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就職先は神の世界!?〜神の裁定で決まる異世界転生〜

作者: 水無月 深夜

高校卒業、大学卒業したあとは大体の人は就職する、中小企業、大企業、公務員いろんな就職先がある

その中でもホワイトもあればブラックもあるかもしれない、しかし俺が就職した職業は先はとんでもない場所で、とんでもない職業だった


◇◆


「じゃあまず、自己紹介してくれるかな?」

真剣な眼差しで聞いてきたのはある高層ビルの一室で三人のスーツを着たオッサンが椅子に座りその真ん中のオッサンが自己紹介を求めてきた

俺はハッキリとした声で自己紹介をした

「はい!私は東京都出身、〇〇大学の神島 悟です!本日はよろしくお願いします」

 俺は今、大学卒業後の就職先を見つけるために面接をしている真っ最中だった、そして今は一社目

 正直、俺は就職出来ればいいと思っていた、何故なら大学は一人暮らしでやってきて親からはまともに就職出来れば何も言わない、と聞かされ俺は大学は自由気ままで過ごし単位も安定して取り卒業見込みもでき、就活をしていた

 今はその就職先の面接で三人のオッサンと向かい合わせで座っていた俺は椅子に座り少し緊張気味で自己紹介をした

 「ふむ、じゃあ自己PRしてくれるかな?」

 「はい!私はーー……」

 俺は聞かれた質問に対してしっかりと答えた

そして、面接が終わり自分のアパートに帰路を歩いていた

 「はぁ…、疲れた…」

 俺は一社目とゆうのもあり、緊張から解放され全身から力が抜けていた

 周りは行き交う人々、車、トラック等、東京ならではの賑わいが夕方になっていても続いていた

 その中で俺はスーツを着て就活をしていた

 「近くのスーパーで惣菜買って帰るか」

 スマフォでスーパーの広告を操作しながら見て横断歩道の信号が青になるまで待っていた

しかし、疲れのせいかスマフォを落としてしまった、拾おうとしたら右足のつま先で蹴ってスマフォは滑るようにして道路に出てしまった

 その時、俺は周りを確認していればよかったものの、スマフォを拾う事しか意識しておらず道路に出てしまった

「危ないっ!!」

 咄嗟に誰かの声が聞こえたが俺はスマフォを拾った瞬間に意識が途切れた


◇◆


 目を覚ますと蒼く澄み渡った空が広がっていた

 「あれ?」

 俺は不思議に思い、起き上がるとそこには雲のような白いフワフワとした地面に一つの立て札に終わりが見えない地平線だけだった

 「どこだここ?東京、じゃないのは見てわかる」

 俺は立ち上がり身の回りを確認した

 服装は面接した時と同じスーツ姿、ポケットにはハンカチ、手には意識がなくなる前に拾ったスマフォ、確認すると圏外、時刻は18時を指していた、普通なら夕方で空は赤く染まっているはずが空は蒼く澄んでいた

 ほかに何かないか周りを見渡すと立て札に目についた、俺はその立て札に近づき書かれている文字を確認すると

「『死んだ奴はコッチに来い』?」

 の一文で矢印が左を指していた

 唐突の煽りに俺はキレそうになったが書かれた事が気になった

 「俺、死んだの?」

 そう、一文には『死んだ奴』と書かれていたので俺は驚いた、しかし目が覚めた瞬間にこの場所は説明しようがなかった、いわゆる天国かもしれない、とゆう考えに俺は至った

「うーん、死んだ事には納得いかないがとりあえずこの矢印に行けばいいんだな」

 俺はなんとももどかしい気持ちだったが立て札の指示に従い左側を見るとそこにはアニメとかでよく見る死んだ時に必ずあるであろうギリシャにあるパルテノン神殿らしき建物がそこにあった

 「スゲェ…」

 凄いの一言しかなかった、そしてそのまま引かれるように中に入った

 中は不思議と外観より多少広くなっていた、そして中央には裁判所にある裁判官が座る机が一段高く置いてあった

 しかし、それよりも不可思議な現象に立ち会った

 それは建物内の真ん中ぐらいに位置するであろう高さに少女が大きなクッションに包まれスヤスヤと寝ていた

 少女は真っ白いワンピースを着ていて天使のような寝顔がギリギリ確認できた

 俺はほかに誰もいないと思いその少女に声をかける事にした

 「おーい!すみませーん!」

 「う…ううん……」

 少女は寝返りして一向に起きようとしなかった、俺はもう一度さっきよりも大きな声で呼んだ

 「おーーい!起きてくださーい!」

 「うぅ…うるさい、誰ぇ…」

 少女はむくりと起き上がり目をこすっていた

 「すみませーん」

 「ん?死者か?」

 少女はクッションの上から俺を見下ろした

 「あの、ここはどこですか?」

 「くぁ〜、ちょうどいい奴に任せますか…」

 少女は大きな欠伸をして両腕を上に上げ軽く伸びをしてからクッションから飛び降りた、その瞬間、俺からは真っ白いワンピースのほか少女は急には落ちずフワフワと降りてきたせいもあってか真っ白いパンツもはっきりと見えてしまった

 俺は目が離せずそのまま見ていたら少女が目の前に降りてきた、少女は問答無用で俺の金的を蹴った

 「いっ!!!!」

 俺は猛烈な痛みでその場で倒れた

 「当然の報いです」

 少女はパンツを見られた事を知っていて俺の金的を蹴ったのだ

 「な、なら、上から降りてくるなよ…」

 俺は股間を抑えながら少女を見上げながら言った

 「お前が見るのが悪い」

 「クソ野郎…」

 少女はそれを聞き俺の頭を踏みつけた

 「誰がクソ野郎ですか、まぁいいですとりあえず簡潔に話します」

 「この状況で?しかも話とは?」

 俺は少女に踏みつけられたまま少女は話を始めた

 「あなたには裁定者になってもらいます」

 「はぁ?裁定者?」

 「はい、私、テミスが直々にあなたを裁定者に任命します、と言うよりやってください」

 少女は自分でテミスと名乗り、俺を裁定者として任命してきた

 「待て、テミス?裁定者?全然、話がついていけない!むしろその足をどけろ!」

 「もう、野蛮ですねー」

 「どっちがだ!!」

 テミスは俺から足を退けて俺はようやく立ち上がる事が出来た

 立ち上がるとテミスの身長は俺より腰ぐらいしかなく見た目的には小学生に近かった

 「で、裁定者とはどうゆう事だ?」

 「まぁ、めんどくさいですが説明しますよ」

 「最初からしろよ」

 すると脇腹にテミスの蹴りが入った

 「いってぇ!」

 「いちいち、うるさいです、聞いてください」

 「悪かった、進めてください」

 俺はさっきの金的といい、脇腹といい、二回も蹴りを入れられて心が折れそうになり、テミスに謝った

 テミスは不機嫌ながらも説明を始めた

 「まずはじめとして、あなたは死にました、それで転生させるのですが正直、めんどくさいです、なぜならば転生先は星の数ほどそれ以上あるためいちいち選んで転生させるのがめんどくさくなり、あなたを裁定者として選びます、私はその補助をします」

 「ちょっと待て、それならほかの奴でもよくないか?なぜ俺なんだ?」

 「だからぁ、めんどくさいと言ったじゃないですか、それでも断るならデタラメ転生させますよ」

 「すると、どうなる?」

 「そうですね、大抵はヒト以外になります、一番ひどかったのはスライムより、そこら辺にいるハエですかね」

 「マジか…」

 「やってくれますよね?」

 テミスは脅迫まがいに言ってきた、俺は来世の事なんて考えた事もなかったが、今まさに目の前にいるのは本物の神である事と神の裁定によって俺の来世、転生先が決まるなんて最悪だと感じて仕方なくやる事にした

 「分かった、やりますよ」

 「ほんとですか!よかった〜、今まで3027億6333万2002人目で見つかるとは苦労しました〜」

 テミスは安堵の息とキラキラした目で俺を見ていた

 「ん?」

 俺は一瞬耳を疑った、テミスは今なんて言った

「悪い、さっきなんて言った?」

「んー?苦労しました〜、ですか?」

「その前だ」

「3027億6333万2002人目?」

「そこ」

「あー、それは今まで裁定者にならないかと聞いて断られてデタラメ転生された死者達ですよ、まぁ気まぐれで聞いていたから実際に裁定した人数は7…」

「そこまででいい」

俺はその数字を聞いたら気が遠くなるだろうと思い、テミスを止めた

「さて、始めましょう」

テミスは指を鳴らすと、横の柱からテミスの顔より一回り小さい豚らしき動物が白い羽を生やしてパタパタと飛びながらタブレット端末を持ち、テミスに渡した

「なになに、あなたの名前はカミシマ サトル、トウキョウか…ふむふむ」

テミスはさっきの豚が持ってきたタブレット端末を見ていた、見るからにハイテクだったがそれよりもさっきから全て俺の個人情報がバレていた

「よし、覚えましたサトル」

「はいはい、俺の個人情報はモロバレでしたけどね」

「この個人情報は私だけ知っていればいい事なので、これからはサトルは名前だけで充分です」

「で、具体的な仕事の内容は?」

「簡単ですよ、各世界で死んだ者達がここに来るのでこの端末で相手の個人情報から読み取り転生先を決めてもよし、話して決めてもよし、自由で大丈夫です」

「各世界って、どんな世界があるんだ?」

「そうですね、サトルの世界で言うなら剣と魔法のファンタジー世界はもちろん、神の世界で死んだ者も来ます」

「それ人数やばくないか?」

「それは大丈夫です、なぜなら私以外にも裁定者はいるので」

「そしたら俺いらないじゃん」

「ダメです、これは神の協定による決まりで決まった席に決まった神が居座らないと天罰が下るのです」

「え?そしたらお前終わりじゃん」

「ここ数億万年、視察神が来ていませんからご心配なく」

テミスはえっへんと言わんばかりのドヤ顔で無い胸を張っていた、俺はその数億の単位はどのくらいの尺度で理解すればいいのか分からなかったがテミスが言うなら大丈夫だろうと不安と心配が両立した中だったが裁定者をやる事にした

「ほかに聞きたい事はありますか?」

「えっと、おま…ではなくテミス、様?はなんて言えばいい?」

「テミスでも構いません、サトルはこれからは神の一員ですから、ただ『お前』と次言った場合はデタラメ転生しますから」

「怖っ、気をつけますテミス」

「よろしい、では私は数百年ほど寝ますからあとはお願いします、分からないことがあればそこのトンちゃんに聞けば分かりますから〜…」

テミスはそう言って上にあったクッションまで飛び、横になって寝てしまった

そしてさっきテミスが言った『トンちゃん』とはテミスにタブレット端末を持ってきた羽が生えた豚?のことらしい

俺はこれからここで過ごす事になり、そしてこの裁定者とゆう職業につく事になった、職業とは言わないかもしれないが俺はもう東京に戻れないかもしれないと考えたら最終的にここが最終職業となる事を意味していた

俺は中央に置いてあった机に端末を置き、一緒に置いてあった椅子に座った

そして死者が真っ先に入って来るであろう自分も入って来た出入り口と向かい合わせになった

「とりあえず、やってみますか」

神島 悟

職業 裁定者

テミスに勧められ神に成り上がりたてのヒヨっ子裁定者

3027億6333万2002人目にして見つかった裁定者

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― 新着の感想 ―
[良い点] 異世界転生という、よくあるジャンルを上手く捻った発想が面白い作品でした。 作品自体は短編で、悟が裁定者に選ばれるまでとなっているので、実際に死んだ人間を転生させるところまで読んでみたくなり…
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