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寡黙な彼女と許嫁と俺と  作者: 芳香
4/10

生徒会長は完璧すぎるのがテンプレだろ

「おいお前らー、席に座れ」



結局、あれから教室に帰ってきた隼人と話すだけで時間を潰してしまった。

まあ初日から急がなくても、来週あたりには沢山出来ているだろう。焦るな、俺。




「おい圭、教壇に立ってる先生なかなか美人じゃないか?」




初日に限り自由席となったので、隣に座る隼人が一足早く先生の容姿査定をしていたようだ。

…ふむ、なかなかだな。




「初日から仲が良さそうでなによりだ。私はこのクラスの担当になった柏木由莉だ、よろしく」




由莉たんに出会えて良かった。

もうこれで朝のHRに遅刻することはないだろう。




ーーーーーー




由莉たんからは、これから入学式がある事とその後の予定について軽く知らされた。

今は人の波の流れにならい体育館に向かってるところだ。



「そういや圭は何部入るの?」


「俺か?多分なにも入らないんじゃないか」


「勿体なくないか?体つきも運動部そのものだし、一緒にバスケ部入ってもらえたら心強いな」


「家にメシアの姉貴が居てな、俺が家事をしないといけないんだ。すまんな」


「メシア…? まあなんか大変そうだな」



人間にとって衣食住は不可欠である。

しかし姉貴は、村から出てきた俺を家事をこなすだけでこれらを提供してくれる素晴らしいお方なのだ。



「放課後暇な時とか、休みの日は遊びがてらにバスケでもやろうぜ。部活としてがっつりはできないけどそれくらいなら大丈夫だ」


「そうだな、しかし圭よ」


「なんだよ」


「ここの高校な、部活は強制入部かつ週6活動という部活バリバリ高だぞ」


「なんてこった」



部活問題は考えておかないとまずそうだな。




体育館に着いてから入学式は滞りなく進んだ。隼人の新入生代表挨拶もしっかりと出来ていたし、残すは生徒会長のお言葉を頂くだけとなった。

生徒会長は凄いイケメンだった。壇上へと上がる動作もイケメン、なにをとってもイケメンだった。

あんな完璧な人がいますか?



「まずは入学おめでとう生徒諸君。私は生徒会長三年の西島光樹だ。」



声もイケボすぎてやばかった。俺はこの人と付き合えるならホモでいい、ホモになろう。

イケボの西島会長は自分の軽い自己紹介をした後に、なんとなく決まり切った挨拶をすると、壇上を降りていった。

周りを見渡すと、皆がみんな終わってしまって残念だといった顔をしていた。俺もまたその一人。

西島会長は一年生として生徒会に入るも、圧倒的人気により会長になり、それ以来2年間会長として務めてきたそうだ。やべぇよ会長。




教室に戻り、HRが終わると解散となった。

今日のところは部活の仮入部もないし、皆は友達作りに勤しんでいるようだ。



「圭、これからお前はどうするんだ?」


「俺か、これからの予定といえばスーパーに買い物に行くことくらいしかないな」


「お前は主婦かよ。ならちょっと軽く校内回ってみないか?少しくらい話せる相手増やしたいしな」


「それには賛成だ。いいぜ」



未だ活躍のないエロ本もあるしな、実にいい提案である。



「お前らは新田圭と堀田隼人だっけか?」


「ん?」



教室を出ようとしたところで、同じクラスの男子に話しかけられた。

なんだこいつイケメンかよ。てかこの高校イケメンしかいねーのかよ。



「俺は生田一馬だ、一馬って呼んでくれていい。校内を回るんだろ?俺も混ぜてくれないか」


「よろしく一馬。フレンドリーなのは俺も好きだ」


「サンキュ、俺も情報を集めに校内を回りたかったんだ。どうしてもSNSだけじゃ集まらなくてな」


「情報?」


「俺人間観察が好きなんだ。校内で誰が人気とか、そういう類の情報集めは欠かせない。新聞部に入る予定だし尚更な。」



一馬の片手にはメモ帳とペンが握られていた。

完全にヤバい奴じゃねぇか!

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