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ただいま、僕の帰る場所  作者: 西邑亮多郎
一節 母の想いと子の夢
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二十五話『婚礼』

いよいよ夫婦と成るべく結婚式を挙げる事と成った歩と真由美。

その準備に、歩は心躍らすのだった。

そうして、式を終えた一同は、晴れやかな空に清々しさを覚えるのだった。

 指輪を買ったジュエリーショップは、大阪の繁華街梅田の百貨店に店を構えている。

 場慣れしていない、田舎者とも言うべき私達を、店長さんは優しく丁寧に接客してくれた。

『仕事ですから。』

 と言われれば、それ迄の話しなのだが、私達夫婦には、それ以上の優しさと思い遣りを感じ好感を持った。

 そうした店長が居る事で、初めて行った時よりは緊張する事は無いだろうと思って居た私だが、店内へ足を踏み入れると場違い感に緊張の度合いは増してしまう。

 そうした私を、目ざとく出迎えた店長さんは開口一番、

「いらっしゃいませ、篠崎様。

 御用意出来て居ります。」

 と奥へ誘ってくれた。

 店長の言葉に恐縮しつつ、私は目の前に出された結婚指輪を手に取り眺めた。

 シンプルで洗練された、と言った印象のリングに私は大満足であった。

「有り難う御座います。

 良いです。

 本当に、良い物を作って頂いて有り難う御座います。

 きっと、彼女も喜ぶと思います。」

 心からの感謝を込めて礼を言った。

 私の喜ぶ顔を見て、店長さんも満足そうに顔をほころばせると、

「お気に召して良かったです。

 それでは、これらを包みますので、暫くお待ち頂けますか。」

 そう言うと、白の包装紙で手際良くケースを包むと、金色のリボンを掛け可愛く小さな紙袋へと収めるや、

「お待たせ致しました。」

 との声と共に、私へ手渡した。

 余りに綺麗な品を目にし、結婚式で驚き喜ぶ彼女の姿を想像すると、俄に私の顔はにやけ緩んでしまったに違いなかった。

「篠崎様、素敵なお式と成ります様、心より願って居ります。

 どうぞ、末永く御幸せに為さって下さい。」

 との言葉を贈られ、私は親身に成ってくれた店長さんに、感謝の言葉とお礼を言うと店を出た。

 見送ってくれる店長さんの視線を背に感じながら、私は結婚式で喜ぶ彼女の顔を想像し帰路に付いた。

 帰えれば、見せて欲しいと言われるだろうが、私は結婚式当日迄、店長さんが綺麗に包んでくれた包装を解きたくは無かった。、

『まぁ、出来上がりを彼女も見たい遣ろうから、そう言う訳にはイカン遣ろうけどなぁ!』

 そう思うと、彼女が指輪の出来を見れば必ず喜んでくれると確信して居た。

 家に戻ると案の定、彼女はじめ御夫妻や晴夏迄もが、出来上がった結婚指輪を見たがった。

 私が食卓の上へ包装されたペアリングケースを置くと、

「真由美さん、開けて見せて!」

 奥さんが言うのに、彼女は、

「こんなに綺麗な包装を解くのは勿体ない気もするけど、歩君開けて良い?」

 と聞いて来たのへ私がオッケーすると、彼女は丁寧に包装を解きケースを取り出した。

 皆が興味津々で見詰める中、開けられたケースの中に並ぶペアリングを見て、暫くは誰も声を発する事が無かったが、

「きれいねぇ!」

 言った晴夏の言葉に、御夫妻も良い品が出来て良かったと喜んでくれた。

 そして、それを手にする彼女の様子が気に成り見遣ると、彼女は指輪を手に取りジッと見詰めて居るのだった。

「気に入らん?」

 聞いた私に、

「ううん、取っても綺麗で嬉しいわ。

 大満足よ。

 只、歩君に聞きたいんだけど、この裏側に掘ってあるのって、歩君が頼んだの?」

 聞かれ、私は「そうだよ。」と答えた。

「ありがとう。」

 そう言うと、彼女は微笑み返した。

(愛と感謝を込めて 真由美へ)

 そう刻印して貰う様、店長さんへ密かに頼んでおいたのだ。

『だから、開けて欲しくなかったんやけどなぁ!』

 旨の内に思うも、まぁ仕方無いと、翌々日に迫った結婚式当日を待つ事とした。

 式前日、仕事を終え事務所に戻って来た私は、社員一人一人から、

「お疲れさん。

 歩、いよいよ明日やなぁ!」

 等と声を掛けられ、それらの祝福に有り難く幸せな気持ちと成った。

 そんな中、十代の時街君が近付いてき、

「歩さん、平服って何?

 どんな服が平服!?

 俺、スーツとか持って無いねんけど。」

 言って来たのへ、どう言った物なのか説明しようとした所へ、「皆、お疲れさん。」の言葉と共に社長さんが姿を現わし、

「早速やけど、明日は会社を休みにするつもり遣ったけど、朝に話した通り南川さんとこの現場へ出なアカン様に成ってもた。

 話しはしてみたんやけど、どうしても来て欲しいって事やから、悪いけど岸山さんと戸田君に健治行ってくれるか!?

 朝、気持ちよう手挙げてくれたのに甘えさせて貰うけど、何かあったらいつでも構わへんから連絡してくれてええから!」

 言った社長さんに、岸山さんは気にしないで下さいと返した。

「それと、日色。

 ちょっと、こっち来い!」

 言うと、社長さんは時街君を奥へと連れて行ってしまった。

『んっ!?

 日色、何かしたかな?」

 そう思いつつ、翌日出勤する三人を見ながら、私は心の内に岸山さんは別としても、私を嫌う戸田貞夫と、最近戸田と仲の良い江島健治は、元来私の結婚式を祝うつもり等毛頭無かっただろうから、この現場での仕事にこれ幸いと手を挙げたのだろうと思った。

 翌日朝、現場へ出て行く三人を見送ると、私達はいよいよ結婚式の準備へと取り掛かる事と成った。

 バタバタするまいと思いつつも、やはりと言おうかあれやこれや慌ただしく成るのが結婚式の朝であろう。

 花嫁である彼女が起きて来るなり、

「真由美ちゃん、顔洗ったらちゃんと化粧水付けて保湿するんよ。

 お化粧のノリが良く成るからね!

 それと、しっかりご飯食べて行くんよ。

 花嫁は、結婚式で目の前のご馳走なんて食べられないからね。

 忘れ物をし無い様に、出る時は最後もう一度しっかり調べてから出掛けるんよ。」

 そう言ったのに彼女は返事を返し、午後一時からの式に向け準備を始めた。

「真由美ちゃん、半には出なきゃ間に合わないわよ!」

 もう数分すれば時計の針が九時半を指そうかと言う時、壁に掛かる時計の針を見て奥さんが言ったのに返事を返すと、同じ様に式への用意をする御夫妻の元へ彼女が向かい、

「社長さん、奥さん。」

 正座し三つ指をつく彼女に気付いた御夫婦は、その姿に思わず動きを止め、

「真由美ちゃん。

 それは、私達じゃ無く、お母さんにしなきゃ!」

 言った奥さんへ、

「母には、後程致します。

 ですが、御二人は私と晴夏を歩君と一緒に住まわせて下さり、その上実家の経済援助をこちらで働かせて下さる事で叶えて下さった上、更に夢であった結婚式を挙げさせて頂く事迄して下さいました。

 ですから、どうしても御二人にはお礼を言わせて頂きたいのです。

 本当に、有り難う御座います。

 そして、不束者ですが、此れからも幾久しく、どうか宜しく御願い致します。」

 言った彼女に、

「こちらこそ、あなた達が一緒に暮らしてくれる様に成って、毎日が楽しくて幸せな日々を送らせて貰ってるし、真由美さんが来てくれた事で、私は随分家の事を楽させて貰らえる様に成ったから感謝してるのよ。

 だから、この結婚式は私達からのお礼だと受け取って頂戴。

 そして、こちらこそ、此れからもどうぞ宜しく御願いね。」

 奥さんが返したのに、

「そうや!

 真由美さんは今日、一世一代の花嫁と成って幸せを味わってくれたらええんやで。」

 社長さんも、そう言って祝福してくれた。

 社長さんの言葉を見届けると、

「真由美ちゃん。

 さっ、遅れるわよ!

 車、待たせてあるから、もう出なさい。」

 その言葉に背を押され、彼女は式場である神社へ晴夏を連れ一足先に向かった。

 この日、私達の結婚式は午後一時から執り行われる予定であった。

 が、花婿である私はと言うと、花嫁である彼女より些か遅れて着けば良かった。

 やはり花嫁と言うのは、女性特有の着付けやらヘヤセットやら化粧にと、多くの時間が掛かるのだろう。

 一方の男はと言えば、着付けも女性とは比べ物に成らない程簡単で、それなりの用意をしておけば、直ぐにでも本番を迎えられる。

 そうした事から、彼女が出掛けてから暫くして、社長さん御夫妻と共に式場へ向かうべく待ってた私へ、

「歩、ちょっとこっちに来てくれるか?」

 奥にある座敷兼御夫妻の居室から、社長さんが声を掛けて来た。

 何事かと向かうと、

「歩、どうや?」

 言った社長さんの横で、時街君が恥ずかしそうに立って居る。

 その姿は、普段の姿や見慣れた作業着姿とは違い、これ迄に見た事の無いキチッとしたスーツ姿であった。

 だが、馬子にも衣装とはこの事と言って良い程に、時街君はスーツに着られている感が否めなかった。

「そうやなぁ。

 着慣れて無いんはしゃあないし、少しサイズも大きいけど、似合うてると思います。」

 言ったのに社長は笑い、時街君は少しふくれっ面と成ったが、

「日色もこの先、友達の結婚式やなんやと、こうしたもんを着て行く機会もあるから、こう言うのを一揃え持っといたらええ。

 儂のお古で悪いけど、貰ってくれるか?」

 突然の言葉に、驚きつつ喜んだのへ、

「日色、教えとくな。

 平服ってのは、礼服迄行かんけど、普段着よりはフォーマルなもんって事やから、これからそんな式に呼ばれたら、最低限ジャケットにスラックス位は着て行くんやで。」

 これに、時街君は頷き返事を返した。

「さぁて、それじゃ皆用意出来た見たいやから行こうか?」

 社長さんの声に、御夫妻と僕、それに時街君は、社長さんの車で式場である岩木神社へ向かった。

 式場に着くと、今日の予定として歓迎看板に私と彼女の苗字のみが書かれて居た。

『今日の結婚式は、僕らだけやな。』

 思うと、私は社務所とは別棟と成る祭式専門の建物へ入り、案内の元、篠崎様控え室と書かれた部屋へ案内された。

 向かいを見ると、其処には彼女の苗字である栗原家控え室と書かれた部屋がある。

 今この時、彼女はあの控え室の中で、ヘヤメイクや着付け等の仕度に取り掛かって居るのであろう。

 そして、一緒に来た奥さんは、

「それじゃ歩君。

 私は、真由美ちゃんの介添えをしに行って来るわね。」

 と、向かいの部屋へ入って行った。

 それを見送り、私は新郎としての準備に取り掛かるべく部屋へ入った。

 だが、一緒に来た社長さんは、

「儂らが居っても役に立たへんから!」

 と、時街君を連れ、商店街へ時間潰しに向かってしまった。

 やはりと言うべきか、花嫁より新郎の方が仕度は早く済む。

 私は、用意して居た謝辞を取り出し一読すると、些かの緊張の中でも記憶して居る事に安堵し、結婚式を支えて下さる神社の方々や裏方の方々へ挨拶をしに行く事にした。

 こう言う時は、

『些少ですがと言う言葉と共に渡しておきなさい。』

 と言う奥さんの教えを守るべく、私は社務所やスタッフ控え室を周り心付けを渡した。

 控え室に戻って来た時、丁度彼女の仕度が終わったと言うので、写真撮影と簡単な挙式の説明を行うとの案内で、用意されて居る撮影場所へ彼女より一足先に向かった。

 私が、スタッフの方と話して居る所へ、彼女はお義母さんと奥さん、それに晴夏や幼い妹弟共々遣って来た。

 その気配に顔を向けた私は、思わず息を呑みその姿を見詰める事しか出来無かった。

「何をそんなに見てるのよ!」

 照れくさそうに言った彼女へ、

「むっちゃくちゃ綺麗や!」

 思わず言った私に、彼女はありったけの笑顔と共に、

「許す。」

 と返してくれた。

 その横では、幼い子供達が彼女の傍で誇らしそうな顔を私へ向け、奥さんは晴れ晴れとした幸せそうな顔を、お義母さんは嫁ぐ前の挨拶を受けたのか、頬に泣いてらした痕がうっすら見て取れた。

 聞いた所、彼女が着ていた白無垢は、お義母さんが嫁いだ時に着て来た物だそうで、レンタルで良いと言った彼女へ着せる為、この日の為にお義母さんが手直しして用意した物だと言う。

 少しクリームがかった色味に、鶴の柄が染め抜かれた白無垢は、彼女の綺麗さを一層引き立てる物で、お義母さんが嫁ぐ折、孫が嫁ぐ時にも着られる物をと、彼女のお婆さんが持たせてくれた一生物だと言う。

 そうした白無垢の彼女に合わせるべく、私もレンタルで黒の五つ紋付き羽織袴を着て、この後結婚写真の撮影をする為、用意された撮影スポットや神社の中で撮影して廻った。

 初めはぎこちなかった私達も、流石に慣れてらっしゃるのであろうカメラマンさんに乗せられ、気が付けば緊張とは無縁の笑顔溢れる写真が撮れて居た。

「それでは次に、神前式の説明を始める事と致しましょう!?」

 付いて廻って居た女性スタッフが、腕時計へ目を遣り時間を見計らったのへ、私と彼女は女性スタッフに付き添われ、最初に入った控え室へ戻ると式の簡単な説明を受けた。

 私が、結婚式のリハーサルは無いのかと聞いたのへ、スタッフの女性が神前式ではリハーサルと言う物は無く、基本的に神職が流れを指示するので、それに従えば滞り無く終わると説明してくれた。

 その簡単な説明とは、三献(さんこん)の儀。

 すなわち、三々九度や誓詞奏上(せいしそうじよう)玉串拝礼(たまぐしはいれい)など、新郎新婦自身が行う所作の説明で、凡そ三十分程度の物であった。

 一通りの仕度が済み、一時からの本番を前に三十分程の時間が出来た事で、新郎新婦である私と彼女は控え室に、他の参列者は神社が勧めた飲み物を飲みながら、別の控え室でその時が来るのを待った。

 一同が揃った時、商店街で時間を潰して居た社長さんと時街君も既に戻って来てたが、社長さんの顔は明らかに一杯引っ掛けて来たと解かる物だった。

 皆がその時を待つ中、私は迫る挙式に次第と緊張感が増すのを覚えた。

「それでは皆様、御用意を為さって下さい。」

 女性スタッフの言葉に、皆がぞろぞろと入り口へ向かうや、其処には神職と巫女さんが既に準備を整え待って居た。

 私と彼女は、巫女さんと共に手水へと向かうや、結婚式に先立ち手水の儀を行った。

 そして、皆が待つ建物前へ戻ると、神主さんと巫女さんを先頭に新郎新婦の私と彼女が続き、次に私の親代わりと成る社長さん御夫妻、彼女のお義母さんと子供達、そして親族代わりと成る社員や友人が続き、境内を歩き社殿へ向かう事と成った。

 これを参進と言い、境内に居た参拝客は中々見る事の無い光景に興味津々で、その目線の多くは間違い無く新婦である彼女へ向けられて居り、

「綺麗ねぇ!」

 周りから口々に彼女へ向けられる言葉に、私は鼻高々と言った具合に誇らしかった。

 社殿に着くと、中に在る拝殿へ向かい着座し修祓(しゆばつ)を受ける。

 修祓、即ち一同皆で結婚式へ向けお祓いを受け、続いて一同起立し斎主を筆頭に拝礼する斎主一拝で結婚式は始まる。

 そこから、神職による神様への捧げ物を行う献饌(けんせん)、結婚の報告と末永い幸せを願う祝詞奏上が為される。

 そして三献の儀、つまり三々九度を私と新婦である彼女が行う。

 二人で盃を交わし、夫婦の契りを交わすこの儀式は、同じ盃から御神酒を呑む事で夫婦として固く結ばれる。

 この儀式で、大中小の盃が使われる訳を、私達は事前の説明の際に、小さな盃は先祖やこれ迄への感謝を表わし、中の盃には結婚相手と力を合わせて行くと言う決意。

 そして、大きな盃には、幸せな家庭を築き永遠の愛を誓うと言う意味だと教わった。

 そう言った意味を噛み締め交わす盃に、私は感極まり高揚し手が震えるのだった。

 一方、妻と成る真由美は、厳かに粛々と盃を空けて行く。

 横目で彼女の様子を伺ってた私は、こうした彼女の泰然自若振りに感心するのだった。

 次に待つ誓詞奏上では、私が誓いの言葉を述べるのだが、彼女に男らしく良いとこを見せるべく気合いを入れた。

 私にしてみれば、緊張する事も無く、驚く程に上手く読み上げる事ができ、一矢報いた感が全身を貫き安堵した。

 すると、拝殿両側から巫女さんが現れ、神様に一層喜んで頂く為に舞いを奉納する神楽奉奏が行われ、次に共に人生を歩んで行く私達の決意として玉串拝礼を行う。

 私が置いた玉串の葉に、彼女はそっと寄り添う様に玉串の葉を重ねた。

 玉串拝礼を終えた私は、

『遂に、この時が来た!』

 と旨の内に思い、次に行われる指輪交換に緊張感を覚えた。

 巫女さんが持って来た指輪を見て、私と彼女は双方の指輪を手に取り、互いの左手薬指に嵌めるべく向かい合った。

 そうして、私が彼女の左手を手に取り、その薬指へ指輪を嵌めた時、「あっ。」と小さく驚く声と共に、彼女の手は震え指輪を嵌める私の手へ涙を落とした。

 彼女の薬指へ私は、ペアの結婚指輪では無く、彼女がジュエリーショップで見入ったペリドットのプラチナリングを嵌めた。

 てっきり喜んでくれると思った私は、思わず心配に成り彼女の顔を見たが、其処には笑顔ではあるが涙を流す彼女の顔があった。

 結婚式最大のイベント共言える指輪交換を終え、親族一同で御神酒を頂く親族盃の儀、そして捧げ物を下げる撤饌(てつせん)を終え、祝福して下さった神様へ一同起立し拝礼する、斎主一拝を以て結婚式は滞り無く終わった。

 表へ出、緊張から解き放たれた私達が見上げた空は、私達の結婚式を祝福して居るかの様に清々しく晴れ渡って居た。

これから新たな生活を始める篠崎家は、会社の事や従業員の事を一家で解決しながら将来へ向け歩んで行く事と成る。

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