事件直後の学校
「麻耶ちゃん、起きて」
「ん。んん。って、もう夕方なの!?」
最近、事件が事件だけあって睡眠があまりとれてなかったので、
いつもよりひどい居眠りをしてしまったらしい。
よだれを拭いて少し伸びをする。
人は和美ちゃん以外誰もいなかった。
あの事件のあと、和美ちゃんと、かなちゃんも警察署に行き事情聴取を受けた。
殺された人が人だけに交友関係が広く、その人たち一人ひとりに聞くとなると何時間もかかるみたいだ。
僕は最初に済ませられたけど、呼ばれたのが遅かったのか、二人共深夜までかかってしまったと教えてくれた。
教室の中では殺人の話題が持ちきりで、先生も辛そうな顔をして子どもたちに教えていた。
そんなことで、三人とも眠い目をこすりながら学校生活を過ごしたのだが、僕はいつの間にか倒れていた。
気が付いたらもう夕方になっていた。心配そうにのぞき込む和美ちゃん。
「お、おはよう」
「じゃあ、もう帰ろうか」
「帰る?どこに?」
「家に決まってるじゃない」
「家?あなたの帰る場所は、もう何処にもないのよ」
笑顔で彼女は言い返した。
もうどこにもない?これは冗談?
和美ちゃんもぼけてしまったのだろうか。
まあ、あの事件もあったし、たぶんみんな疲れているんだ。
「和美ちゃんも疲れているんだね。さっさと帰って休もうよ」
「疲れているのはあなた一人だけよ、麻耶ちゃん」
この声は、和美ちゃんじゃない。じゃあ、あなたは・・・誰?
「あなたはここにいてはいけない。早く、早く目をさまして・・・」
これは夢?
ドサッ。
はっ、飛び起きた。ボロい新居のしみったれた天井が見える。
よかった・・・。僕は着の身着のまま家に帰ったら布団に飛び込んだらしい。
昨日のよれた服を洗濯物入れに入れて着替え、顔を洗ってすっきりさせた。
疲れているのは僕だけじゃないはず。
それは半分正夢だった。
「麻耶ちゃーん。おはよ・・・・・・。」
目をしょぼくれさせて朝の挨拶に来てくれなくてもいいよ、和美ちゃん。
チュンチュンと小鳥たちはのんきにさえずりあっている。
そんな中、とぼとぼといつもの通学路を足を引きずりながら学校へ行った。
連日先生も警察から僕の分まで調査を受けてくれ、学校では居眠りすることが多くなってしまった。
そのため授業が成り立たないこともしばしばになっている現状。
とはいっても僕らはいつもの通りのことをするだけ。
和美ちゃんはパペットマペットの後で疲れ果ててしまったのか、
ぽけーっとプリントに絵を描いていた。




