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外伝・並行世界事変①


並行世界は無限に存在しているとされている

ある一点…通称『分岐点(インタラプト)』によって一つの世界線からいくつもの並行世界が生まれる


この物語は…白神零のあり得た未来の話



序章『覚醒』



法王国セレスティア(先進国家ゼクスの前の国名) ギルファルア監獄


そこには…『神具』の拘束によって動くことすら許されない少年が収監されていた

その少年の名は白神零…『聖魔全能神』の称号を継承した『神の使徒』だった



しかし、1人の母親代わりの女性の死が…彼の運命を狂わせた

彼の力は暴走し…その女性に死を齎した存在に牙を剥く

その力の暴走が『神界』の『真神王』によって収められるまで多くの人間を殺し尽くした


その国は一時的に『真神王』によって統率されることとなり

彼は…『真神王』によって裁かれる日をただ待つことしかできなくなった



その独房の前に…五代目『真神王』である『審判神』オーディンが現れる

「…こんな姿で再会なんて…残念だよ…ゼウス」

「…オーディンか」

「何があったというんだ…ゼウス…君の身に」

「…お前が知る必要はない…僕はどうなる?」

「…君は私によって裁かれることが決定した…」

「死刑か…」

「…残念だよ…でも皮肉だね…『クロノス』を倒すために共に戦った君を…僕が裁く事になるなんて」

零はそのオーディンの態度を鼻で笑う

「お前があのスピードでこちらの異変に気付いたということは…監視していたんだろ?僕を」

「…お見通しか…」

オーディンは零を見る

「死刑は明日…大人しく『最愛』と同じ場所に行くことだ…」

そして、オーディンは零の独房から離れていく



零は自身の前にある地面を見る

『このままで終わっていいの?』

そんな声が脳に響いてくる

「…僕に力はない…『全能』に覚醒する資格すら放棄した…それでも『真神王』程度にすら負けた…」

『…それはあなたの覚悟が足りなかったからでしょう』

「何が言いたい」

『あなたは…『最愛」を失った…その激情を復讐に利用した…それが間違いだったの…あなたは『エインテール(最愛)』の望む世界を創るためにこれまで戦ってきた世界が畏怖する存在になり…彼女の望む世界を創ればよかったのよ』

「…もう意味がない…彼女は…」

『それでもよ…戦いなさい…抗いなさい…それが…『彼女の為よ』』

「彼女の…為」


そうして夜が更けて行く



次の日



その広場には零に憎しみを向けている民衆が集まり白神零の死を待ち侘びている


零はその中心に拘束され…その周囲をオーディンの部下である『亜神』『真神』に囲まれている

そして、オーディンが壇上に上がり…零の前に立つ

「…罪人…白神零…何か言い残すことはあるか?」

零は白銀の眼を目の前に立つオーディンに向ける

「…『最高神』は僕に教えてくれた…人間の美徳を…しかし、僕が目の当たりにしたのは…醜い欲望のせいで犠牲になった僕の大切な人の姿…僕は信じてきた…彼女の言葉を…だが、もう限界だ…この世界は彼女の望む世界ではない…」

オーディンの『神槍(グングニル)』を持つ手が震え出す

「何を…言っている」

「僕は…『調律』を開始する」

その瞬間…膨大なオーラが放出され…オーディンは飛び退く

そして、零を拘束していた『神具』が粉々に消滅する

「これは…覚醒したと言うのか!」


白神零は本来『全能神』の権能を継承をすることで覚醒を遂げるはずだった

しかし、時空が歪んだ影響…そして彼の抱いた激情によって…彼は別の方向に進化を遂げた

その頬に『邪神印』という『特異』な紋章が現れる


「お前たち!かかれ!」

その瞬間…オーディンの部下たちが零に襲いかかる

「『陰月』」

零がそう言うと、何かに貫かれたかのように神の動きが止まる

「『陰雷』」

再び零が呟くと…どこからか雷が発生し…オーディンの部下の神々を一刀両断し…破滅させていく


その雷は…神々であっても再生させることが出来ないダメージを与える

「な!」

オーディンはその様子を見て絶句する

「この権能…まるで…」


かつて…神界を危機に陥れた神が居た

その神は『存在』ごと『虚無世界』と言う通称『果ての世界』に放逐され消滅を迎えている

その神の権能は…『暁闇(レリエル)』と言う

この神の起源は…『超常神』の一部である

故に…この神の消滅後権能は…元の主(・・・)である『超常神』の魂の下に導かれて…零に宿ってしまった


ここに…『暁闇神』が蘇った瞬間である




_______


名前:白神零

能力:『暁闇』

能力値:測定不可能

称号:『破滅を導く神』『*****』

武具・神具:『**』

詳細:???


名前:オーディン

能力;『審判神の神権』『戦争の神権』

能力値:4億程度

称号:『真神王』『神界を治める者』

武具・神具:『神槍(グングニル)

詳細:五代目の真神王

かつて、四代目真神王である『クロノス』をゼウスや他の神々と共に討伐しその座を獲得した

現在は白神零と言う『特異存在』の監視を『クラリス』と言う部下に行わせている



_______



オーディンは自身の危機を感じていた

「(危険だ…あの女(パンドラ)など比にもならないほどの力を手に入れたと言うのか…この仮初の肉体でどこまで戦えるか)」

零は一向に動く気配がない…

「(何故動かない…何を狙って…)」

その瞬間…彼は理解した…零の目的を

それは…神ですらこれまで数える程しか会得した事のない権能

『世界』を展開する権能

オーディンですら…その権能は使えない


零は前世の時点で会得していた…その経験を使い…『世界』の権能を生み出しているのだ


オーディンはそれを理解し…即座に零に斬り掛かる

しかし、その槍は彼に届かない

いつの間にか零の手に握られていた剣によって防がれてしまう

「それは…ありえない!封印されているはず…」

その剣は銀と白を基調とした神具…『暁闇神』がその手に顕現させ

『暁闇神』亡き後…神界に封印されたとされている

しかし、現在…その剣は彼の手に握られている

名は…『永劫(ゼロ)

神界の誰が解析してもその真の権能を暴くことが出来なかった…神具である


零はオーディンの攻撃を受け流し…そのままオーディンを弾いて、退かせる

「来ないのか?」

オーディンが動けないでいると、零はそう言ってくる

「お前は言ったな…『調律』を開始すると…何をする気だ」

「…お前達では出来ない事だ…争いが起こる理由…それは人間の欲望が原因だ…人間の欲には際限というものが無い…ならばどうするか…この僕が世界を管理し、人間の欲望をコントロールすればいい…僕が絶対的な存在であれば…過ちは起こらない…僕に反旗を翻すものが現れれば…その度に潰していけばいい…今の僕にはそれが出来るだけの力がある」

「それがどう言う事なのか…お前はわかって…___」

「君にどうこう言われる筋合いはない…僕は彼女の望む世界を創り上げる…その為だったらなんだって犠牲にするさ…それがたとえ…世界であったとしても」

「貴様!」

零はオーディンに剣を向ける

「お喋りは終わりだ…もうお前に用はない…神界で己の無力さを感じているといい」

「やめろ!」

その瞬間…零を中心にその広場全体を包み込むように…世界が展開される

『暁闇世界』

そこに集まっていた人々とオーディンは見た

紅に染まり切った太陽と存在を消し去るほどに純黒の闇を…

そして、零が拍を打つと同時に…その全てが飲み込まれていき…全てが消え…『世界」が晴れると

人々は立ったまま『廃人』と化していた

仮にこの世に零より格上の存在が居たとしても回避不能の必殺の攻撃

その世界では太陽は正を表し、闇は負を表す

対象を強制的に+極限と−極限に引き延ばす、結果として増えすぎる情報量を処理しきれず永遠に続く無限が対象者の脳を破壊する

オーディンでさえも…一時的な戦闘不能を免れない程に

「失せろ…」

オーディンの肉体は…『永劫』に斬り裂かれて消滅する


そして、零は『神翼』で建物の屋上まで飛んでいく

そこには…パンドラが居た

「零様…」

「オーディンの消滅は…他の『聖魔五大神』も気付いただろう…」

「戦争が始まりますね」

「それで良い…そうでなくては困る…この世界に神は僕以外に必要ない…『神界』からの進軍までにこの世界を制圧する」

「それが零様の望みであれば…喜んで」




ちなみに『神界』からの進軍に時間がかかるのはオーディンの受肉していた仮初の肉体ではなく真の肉体で顕現するにはある程度の期間が必要であり、そうでなくても『神界」では多くの敵を抑えると言う役目があり現世への進軍にはかなりの時間が掛かるから

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