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第15話 フィオナとルイ

フィオナの計画はこうだった。


「今日中に森を抜けて、ルクシャワ島特製ワインを手に入れるわ」


それを持って、明日の正午までにこの島を出航するという。


確かにそうしないと期日を過ぎてしまう。

間に合わなければ、フィオナは来週中には国王軍から出頭命令が来るだろう。


ルクシャワの森へとジャック達は向かった。

行ってみると、想像していたような不気味な森ではなかった。


丘を登り、やや開けた場所に出る。

所々ある丘は草木が多い繁り、身の丈より大きな岩や、ブナの木があった。


時々人が歩くのか、地面が露出した道があり、夕焼けが赤白く照らしている。


「あ、案外楽そうな道だな……」


ルイが言った。

若干顔が引きつっている。

ビビっていた、とバレバレだ。ジャックは心の中で苦笑した。


案の定、フィオナにも指摘される。


「あれ?ルイ、怖かったの?」


図星をつかれ、ルイの顔が真っ赤になった。


「そ、そんなわけないだろっ!!俺はオックスフォード家の男だっ」


「おとこおとこって、その顔どうみても女の子よ?ほんと憎たらしい。私よりかわいいんじゃないの?」


フィオナが嫌みったらしく言った。

ルイはムッとした。どうやら気にしていることを指摘されたらしい。


「お、俺のどこが女なんだよっ。どこからどうみても男だろうがっ!!」


「へー。どこからどうみても男……。そんな人が初等部の魔獣学入門で出てきたドラゴンの写真で半べそかくかしら」


いよいよルイの顔がトマトのように真っ赤になった。恥ずかしさが全身を駆け巡っている。

耳まで赤くしながら、ルイが叫んだ。


「む、昔の話だろ!!今は違うよ!!たとえドラゴンだってお茶の子さいさいさ!!」


最後に、フィオナが「魔法なんてロクに使えないくせに!!」と言ったところだった。


ガサガサッ!!


茂みから音がした。

沈黙するフィオナ達。


闇のように暗い茂みから出てきたものを見て、ルイとフィオナが仲良く声を失った。


「シャ――――!!」


威嚇するような声を出す。

赤い目。頭はジャックの腰あたりの高さだ。


蛇種スネイル――――!!」


アイリスが喉に何か詰まらせたような声で言った。スネイルと呼ばれたそれは、茂みの中から鎌首を挙げていた。今にも噛みつきそうな体勢である。


「わ、わわ…………」


ルイが恐怖に顔をゆがませた。

手がわなわなと震え、瞳孔が開いている。


だが次の瞬間。

キャン!!と、金属音がした。


ジャックが刀を抜いた音だ。

ジャックは一瞬のうちに、一歩でスネイルとの間合いをつめ、その長い首めがけて刀を振りおろさんとした。






「ダメッ!!!!!!!!」





裂帛の刹那の中――――。

アイリスが、つんざくような悲鳴で叫んだ。

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