サブカルのクレカ規制がマンガ図書館Zを潰したのか
「サブカルのクレカ規制はラノベ界に波及するか」(N1320JC)を2024年5月29日に投稿後、新たな展開が見られた。
2024年11月26日、一つのネットサービスが停止した。外形的にはアダルトコンテンツの決済を嫌ったクレジットカード会社に契約を切られた、という形だが、本当にそうだったかは、甚だ疑問である。
マンガ図書館Zは、漫画村など違法コピー・海賊版漫画サイトに対抗すべく、「作者など権利者の同意を得た作品(多くは絶版された作品)を公開し、作者に収益を還元する」無料サイトであった。広告を掲載して運営されていたが、一部にPDFファイル販売のためクレジットカードなどの決済サービスと契約があり、今回これが止められた。「外形的には」DLSiteやDMM.com、ニコニコ動画などと同様にアダルトコンテンツをクレカ決済させないためとされているが、今回特徴的なのは、VISAやMasterCardだけでなく、JCBやコード決済も止められていることである。
止めたのは、決済代行業者、いわゆるアクワイヤラで(現在のところ)社名は明らかになっていない。アクワイヤラは国際クレジットカードブランドやコード決済業者と加盟店の契約を仲立し、決済情報の受け渡し、お金のやり取りを行なっている。今までのケースでは、VISAやMasterCard(のアジアディビジョン、シンガポール支社)に圧力をかけられてVISAやMasterCardの契約のみを切っていたので、JCBやコード決済は契約続行されていた。それが今回はクレジットカードもコード決済も全て一気に切られている。
マンガ図書館Zにはアダルト漫画もコンテンツとしてあった、という。だが、個々のクレジットカードブランドが契約解除するならわかるが、今までオタクの最後の砦だったJCBやコード決済まで一気に契約解除に至る理由が不明である。マンガ図書館Zと赤松健は「反社」だったのか?。
サブカルのクレカ規制に関して、自民党所属の国会議員(山田太郎参議院議員)は2024年8月にVISAのアメリカ本社を訪問、「合法であるコンテンツ等に対する価値判断は行っていない」との説明を受けている。表現規制を行なっているのはアクワイヤラとの話だが、アジアディビジョンを管轄しているシンガポール支社が暴走している、という話も流れている。仮にシンガポール支社の一部社員がアクワイヤラに圧力を掛けたとしても、個々のブランドの商取引の範疇であった(独占禁止法やアメリカの反トラスト法に抵触する可能性はあるが)。
しかし今回、契約している全部のクレジットカードブランドとコード決済を全て止める、ということが例えばVISAのシンガポール支社が三井住友クレジット(一例)に圧力をかけたとしたら、VISAはJCBなどの他者ブランドやコード決済サービスに対して正当な商取引を妨害した、ということになり、日米の規制当局にガン詰めされることは必至である。また、アメリカの裁判所に訴えれば、(Pornhub訴訟を超える)一大事件になり、担当弁護士はウハウハ(死語)であろう。
赤松健参議院議員、また他のマンガ図書館Z関係者に「反社」が居たのだろうか?現在のところは情報がない。ただし、赤松健参議院議員は、漫画村に広告を出稿した広告代理店2社「エムエムラボ」(横浜市)と「グローバルネット」(東京)を訴え、一審(東京地裁)二審(知財高裁)とも勝訴している。もしかしたら当該広告代理店2社の関係者が手を回した?つーか、こいつらこそ「反社」の疑惑があるので、反社の圧力に屈したアクワイヤラ(重ねていうが社名は明らかになっていない)は拙い、かなり拙いんじゃないだろうか。
マンガ図書館Zはサービスを停止したが、現在、再始動に向けて動いている、ということである。サイトのページには、以下のメッセージが掲げられている。
Hasta la vista, baby! (地獄で会おうぜ、ベイビー!)
(明らかなネタですねw、最終行は、)
I'll be back! (マンガ図書館Zは帰ってくる!)