表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒトリムシ  作者: おかずシステム
39/73

通夜にて

夕方、深く暮れてきたころ、社木地区の榎本家で通夜が開かれた。


榎本家は地主であったことから大きな家を構えているが、

それでも足りないくらいに人がごった返していた。


それだけ人が集まった理由、もちろん榎本橙子、地区の自治会長の娘が亡くなったためだ。


住民のほぼ全員が参列したのだ。


榎本家と関係が悪かった、かなゑ家も帳簿を記入し、深い哀悼の意をささげた。


通夜の後、社木地区の榎本邸にて極秘の会合が開かれた。


呼ばれた住民は、古くから懇意にしており、榎本家と仲の良かった人々だった。


これが一住民が録音した一部始終である。



「村長、で、話ってなんだ」


「私の娘が殺された、のは知っているな?」


「ああ、もちろん。最近ここの村が物騒になってておちおち外にも出られんわ」


「まさか、またかなゑん所っていうことかい?」


「たしかに、かなゑ家は娘がこっちの学校に転校してきたらしいじゃないかい」


「任務のために来たとか転校初日に言ってたと孫から聞いたぞ。これは確かに怪しい!!!奴ら、我々をこれ以上苦しめて何をするってんだ」


ざわめきだした所を、手をたたいて静止させる村長。



「いや、今回はかなゑの仕業ではない、と思いたい」


「ワシは、ササゲミが怪しいと思う。ササゲミには元来秘密とされている巻物が存在する。


その中にササゲミの本来の伝承が存在している。それはササゲミを行うもののみにしか開かれない」


「本来の伝承・・・?」


ザワザワとどよめく群衆。


「俺生まれて初めて知ったぞ」


「ササゲミはあの伝承だけじゃないのか」



「ああ、そうだ。これは代々時守家の倉で維持管理されてきた」


「だから必然的にササゲミを行う者のみ、ヤマガエリを起こすようになっている。


橙子にはそれを伝えんでササゲミを行わせたんだが、まさか読んでしまうとは」


「これも必然的なものなのかのう。ササゲミを行うものは、山に還らなければならない。娘は、ササゲミを行ってしまったからのう」



「次のササゲミは、どうするんだ。引っ越してきた娘さんにやらせるらしいじゃないか。また橙子さんのようになるのか?」


「これ以上被害者を出したらシャレにならん。死なないササゲミ役もいただろうに。なぜ最近になって死ぬようになってしまっているんだ?村長さん」


「これ以上村が物騒になるのだけはもう嫌なんだよ。村長」



「そうやっていちいち騒ぐのはやめい。今後の祭りについて神主と話し合っているところじゃ」


「とにかく!この村は、またヤマガエリがあるかもしれん。しかし下手なことをせん限り死なんだろう」


「そ、そうかい?」


「うむ。とりあえずはいつものように過ごすことじゃ。そして戸締りをしっかりしなさいな」


「おう」


ここでテープは切れている。


だが、このテープが匿名で送られた後、第二の行方不明事件がこの地区で起きてしまう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
面白かったなーと思ったら、よろしければブックマークをお願いします。
作者が大変喜びます。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ