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寡黙な彼女と許嫁と俺と  作者: 芳香
5/10

危険人物には近づかない方がいい

初のブックマークいただきました。

ありがとうございます、励みになります!

俺達三人は三年生のフロアへと最初に足を運んだ。



「あいつはもうリサーチ済みだけどな」



一馬が見ている方向へと目を向ける。



「まあさっきの入学式の生徒会長挨拶してたから知ってると思うが、西島光樹会長だな」


「ああ、あのイケボ先輩か」


「確かにイケボだな。で、西島会長が生徒会長になってから、学校の制度がかなり変わったと言われてるな」



さっき西島会長も言っていたな。

この部活を中心に力を入れている体制に勉学にも力抜いていない校風は、西島会長が二年間で築き上げたらしい。



「にしても、一年生でありながら生徒会長を務めて、さらに学校を丸々変えるとかやべぇな」


「女子からは絶対不可侵のプリンスとして祀り上げられてるらしい」



俺狙おうとしてたのに無理じゃねぇか!!



同じフロアを歩いていると、かなりの厚さの書類を運んでる上級生がこちらの方向に歩いてくる。



「あれが生徒会副会長の神田青藍先輩だな。容姿はもちろん、人柄もよく、学年問わず男子からモテてるらしいな」


「確かにめっちゃ可愛いな」


「青藍先輩もまた男子の間で絶対不可侵が締結されてるから、抜け駆けした奴は上級生の運動部からの制裁もあるらしいぞ」


「橘里奈と同じ扱いってわけか、関わらないようにしよう」



橘の名前を聞いた瞬間に一馬はハッとした顔をした。



「そうだ、今日の最大の目的はその橘里奈なんだよ」


「え?」


「上級生の情報はSNSで調べればなんとかなるんだがな、橘里奈に関してはどこを探しても手に入らなかったんだ。だから足を運ばなくてはならない」



俺と隼人が近づかないようにしてた橘の元へと行くだと…?

まさか入学して初日の俺達を殺すつもりなのか?



「おいおい圭、そこまで神経質にならなくても大丈夫だよ。そんな近くを通りかかったくらいで死にはしないから安心してくれて大丈夫だ」


「一馬の持ってるメモ帳を遺書を書こうか迷ってたところだったわ、なんだよ」


「お前ら橘に詳しそうだな、元中かなんかか?」



俺と隼人は一馬に橘との関係性を話した。



「なるほど、俺はこれから橘が学園のマドンナとして持ち上げられると見ていたが、間違いじゃなさそうだな」


「お前本当に新聞の記者になれるよ」


「じゃあとりあえず橘のクラスに行ってみようか」



はりきったように一馬は歩いてく。俺と隼人は顔を見合わせると溜息をついた。




ーーーーーーー




「あいつが橘里奈か」



どうやら彼女は帰りの支度を始めているようだ。

もう既に彼女の容姿に魅了されているらしく、クラスにいる男子は彼女のことをチラチラみている。



「これは完全に全員落ちてるな」


「まあ見た目は可愛いもんな」


「好きになったのに何故話しかけないんだ?なら俺は情報収集の為に話しかけさせてもらおう」


「あ、おい!やめとけって」



俺達の注意を無視して一馬は橘の元へと向かう。

また惜しい人を一人なくしたか…



「君が橘里奈さんでいいのかな?」


「・・・」



橘は一馬のことをチラ見すると、鞄を持ち教室から出ていこうとこちらへ歩いてきた。

そして俺のことを見ると



「同じ学年だったんだ、よろしく」



そう言って昇降口の方へと歩いていった。

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