私を守って
そうこうしてまた下校。その時、和美ちゃんは僕をむんずと掴み、校舎裏まで来た。
まさか出会って1か月で告白とかするなんて漫画のような展開のまんまだ。
まあいいや、どう返答しよう。
喜びと悲しみと感情が混乱し始める。
「あの、ね」
「うん」
「いや、君にも失礼だし、ごめんね」
「なんなの?詳しく教えてよ」
「私を守ってほしいの」
これは、告白か?
いや、告白だ。これは絶対に告白だ!
「いいの?僕なんかで、しかも、同性なのに」
「うん。君がいいのなら」
(もちろんオーケーだよ!いやあこんな事なんて)
「昨日先生が、少し前には橙子さんが消えたよね」
あれっ?
「私もじきにこうなるわ。あの人はササゲミによって消されたの。だから私を守って欲しいの。おねがい。私を守って!」
「ごめんね。急にこんなことを聞いちゃって。やっぱり無理あるよね。女の子に頼むってさ」
理解するのに数十秒かかった。
先生が、橙子さんが消えたのは、「ササゲミのせい」で、
その「理由」によって和美ちゃんも「消える」。
あまりにもわけがわからない。理解しきれないよ!
「なぜ、ササゲミを行うと消えてしまうの?だって、神様を鎮めるためにササゲミがあるのに、ササゲミをした人の周りが消えちゃうなんておかしいよ」
「ササゲミは、身をムクロに捧げる。だから、ササゲミをした私はムクロの元にいかないといけない。いずれ私も消える」
「そう、橙子さんは言ってたわ。あの人もやったみたいなの。ササゲミを」
「じゃあなぜ、先生は?」
「先生は、この村について調べてた。私も一緒に去年調べたりしてたの。その時に秘密基地を作ったりしてね、とても楽しかったわ。そのタイミングでなにか知ったのかもしれない」
「だから、私を助けて。ササゲミによって消されるまで」
人一人の命を僕に託すことはそれ相応の決心があるってことだよね。
その気持ちを僕がぶち壊すなんて、そんなひどいことはできない。
「わかった。和美ちゃん。僕が守るよ」
「ありがとう・・・」
ポロポロと涙を流し始め、僕の胸ぐらに飛び込む。
「へうっ・・・うっ・・・」
相当な気持ちだったんだろう。
和美ちゃんが泣くのをやめたのに、そう時間はかからなかった。
僕と、和美ちゃんを引き裂く事件が起こってしまった。
「・・・アリガト。さあ教室にもどろ。あ、」
「あ?」
「今週の土曜にお祭りがあるから、来ない?いい席とっとくよ」
もちろん毎日が暇な僕は「OK」と伝える。
すぐに和美ちゃんは笑顔になり、走って戻っていった。
でもここで戻ったとしても、どうせ授業内容はいつもの自習だ。
しばらく休憩しようかな。
静かな山々、美しい夕日、この清潔な景色の下には一体何が起こっているんだ?




