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アグリーメント

「召喚契約、ありがとうございます」

「…………は?」

優真は、蒼空の中にいた。目の前の、いかにも神のような服装の青年――というか、神と共に。

「あなた、「『召喚の札』触れると異世界へ召喚されます。世界ピンチを救う勇者になりたい若者は触れてください」と書かれた札に触れましたよね?」

「何かの図にしか見えなかったんだが」

「神界語でしたが、読めませんでしたか?」

読めるか! と優真は思った。

「読めなかったのですね。まあ読めないと知っていましたし、あなたが札に触れるよう誘導しましたし」

「……俺に異世界に行ってほしいと前から思ってたってことですか?」

「いえ、パワースポットの近くに人間がいたので引っ張ってきただけです」

異世界召喚は、すごく杜撰だった。

「俺、帰って積み残してるゲーム消化したいんだけど」

「それが、召喚契約が結ばれた以上、できないんですよね~」

やり方や言い回しが詐欺師っぽかった。神は非常に胡散臭かった。

「まあ、あなたの希望にできる限り添いましょう。異世界を救ってもらうわけですから、俺TUEEEEやハーレムくらいならお安い御用ですよ」

神のその言葉に優真は即答した。

「俺はゲーマーとして、オタクとして、不労所得でぐーたら過ごしたいです」

(チッ、使えねぇ。まあいいや。ゲーマーとかオタクとかどうせ使えない『職業(ジョブ)』だろうしこいつが行く異世界は不労所得どころか金を税金として滅茶苦茶搾取される世界だしな)

神の心は真っ黒だった。

「ええ、わかりました。では、あなたをメイン職業『ゲーマー』、サブ職業『オタク』として送り出しましょう」

「なんか裏がありそうな笑顔だな」

神は最初から最後まで、無感情な笑みを浮かべ続けていた。

「では、良い生活を!」(仕方ない、もう1人くらい召喚契約するか)

優真の身体が、白い光となって蒼空に溶けた。

このときの神は、完全に『ゲーマー』を舐めていた。

そのことに神――ダイゴが気づくのは、優真のゲーマーレベルが完ストした後であるが、それはまたの機会に。

彼的にはdisagree。

この神の名前「ダイゴ」から、鋭い人なら滅茶苦茶先の展開が予測できると思います。


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グロいのはだいぶ先です

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