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第3話:腐った自分

更新が全然できなくて読者皆様、本当にすみませんでした。感想・批判等頂けたらうれしいです。

10時の東北新幹線に乗って僕は山形に向かっていた。


多分、あの手紙を見る前に向かってたとしたら、僕の帰郷は短いものだったに違いない。今はとにかく長くて長くて仕方がなかった。車窓から見える景色もゆっくりゆっくり僕の眼の端から見えなくなっていく。そうだ、なんて言おう。公園にいなくてもあいつの家に行こう。謝らなきゃ。ずいぶん待たせてしまった。怒ってるかな…。どうしてるかな…でも、



本当に待ってるのかな…?



ふとそんな考えが頭をよぎった。もうあれから何年もたっている。約束の4年後でさえ待ってたのだろうか?人の気持ちなんて簡単に裏返ってどこかに去ってしまうんだ。簡単に田舎の友人をきってしまった僕のように。まして、学生の頃の恋人遊びのような約束に、なんて。なんで手紙を読んだときに泣いたのか…今考えたら恥ずかしい話だ。たぶん、不意打ちだったんだ。記憶に残らないような生活の中でいきなり頭の中をくすぐられたからに違いない。なにも期待するべきではないんだ。第一本当に待ってたとしてもなんて言えばいい?


「ごめん、忙しくて忘れてたんだ。すまない。これからやり直そう」とでも言うつもりか。さすがにそんな虫のいい男じゃない。



最低だ。僕はいつからこんな最低な人間になり下がってしまったのか。いまさらあいつに会いたい自分とあいつを疑ってしまう自分が同居していてもうどうしたらいいのかわからない。最低だ…いったいなにが僕をこんなに腐った人間にしてしまったのか?無機質な都会での生活か?いまさら出てきた手紙か?それとも僕自身なのか。



会えない



こんな気持ちのままで会うことなんてできない。会っても何も変わらない。どちらも無駄に傷ついておしまいだ。そうだ、時間は戻せない。あのころの僕と彼女の関係には戻れない。帰るんだ。山形についたらすぐにでも帰りの電車に乗ろう。決めた。会うべきじゃないんだ。



車窓から見える景色はもう都会の景色と一緒だった。

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