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終曲の一撃

遅くなりました

霜這+霜這(霜這×2)!!!」


氷結女王の涙(ラクリマ・グラキエス)!!!」


指先から落ちる一滴の超超高濃度魔力水は地面に落ちた途端辺りを凍らせながら突き進み、その先にいた金の巨像を呑み込んだ。


「間に合ってよかった.......」


あぶないあぶない。ワンテンポ遅かったらレックスがやられていたかもしれない。

結合魔法は便利だし、強力だが、俺にはまだ無詠唱でできるほどイメージ力がないため、いちいち口に出して詠唱しなければならない。後で練習しておこう。


「すまん、少し油断していた」


「結果オーライ.......とは言えませんね」


辺りを見ると、主に低ランクの冒険者達の遺体がそこかしこに転がっている。

巨像の闇色の魔法のせいだろう。


『ガガガ.......』


「―――――??レックスさん何か言いました?」


「俺じゃねぇ。かと言ってお前でもないとすれば.......」


2人は同時に同じところを見つめた。凍てついた巨像を。


黒い魔法陣が浮き上がり氷を溶かしていく。

もはや色も金の巨像ではなくなっていた。


「黒い.......」


「ぼーっとするな!!構えろ!」


俺はハッとして杖を構える。これ以上死人を増やす前にさっさと倒さないと。それはレックスも同じ思いなのか、

ものすごい形相で巨像を睨んでいる。


「プライア」


「1時撤退だ。ランクの低いやつから逃げろ。お前なら単独で動いても死なないだろ。動き回って端から端まで伝えろ。できるか?」


あなたは?.......という質問は押し殺した。

その代わりにこくりと1回頷いた。

今回の戦いでランクがいちばん高いのはSランクのレックスだ。最後まで戦場に残るのだろう。ならば、俺がやれるのは出来るだけ早く避難を完了させて応援に行くことだ。


そう思い、プライアは走り出した。

低ランク帯が撤退を完了し、高ランク帯の人たちもチラホラと戦場を後にした。


やはり低ランク帯は疲弊しきっていて、今日中はもう一度戦うのは無理だろう。

高ランク帯も少し疲れが見える。多少は休まないとだ。


戦場の方では、破壊音が鳴っている。

撤退は完了した。早く助けに行かないと!!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふぅ。撤退は完了したな。」


辺りを見渡し、レックスがそう呟いた。

レックスはソロでの戦いを得意としている。圧倒的なパワーとスピードはその衝撃だけで敵も味方も半端な物は倒してしまう。戦場での敵味方入り乱れての乱戦は、レックスにとっては不利なのだ。逆に、囲まれていたとしても、1人で戦っているのならそれはピンチにはなりづらい。


今までは、雑魚が大量にいたため仲間と戦っていたが、

雑魚大勢よりボス一体の方が脅威だと感じたのだろう。

何はともあれレックスはこれで本気が出せる。


「スゥゥゥゥ.......」


巨大な特大剣を上段に構え、黒い巨像を真っ直ぐに見据える。1歩の大きな踏み込みの後に地面に特大の剣を叩きつけた。


地面は割れながら一直線に突き進み、黒い巨像の前まで来ると大爆発を起こした。黒い巨像は爆発が起こる前に飛び上がり回避したが、周りにいた大勢の下僕たちは避けられず瓦礫と衝撃に飲み込まれていく。


「よく飛ぶが、まだまだだ。」


黒い巨像よりも高く飛び上がったレックスは巨像を思い切り蹴り落とた。

空中で蹴ったとは思えないような威力で蹴られた黒い巨像は地面に叩きつけられ、その衝撃で巨大なクレーターの中に中くらいのクレーターができてしまった。


『グ、グォォ.......』


強い衝撃を与えられた巨像は体が上手く動かず、ガシャガシャと鎧を鳴らしている。


空中で剣を構えたレックスは、落下のエネルギーに自身の剣の威力を乗せ、打ちつけた。


曰く、『超破壊の一撃(デストロイ)


その破壊の一撃はさらに大きいクレーターを作り出し、

周りにいた雑魚を砕きつつ放たれた衝撃は、退避していた仲間たちの元にも風となって伝わった。


少しして衝撃もなくなり、

土煙が収まったそこには剣を担ぐレックスの姿と

胸部から腰にかけての鎧が木端微塵に砕かれ、

残るはその兜と四肢の鎧だけに成り果てた黒い巨像の姿があった.......

ふぅぅぅ!!レックスさんかっけぇ!

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