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プロローグ
「みむろまめたろう?」
「おうおう。そいつがちっとも見当たりゃしねぇ」
「そうさなぁ……午鹿にでも行ったんじゃないのかい」
「へぇ、そんなことぼやいてやがったのか」
「いや店から出て右さ行きよったから」
「午鹿にねぇ……」
男はしばらく考えを巡らせていたが、口を横に伸ばし笑うと、景気良く声を響かせた。
「はんっ、行ってやろうじゃないの!」
「お客さん、気をつけなさってね」
濁る言葉に柔らかく微笑んで。
「おう、あんがとさん。すっかり邪魔しちまった」
手には大袋、腰には瓢箪。足取りは揚々、右へ折れる。
向かうが先は午鹿。
山間の商売人達が憩う場として賑わう温泉街である。
「勘弁するんはあんたの方さ、視無六目様」
最後まで書き上げられるかわかりませんが、亀並更新でのろのろがんばっていこうと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。