大丈夫
電車に乗って、村に帰る。
平日の昼間に人が乗っているわけがなくて、椅子に二人、くっついて座っていた。
「次は社木、社木、終点です」
電車が止まる。
ただいま。と自然に口がついて出てしまった。
もうなじんでしまった、と少し笑ってしまう。
帰宅。だれもいない和美ちゃんの家に返ってきた。
もう日は山にかくれて落ちるていて、カーテンを閉め、お風呂のお湯を張っていた。
あの時の様子と何も変わらないなーと、ほっと一息をついていた。
大丈夫。かなゑ家はもうここには来れないはず。
ジリリリリリリリリリリリ!!!!
電話がけたたましくなった。怖いので様子を見る。
留守電メッセージへと変わった。
「はい、えーっと、もしもし、もしもし?」
高い声、あの声・・・思い浮かばない、でも聞いたような声。
かなゑ家の執事の人が電話に、なぜ?
「えっと、能田です。和美ちゃんに連絡したいことがあって、電話させてもらうわね。でも今日もお休みみたい。まあいいわ。いつものように要件を伝えておかなきゃ。」
「かなゑ家について、お伝えしたいことがあります。もしこの電話を聞いているのなら、折り返し電話をください。執事はもうやめてしまいました。なので安心してね。大丈夫。殺したりはしないから」
ガチャリ。ツー、ツー、ツー。
しん、と静まり返る。
和美ちゃんが急いで受話器を取った。
「もしもし!」




