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ヒトリムシ  作者: おかずシステム
24/73

社木の呪い?

どうせ思い違いだろう。変に考えすぎるのは僕の悪い癖だ。


このせいで友達ができる障壁になっているのは確かなんだ。


奇妙な伝承と、奇妙な裏話。セリフ決めがむつかしそうだな・・・。


製作期間は2週間、さてどうなる。


カナちゃんは美しい娘、残虐な神は僕、と相場は決まっているが、


そこをあえて美しい娘を僕、ナレーターは和美ちゃん、


残虐な神様役をカナちゃんにしてみよう。


ふんふんふふーん。ペンが順調に滑りだす。まさしく想像通りに文が組み立って行く。



へへへ・・・、でもパペットマペットだから変なことは書けないし、


何しろ変なシロモノを提出したら監督が拗ねてしまうだろう。


監督にご意向を聞かなければ。



「監督!こんな感じで昔ばなしは進んでいくけどいいかな」


「はいはい、了解。おーけーおーけー」


絶対に中身は見てないな。


監督とアシスタントは現在パペットマペットをちくちくと創意制作中とのことで、


またあとにしよう。


「カナちゃんすごい!ミシンで縫ってるみたい!」キャッキャウフフか・・・。


完成まで到達できるか心配だ。パペットマペットも、こっちの脚本も。


結局家に帰って原稿用紙と資料となる本を並べた。


うーむいい案がわかない。


上巻は殺す殺される残酷な話だし、下巻から使うことは決めたんだけれど・・・、


丸パクリするとさすがに面白みもなくなるしなぁ。


パラパラとページをめくる。


「ササゲミに関連する小咄」ここらへんからとっていこう。


あ、そうだ!先生から村長がいるって聞いたし、


村長さんに直々に聞けば何かわかるかもしれない!


ちょっと気分が乗ってきた僕。


ここでいっちょラジオでも聞こう。


周波数帯をいじってみる。



「・・・・・・ここ川本町の市場に来ています。今日はとある理由で来ているのですが、分かりますか?そう!特産物にあるんです!この町の特産物はワサビ。川本ワサビとして隣の社木地区で生産されたものをここで販売しているんです。生産者の皆さんに今日は来ていただきました!」


「川本ワサビじゃないんだわ。社木ワサビって言ってくれ」


「それは?」


「もともとワシらは社木村の住人なんだわ。だけど合併してしまってあの時から名前が取られてしまった。社木のみんなはこれを社木ワサビとよんどる。お姉ちゃんも社木って呼んでくれるとうれしいよ」


「なるほど。このワサビについては何か歴史とか特徴とかあったりするのでしょうか」


「歴史は深くてな、ここ社木が村だったころは、これで村が運営されとるってのは過言ではなかったんじゃ。最近になってからかのお、村が発展するにつれてワサビも影が薄くなって・・・・・・、しまいにはあの呪いのせいで誰も買わんくなってしまった」


「呪い!?」


「なんでもない、なんでもない。地区のみんなが呪いと言っとるだけで、このワサビには呪いなんかかかってないだわ。試しに試食してごらん。とてもおいしいよ」


「ではこの社木ワサビ、試食してみますね!」


「続きはCMのあとで!」


「呪い?」


ラジオに向かって話しかけてしまった。それだけインパクトが強い言葉をなぜおじいさんは話しているんだろうか。


この村には呪いなんてものがあるんだろうか。


寒村のただのひなびた地区だと思っていたけれど、先生の話や、さっきの言葉通りだったら、ここはとんでもなくミステリアスな地域なのかもしれない。


とても面白い所に引っ越してこれたことに感謝した。



「なるほど、それで先生に頼みに来たと」


「先生が手伝えるなら何でもするって」


「あはは、確かに言ったな。男なら一度言ったことはやらなければ。


それでなにをたのみにきたんだい?」


「元村長さんに村の歴史を聞きたいなあって。


先生アポイントをとってもらえませんか?」


「あ、ああ。じゃあ休日に会えるかどうか聞いてみるよ」


先生の顔が若干ひきつった気がした。


「ありがとうございます!!!」


和美ちゃんとカナちゃんはまだパペットのキャラクター思案を練っていた。


「取材とれたから、今週の日曜日に一緒に行こう!」


「はい」


「んで、どこに行くの?」


「村長さんのところ!」


「私、村長さんとあったことないから緊張するなあ」


「そりゃ僕もだよ、カナちゃんは、あったことある?」


「村長の娘さんなら会ったことは」


「やっぱりカナちゃん家は人脈が広いなあ」


「古くからの付き合いなだけです。村長さんともそれほど・・・」

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