パーティー(5)
記念すべき第10部分目!
この作品は今日で生後10日となりました!
「このあと1回休憩を挟んで、そこからは一気に町まで進みます。大丈夫ですか?」
「地理とかさっぱりなんで、リンに任せるよ」
リンが元の態度に戻って、馬車は進み始めた。これは、それからそこそこの時間が経ったときのことだ。
「……っと、そういえば。『メニュー』」
優真の前にはまた、メニューが出現した。
そして、メニューの中には、こんな項目があった。
・PT
PT編成
「定番だとPTって、パーティーのことだよなぁ」
「突然なにを言い始めてるんです?」
「今、俺のジョブスキルを使用してたんだ。ちょっと気になることがあってな」
「その割に変化がないような……。ユーマさん、どんなスキルなんですか?」
「メニューっていうスキルで、俺の職業とかの情報が見れる――ここに浮かんでるやつだ」
「? 特になにもありませんよ?」
「ということは、俺にしか見えないってことか?」
と思ったとき、優真はふと、メニューのヘルプ欄にオプションとかあったということを思いだした。
そして、優真はメニューを操作して、メニューのヘルプ欄のオプションを選んだ。そこには、
・メニューウインドウのタイプ ▼タイプ3
・文字フォント ▼ランダム
・メニューの透過度 [83]%
・メニューの可視化範囲 ▼自分のみ
・メニューの可視化個別設定
という項目があった。というか、なんで最初からタイプ3なんだよ。と思った優真の表情は、移り変わっていた。
「さっきから空中を見つめて驚いたような表情をしたりなんなんですか」
リンのその言葉は、優真には届かなかった。
優真はとりあえず、メニューの可視化個別設定を選んだ。
すると、
可視化する相手を選んでください。(半径20m内の、あなたとの意志疎通が可能な生命体(今実際に可能かは加味しない)と、過去に個別に可視化した相手が表示されます。)
□リン・サレーション
[決定して保存]
という表示が出てきた。
なんかメニューの機能ってすごいな。と、優真は思った。
優真はリンにチェックを入れて(実際は■になった)、決定して保存を選んだ。
「うわっ! ……っと、これが『メニュー』ですか?」
「あ、ああ。……さっきの驚きかたは、ちょっとびっくりした」
優真はひとりごととして、後半部分を小さな声で言った。だが、ふたり以外の気配がない街道だから、その声はリンの耳にも届いた。
「ご、ごめんなさい。突然出てきたから、驚いちゃって……」
リンは咄嗟に謝った。
「いや、いいよ」
可愛かったし。と優真は思った。
その直後、リンは少し、顔を赤くしながら
「その、さっきの驚きかたは、自分でも恥ずかしかったので、少しの間、ユーマさんは奥の方に行って貰えますか?」
と、顔を背けつつ言った。
「……ああ」
優真は、まあ、急に大声だしてしまったら恥ずかしいだろうな、と思い、言われたとおりに馬車の奥へと移動した。
ちなみに、優真はこのとき、『視線会話』の存在を完璧に忘れていた。
優真は馬車の奥に移動してから、メニューのPT編成の欄を選んだ。
PT編成画面
メンバー
リン・サレーション(PTR)/火照り
田辺優真(YOU)/
「なるほどね。パーティーメンバーが、こうして一目でわかるのは便利だな」
優真は、リンの横に表示された「火照り」という文字には気づかなかった。
「これ、編成画面ってなってるから色々とできそうだよな」
優真はなぜ、こういう勘は働くのだろうか。鈍いのか鋭いのかわからない。
優真は、リンの名前を選択した。すると、小さなウインドウが表れた。
ステータス
装備
データ
優真は迷わず、ステータスを選んだ。
リン・サレーション
種族:人間
職業:魔法錬金術師(Lv.1/99)[?]
サブ職業:見習い商人(Lv.12/30)[?]
スキル:魔法調合Lv.1[?]・値引きLv.1[?]・交渉術Lv.1[?]・視線会話
「………………ちょっとまてよ」
優真は、リンの話の内容を思い出していた。
・人は、メイン職業とサブ職業を持っており、メイン職業を知る術は、実際にその職業のスキルを使うことだけである――――――
だが、優真の『メニュー』に、リンのメイン職業は、魔法錬金術師と表示されている。もし、これが本当に、リンのメイン職業なのだとしたら――――――
そう思った瞬間、優真はリンの方へと移動した。
リンに、この部分を、見せるために。
「ちょっと、リン、これをみてくれ!」
「……ユーマさん、どうかし………………え?」
その瞬間、リンは固まった。
パーティーといえタイトルの部分が過半数を越えずに済んで良かった……
あと書き溜めが残り僅か……




