドブネズミを喰らって生きてきた俺達ですらドン引きする程の地獄を生き抜いて来たミツミネだからこそ、俺達はお前の力になりたいと強く願ったのだ。今やお前は俺達『ドラゴンファミリー』の精神的支柱。それを汚す者達は、何人たりとも生かしちゃ置かねぇ。そうだよな!? 皆んな!!」

『『『ウオオオオっ!!』』』


 今度は黒髪ロン毛の東洋的イケメン、アランが俺を持ち上げる。アランはジャッキーの参謀で元々二人はプリ、いや、みなし子だったと言う。


「とにかく、俺達とお前は共に盃を交した【心の友】だ! お前の敵は俺達の敵! 最早遠慮は無用だZe!!」


「三条! 一体どう言う事だ!? この怪しい男達は一体誰だ!!」


 嗚呼、止せばいいのに担任の蝶菜畑(チョナサン)が、ジャッキーとアランに因縁を吹っかけた。


「うるせぇよ!!」

「ギャー!!」


 あはれ、チョナサンはジャッキーが一刀の元に斬り捨てた。流石は実戦で鍛え上げた青竜刀。切れ味パねぇ!


 飛んで行ったチョナサンの首は、ゴロゴロと校庭を転がると、嶋田の一派が屯していた玄関先で止まった。最初は呆然とその首を見ていた嶋田達であったが、やがて我に返ると大声を張り上げて絶叫した。


「「「「ギャー! 人殺し〜!!」」」」


 その声が木霊となり旧校舎を反射して奴等の元に帰るまでの刹那、


 ズンバラリン!


 今度はアランが一刀の元に嶋田達を斬り伏せた。頭と胴の泣き別れである。前世で俺の目玉を抉った「安井」も、隠れて俺の弟を甚振っていた「中村」も、嶋田と一緒に俺の家に侵入して、俺の買った中古のゲームソフトを【俺が盗んだ盗品】だと嘘を付き堂々と持ち帰った「大田」も、揃って【命の灯火】を消してしまった。


 その惨状に、騒然とした空気に包まれた校庭に、校長がおっとり刀で駆けつけた。


「この騒ぎは一体なんですか!?」


 彼は止せば良いのに、今現在この場に居る【部外者】の男に声をかけた。


「ギャー!? け、慶次?」


 校長と共に現れた五十絡みの男。アイツは覚えてるぞ! 確か前世では十年後位に文部大臣を務める事になる嶋田の父親だ。


 確か奴が大臣になってから、国民の分断が更に著しくなったし、下層の国民は本当に教育を受ける機会と言う物を失った。本当の意味での【国賊】と言う奴だ。


「ソイツは絶対に殺せ! 生かして帰すな!!」

「な!?」


 俺はみんなに本気の命令を出した。なるほど、自分をいじめていた奴等よりも、ああいった手合の方が、俺は大嫌いだったんだなぁ。


 しみじみと実感した10歳の春。


 あっけにとられるばかりの嶋田父は、百人近い華僑の若者に青竜刀で斬刻まれてあっという間に「ミンチ」に成り果てた。人間がミンチになる様、初めて見たわ。


「う〜ん、早まったかな? ガキの方からミンチにして父親に喰わせれば良かったか?」


 ジャッキーが何やら恐ろしい事を言い出した。


「イヤイヤ、何処の妲己様だよ!?」


 超ドン引きである。


「さて、と、確か、この学校の校長だったか? 賄賂を受け取って私腹を肥やし、官僚と結託して俺達のエンジェルを痛めつける様な輩を野放しにしていた。それだけでも充分、極刑物だと言う事は、理解してるよなぁ?」


 アランが、腰を抜かして失禁している校長の首根っこを掴んで連れて来た。


「い、命ばかりは、お、ヲタスケぇ〜」


「登校中のチビっ子諸君! 此処に居るのは己が私腹を賄賂で肥やし、男女問わず校長室に連れ込んでいかがわしい事をしていたと言う【大悪党】の『大貫 大座衛門』校長先生だ!」


 ジャッキーがアランから引き継ぎ、大貫校長の悪事を暴露し始めた。俺すらも知らなかった校長の悪事が白日の元に晒されてる様を、俺は呆然と見守るしか無いのだが、本当にそんな事してたのか?


「君達の中にも居るだろう。奴の被害に会った者たちが。きっと、辛い過去だとは思うが、どうか勇気を持って奴の罪咎を告発して欲しい。此処に居るのは5年生の三条三峰くんだ。彼も勇気を持って奴等の暴力を告発してくれた。だからこそ俺達は【義】によって彼の助太刀をしたのだ。だが、この学校は異常過ぎる。調べれば、調べる程、次々と悪事が出てきたのだ。その中に君達の仲間がこのクソ野郎に蹂躙されていた資料が出てきたんだ」


 いや! そんな話は初耳なんですけど……


「どうか、勇気を持って告発して欲しい。俺達、三条 三峰と愉快な仲間たちが、必ず奴等に【正義の鉄槌】を下す事を約束しよう! 無論、君達にこれ以上の危害を加えられない様、細心の注意を払う事も約束する!!」




「わ、わたし、校長先生に触られましたっ!!」


 確か、4年生だったと思うが、一人の美少女が校長の悪事を告発した。それを皮切りに、


「私も校長室に連れ込まれて……」

「ウチも!」

「いやらしいこと、されました」

「俺の妹が!」

「僕も男子トイレで!」


 次々と出てくるわ出てくるわ、総勢20名程が次々と告発して来たのだ。


「う、嘘だ! 言いがかりだ! こんな事をしでかして、只で済むと、思ってるのかっ!!」


 校長が目を泳がせながらも、自身の潔白を主張しているが、むしろそう言う態度こそが彼の【黒】を証明していると思う。


「わ、ワタシは、5年3組の鳶田 美代です。ワタシのお腹の中には校長先生の赤ちゃんが居ます」


 ぶっ!?


 さ、最期に、トンデモナイ爆弾抱えた娘が出てきたあ〜!?


「嫌がるワタシを校長室に連れ込んで何度も何度も……ぐすっ」


 うわあ。俺の境遇も大概だとは思っていたが、流石にこう言う境遇になる事は無いからなぁ。人間、下には下が居ると言うコトか……


「校長先生は言ってました。『自分は優秀で、立派な、尊敬される人物だから、儂の子供を孕めるお前は三国一の幸運な花嫁だ!』と」


 うわあ、素でそんな事言う輩、初めて見た。ってか、さっきから「うわあ」しか言って無いな。俺、もう用事済んだよな? 帰っていいかしらん?


 

この物語は、皆様のご愛情をスポンサーに提供いたしております。


お気に召して頂けましたら、下記よりポイントをご提供頂けましたら、幸いです。


感想、レビューも熱烈歓迎いたしております。


島 様、この度はご感想ありがとうございます。

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[一言] うわぁ……もうカオスだよぉ…
[良い点] 堂々の完結。 [一言] 2日の更新停止の後に本編として前書きなしで掲載されたら名作だった。 ※効果には個人差があります
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