ノルマ達成
そこは見たことのある場所で見たことのある美人さんがいた。
「ちょっと予想外でしたけどノルマ達成できましたね。おめでとうございます」
「予想外ってどういう事?」
「それは・・・」
話を聞くと、賢人たちが管理室に行けないようにリュウナがいた部屋の前に壁を作っていたはずだったがそれがなくなっていたらしい。それだけじゃなくリュウナが自我を持っていることも予想外だったらしい。
「また他の神が介入したんでしょうね。まあノルマ達成できたことですしいいでしょう」
「じゃあ俺たちを入り口付近に転移させるのか?」
「してほしいならしてあげますが、自分たちでできるでしょう?」
「できると思う」
そう言うと神様は「では」というが賢人が待ったをかける
「なんです?」
「俺以外のほかの連中は何してるんだ?」
賢人はクラスメイトを心配しているというわけではなく単純に気になったから聞いたのであった
「洗脳されて戦争の道具になってますね」
「そうか」
自分が召喚された時、クラスメイトがおとなしかったのはそういう事だったのかと賢人は納得する
「ではほかには何もないですね」
「最後に1ついいか?」
最後に賢人が迷宮を自由にしていいか聞くと迷宮として成り立っているなら自由にしていいとのことだった。
「ではお疲れ様でした」
神様がそういうと賢人はソファーの上で目を覚ます。
(これからどうしよ)
そう思い賢人はソファーから立ち上がり廊下に出るとそこにはマキナがいた。
「あ、ケントさん目が覚めましたか」
「あ、うん」
マキナはほこりまみれで手にホウキと塵取りがあった。
「掃除お疲れさま」
賢人は素直に感謝する。
「は、はい」
「神様に言われたノルマ達成したから地上に戻ってマキナを家に返すよ」
「そ、そうですね・・・」
「そう言えばリュウナはどうした?」
「外で宝探しをしてくると言ってましたけど」
賢人たちが外に出て奥のアイテムの山を見てみるとドラゴンのような何かが突き刺さっていた。
『ケントさん助けてください!』
「何してるんだよ」
マキナも呆れている。
『ここからいい匂いがして取ろうとしたら抜けなくなっちゃいました』
「じっとしてろよ」
そう言って賢人がリュウナを引き抜くと口に袋を咥えていた。
『これ胡椒って言うらしいんですけど・・・調味料らしいです!』
「こ、胡椒ですか!」
マキナは袋の中をのぞいて驚く。なぜそんなに驚くのかマキナに聞いてみると、胡椒は亜人族の住む国でしか育たないらしくマキナが住んでいた国は亜人族と仲がよくなかったため滅多に手に入らないものだったらしい。
「これがあればさっきよりおいしい料理を作れます!」
「『さ、さっきより・・・』」
リュウナと賢人がよだれを垂らす。
「さっきの豚もう1匹用意できますか?」
「『何匹でも!』」
そういうと賢人とリュウナは走って小屋の中に入っていき豚を呼び出し瞬殺する。
「マキナ~捕まえたぞ~」
「はい、ありがとうございます」
そういうとマキナは家の中に入り解体包丁を持ってきてその場で解体を始める。
「そういえば水とかってどうしてるんだ?」
「迷宮編集で家の庭に井戸を作ってみました」
「そうか。じゃあ俺は水浴びをしてくる」
「はい。料理ができたら呼びますね!」
賢人は庭に行き井戸の前に行き全裸になる。
(風呂に入りたいな~)
そう思いつつ賢人は体についた汚れを落とす。
(あ、体拭くのどうしよう・・・腕をうちわにして乾かすか)
賢人は腕をうちわの形にして扇ぐ。
(そういえばいつまでもブレザーのままいるわけにもいかないしあとでマキナに何か服を借りるか・・・あ、そう言えばローブ破れちゃってるけど使えるのかな?)
そう思い賢人はローブのポケットに手を突っ込んでみる。すると頭に情報が流れ込んできて中に入っているものが表示される。
(よかったまだ使えるようだな)
体が乾くと服を着てローブを着る。するとそこにリュウナがやってきた。