5、書きたい小説、書くべき作品
私の作品を読んでいただいた方なら分かると思うのですが、基本的にテンプレとか売れ線狙いとか一切やっておりません。
自分が書きたいもの、書くべきものを書いているつもりです。
書籍化とか狙ってないの、と言われれば、結果としてそうなったら嬉しいということなのです。
書籍化のために書きたくない物は書きません。
先日、友人と異世界転生もののプロットを考えながらお酒飲んでました。まあ、色んなアイディアが出てきて二人で爆笑していましたが、書きたいかと言うと微妙なのです。
「歴史改変戦記」は書きたいもの、というか自分が読みたいものを書ききった、という感があります。ただ、最初PVが伸びたので、ちょっと欲が出ました。美少女を登場させようとした結果、戸部典子の登場となったのです。自分で作ったキャラクターのはずが、彼女は自分の意思があるかのように振る舞い、美少女設定を破壊してしまいました。この破壊の具合が作品にもう一つの顔を与えてくれました。まあ、好きなように書いて、作者としては満足このうえないのです。
新作、「あたしが会社を守るのだ!」は経済小説です。「なろう」でこんなものをやるのは戸部典子の言葉を借りれば「頭がおかしい」のです。
ただ、これは私が書くべき物語なのではないか?
そう思わせる何かがあるのです。
青春物を書いてみたかった。けど、私の青春をそのまま書くとストリップ以下の恥ずかしいものになってしまう。
いま、歳をとって、たくさんの経験をしました。若い人から見るとけっこうとんでもない経験もあります。
働くこと、学ぶこと、それが一体何だったのか。今の私の地点から、二十歳の私の地点に横たわっている大きな河を渡るように書きたいのです。
それを、戸部京子というキャラクターに託したいのです。
特に若い読者の方には、「へー!」っていう、ちょっとしった驚きがある物語です。