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異変

いま、この場所には俺、レックス、ギルマスが居る。

ギルマスの部屋で簡単な表彰が行われることになった。

何故大々的に表彰をしないのか。

それは、今回の討伐作戦で、死人が多く出たからだ。

自分の仲間、親友、恋人が死んだやつもいる。

そんなやつがいる中で馬鹿騒ぎできるほど無神経ではない。


「今回、2人にはかなり頑張って貰ったな。感謝する。」


あとから聞いた話だが、普通討伐作戦では死人が出ない。相手のレベルに合わせて隊列が組まれたり、そもそもの敵の数がいないからだ。



「いや。俺の実力不足のせいでかなりの死人を出してしまった。すまん。」


「レックス。それは違う。お前がいなければそもそも勝てなかっただろう。この街が跡形もなく無くなり、蹂躙されてしまうことをお前は救ったんだ。お前は英雄さ。プライア、お前もな。」


突然話が自分にも言われて俺はあたふたしながら、


「はぃ?」


と、間抜けな声を出してしまった。


おっさん2人が苦笑すると、俺も少しだけ笑ってしまった。


「あ、そうそう真化ってなんです?ソウルモンスターがどうたらとか言うのは分かりましたけど、その後にもあの鎧すごいことになってましたよね。」


元々ソウルモンスターとして報告されていたやつが戦場でさらに強くなりましたっと言う場面を真化と言っていたが、どういうことを言っているのだろう。気になって夜しか眠れない。


「この後そのような場面に合うかはわからんが.......一応説明するとしよう。

ソウルモンスターというのは、その個体に特別な事象が起きた時に見られる変化だ。冒険者の剣を拾った、魔王の力を分け与えられた、等でなる。ソウルモンスター(魂を分け与えた個体)って呼ばれるのはそういうこった。」


へぇ。魂を分け与えられて変化.......か。魂っていうのは俗に言う魔力なんだろう。なかなか上手く言えている気がする。今回のやつは炎を使っていたから炎系の魔王の仕業かな?


「次に、進化と真化と神化だ。」


「しんかとしんかとしんか.......?」


「1個づつ説明するからな。1つ目のしんかは『次に進む』という意味の進化だ。まぁ、これはざっくり分かるだろうがスライムがミドルスライムに。ミドルがビッグに。みたいなやつだな。似てる名前ついてるけど岩の巨像と金の巨像は全くの別物だからな。」


と、ここまでギルマスが言うとため息をついて、


「他のしんかは俺は見たことない。あとはレックスに聞いてくれ。」


「ふむ。では続きは俺が話そう。」


「2つ目のしんかは『真の姿になる』真化だ。スライムで言えばブラッドスライムだったりマッドスライムとかだな。普通じゃありえない進化を遂げたものが真化と呼ばれるやつだ。これはあんまり分かってないんだが.......住んでいる環境、食べたものなんかが主に原因と言われてるな。」


つまりスライムにゴミばっかり食わせたらダストスライムみたいになるのでは!!!!

っとスライム育成についてワクワクしていると、レックスがまたもよく分からないことを言い出した。


「でだ、あの金の巨像なんだが.......」


「ん?どうした?報告では真化とされてたが。あぁ。あれを例として言うのか?」


「いや、もしかしたら呪怪化じゃないかという話になっていてな…」


「な、なんだと!?」


どうしようわかんない。何それ聞いたことないよ。

知らない単語がさっきからポンポン出てきすぎてオロオロしている俺を見てレックスが機転をきかせ、説明し始めた。


「呪怪化っていうのはな、一昔前に『魔王マルケイゼ』が放った呪いで、魔物を黒く変色させ大幅に強化し暴走させるウイルスのようなものだったんだ。あの巨像は真化したと思われる瞬間黒くなったし、いきなり強くなったからな。」


魔王が放った呪いがまた拡大していると言うなら、その魔王がまた悪さしているということか?割とやばくないか?


「それが拡大したらどうなるんです?」


「厄災再びだな。」


軽っ。そんなに軽くて大丈夫なのか?魔王って言ったら俺はあの爺さんを思い浮かべるんだけど。山を砂丘に帰るような人だったんだけど。


「そういえばSランクの上って無いのですか??金の巨像の強化されたやつ瞬殺してたけど、元々金の巨像だけでもSランクが5人必要って言われているんでしょう??」


そう。元々金の巨像はSランクが5人いて倒せるか分からないという強敵だったのだ。しかしそれをレックスは強化されさらに暴走した状態のものを瞬殺して見せた。レックス一人でSランク50人分くらいあるんじゃないのか?


レックスとギルドマスターは互いに目配せをし、ふぅ。と息をつきプライアに答えた。


「あるにはある。だがSランクの人間にしか伝えられていないんだ。お前は素質もあるしすぐSになるだろう。特別に教えてやる。」


あるんだ。やっぱり。まぁそりゃあ全員が全員レックスくらいの実力って思われてもあれだしね.......。


「Sランクの中にまたランク付けがあり、下から1,2,3,4,5と階が上がっていく。つまり、Sランク級の敵を倒した時に相応の階が上がるというわけだ。金の巨像の適任人数のSランク5人というのは、「熟練で最高水準のAランク5人」だと思ってくれていい。」


つまり、活躍すればするほどに階とやらは上がっていき、それがSランク内の格付けになっているというわけか。


「レックスの階はどれくらいなんだ?」


「俺か?俺はだな.......いくらだったかな。」


ギルドマスターはやれやれといったふうに一言、


「36だぞ。」


と言った。36っていうのがどれくらいすごいかよくわかんない。よし、聞いてみよう!


「どれくらいすごいの?」


「階1と階2では約3倍違うな。つまり、3×36だからレックスはSランク108人分の戦力、ということになるな。」


「ということだそうだ。」


「.......」


一人で金の巨像21体は倒せるっていう計算か。まぁ、圧倒的に強いのは分かっていたが.......


「そして今回の活躍で階は40になった。最終計算120人分だ。レックスは自分の活躍を自慢したがらないから霞んでいるが、この前魔王を倒した勇者の階は16と聞く。レックスなら魔王3人は倒せる計算だな!がっはっは!」


「やめてくれマスター。俺はそんなに強くない。運がいいだけだったのさ。」


やめろと言っている割には嬉しそうなレックスを横目に俺は自分のランクについても聞いてみた。


「俺のランクってずっとFなんだけど上がったりしないのか?」


「ん?あぁ、今回お前もだいぶ頑張ったと聞く。特例でAランクにしてやろう。レックスと2人で戦えるようなレベルだ。これくらいでも問題なかろう。」


FからA.......?

うっそだぁ.......





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