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人間とは

作者: 紙本臨夢

 人間とは何か。

 そんな哲学的なことはどうでもいい。


 僕たちは生きるしかない。

 人間ではない姿でも、人間のように生きたい。

 体質上はできない。

 気持ちだけなら、できる。


 どんなに忌み嫌われようとも生き続ける。


 辛いことがある。

 悲しいことがある。

 苦しいことがある。


 全てを越えた先にこそ人間はいる。

 人間は破壊するために生まれたわけではない。


 生物としての効率を求めると生まれた。

 僕たちの先を進んでいる。


 崇高なるもの。

 そんな人間が自分自身を問う。


 人間とは何か。


 無意味だ。

 無価値だ。


 結局は答えにたどり着けない。

 なのに自分の意味を問い、間違い、命を絶つ。


 無意味に死のうとする。


 醜いから?

 そんなの僕の方が醜い。


 生きる価値がないから?

 僕たちなんて生きているだけで害を撒いてしまう。


 誰にも必要とされていないから?

 僕たちなんてただ捕食されるだけ。

 必要とされていないよりも辛い。


 人間は自分のことばかり。

 僕たちのことなんて気にしない。

 だからこそ、愚かな間違いをする。


 自分で手一杯。

 ほら。そこに必要としているものがいる。


 自分が自分を必要としている。

 先ほどのことから、わかっただろう?

 自分たちが愚かな選択をしていることに。


 生きる価値がないなんてことはない。

 必要としている人は絶対にいる。

 それだけで充分過ぎる生きる価値。


 醜い。

 天井を見上げて。床下を見て。


 もっと醜いものがいる。

 僕たちは君に嫌われている。

 下品で醜いから。


 ほら。生きることは君たちにしたら、容易いこと。

 僕たちは色んな耐性がある。

 でも、一年で過半数は死ぬ。


 だからこそ、繁殖する速度が速いんだ。

 人間にしたら、不幸なこと。


 僕たちよりも繁殖速度が遅い。

 長く生き残れる可能性がある。

 だから、僕たちの分まで長く生きて欲しい。


 それが僕たち……いや、僕の願い。

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