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遠くて、長い、一週間

お気に入り登録、

誠にありがとうございます((≧∇≦*))ヒャッホーイ!

世間の皆さまはG.Wだといって楽しそうに騒がしくなっている頃、ワタシはかなり心が荒みかけていた



「グァァァーッ!」



余りに気が狂いそうになり、奇声をあげてそれを発散して自室の勉強机を叩いて倒れ込んだ



「もぅ一週間にもなる、もぅ一週間も景子の顔見て話してないし、景子の柔らかくて暖かくて優しく包んでくれるあの身体を抱き締めていない・・・」



学校の課題を自分の身体の下敷きにして、更にうなだれる



「確かに、ここ最近部活が忙しくてろくに会話も出来ない上に会えもしなかったっていうのに・・・今度は、今度は景子がG.Wを利用して料理部の合宿に行ってしまうなん てぇ~・・・神さまはなんて卑劣な嫌がらせをしてくれるんだ・・・」



そして何よりも、この何とも言い難い感情の訳は・・・



それを景子から告げられた昨晩の電話での会話にあった



『あ、しゅー?明日のG.Wからウチの料理部合宿だから、今年のG.Wは一緒に居られないからねー、うーん明日は朝早くに学校の校庭に集合しないといけないからもう寝るね~、しゅー、おやすみ~♪ブツッ!!!ツーツー・・・』



・・・軽くないでしょうか?



あと言っておきますけど、これ留守番電話ですからね・・・、明日景子に会えるんだ!と思ってお風呂場で身体の隅々を丁寧に、かつピカピカに磨き上げて念入りにお手入れしている間に掛けてくれるなんて・・・



この留守番電話を聴いた途端に、足元から力が一気に抜け落ちてしまい膝から床に倒れ込んで泣き崩れましたとも・・・



あまりの絶望具合に真面目に課題をする気にもなれなかったワタシ、机の上に広がった課題を片付けていると外から自室のドアが開かれた



「「しゅー姉さま、あそぼーっ♪♪♪」」



そこから、我が家の可愛いアイドルのツインズがとても純粋無垢な笑顔を浮かべて、勢い良くワタシに突撃してきたのでした





※※※※※※





我が家の“ツインズ”とは、ワタシの父とその後妻との間に産まれた双子の弟たちの事で、ワタシとは8つ年が離れている



というか、本当に父とあの女・・・義母から産まれたのだろうか?と思ってしまう程に、2人には全然似ていない



主に心が比べられない程、純粋無垢で可愛いのだ!と景子に話してみたら、姉バカと言って大笑いされてしまったのだけど・・・大笑いした景子がとても可愛かったなぁ~・・・景子に会いたいょ



ゴホン、心の声が漏れてしまった



そんな可愛らしいツインズに、



「こら、女の子の部屋に入る時はノックしな さいっていつも教えているだろ?」



ワタシがやんわりと注意を促すとツインズは同時に口に手を当てて、しまったと口にしながら互いの顔を見合っていた



「「ごめんなさーい(>_<)」」



ツインズが手をアワアワとバタつかせながら 謝ったので、ワタシは少し呆れたように微笑みながらため息を吐いた



・・・ツインズシンクロ、可愛いなぁ~



「で、義母さんはどうしたの?」



いつもツインズを愛ですぎて放そうとしないあの女の事を訊くと、ツインズは顔を曇らせながら頬を膨らませて非難するように言った



「「母さまにお客さま~」」



「おとこのひとー」



「おあいてするからってー」



「「2人でおとなしくあそんでなさい、っていわれたから」」



「あそんでたんだけど、」



「あきちゃった♩」



「ね~♪」



「「だからね、しゅー姉さまとあそぶのー♪♪♪」



ツインズはそう言うと、またワタシに抱き付いてきゃふー♪と声を上げながら体を擦り付ける



・・・また新しい技を覚えたな、恐ろしい子たちめ



抱き付いたツインズを抱き締め返し、その暖かさを感じながら、ワタシは男の客の相手をする為に2人を放したあの女に対して、内心舌打ちをした



・・・また、あの女は・・・



ツインズが居たため、顔には出さなかったが ワタシはあの女に対する嫌悪感を更に溜め込んだ



こんな汚れた考えを持つワタシに、ツインズ は純真な瞳で見つめながら無垢な笑顔を向けて、更にギューッと抱き付く



・・・可愛いなぁ、まったく



「それじゃあ直哉、和希、お外へ遊びに行こうか!」



「「行くー♪♪♪」」



その後直ぐに3人で荷物をまとめ、3泊4日のお遊びツアーへとワタシたちは出掛けたのだった





※※※※※※





「いいか?絶対に2人で行動するんだぞ」



「「うんっ!」」



輝かしいばかりに喜びの顔を見せて、今にも走り出してしまいそうなツインズに、必要なものを2人の腰に付けたそれぞれのウエストポーチの中にしまい込みながら、ワタシは注意事項を教える



因みに直哉は青色、和希が黄色である



「で、欲しい物が合ったらその名前を覚える事、若しくは店員さんに店名と商品名を書いて貰いなさい、あとで姉さまが買ってあげるから」



「「了解ー♪」」



返事が軽やかなのが少し心配だけど、たまにしか一般大衆向けのショッピングモールに来ないツインズからすれば未知の世界・・・ワクワクは止められないのだろう



「あと、一般常識と照らし合わせて見た目、言動、服装、人相etc.といった項目において変もしくはおかしいと思ったら近付かない事、お菓子だの欲しい物は全部姉さまが買ってあげるからついて行かない事、約束だぞ?」



「「約束~♪♪♪」」



ツインズは元気よくそう返事しながらも、目線は既にショッピングモールをチラチラ見続けている



・・・もぅこれ以上は何も頭に入らないな



「ケータイ持った?」



ワタシの問いにツインズが合わせて1つ頷く



「ハンカチ、ティッシュ、防犯ブザー持った?」



今度も揃って3回頷く



「よし、なら集合は今から2時間後の、3時にこの巨大ウサギのヴィフィーちゃんがいるこの広場前」



ツインズと一緒にヴィフィーちゃんを見ると、タイミング良くヴィフィーちゃんのぬいぐるみが手を振ってくれたので、3人で手を振り返す



「じゃあ行って良し!」



「「レッツ、ショッピングモールー♪♪♪」」



ツインズはバビュン!と駆け出して、雑踏の中へと混ざりに行ってしまった



「まったく・・・」



駆け出したツインズの背中を見つめながら、溜め息を混じりにそう言うと隣から話し掛けられた



「それだけ奥さまにお家の中に閉じ込められているのが、よっぽど鬱憤がお溜まりになっていたのでしょうね、あと興味も深かったんでしょうね、坊ちゃま方には」



今、ツインズの行動に呆れ返るワタシに話し掛けてきたのは、我が家の仕えている専属運転手兼雑用係・・・



「ポチ」



「中村です!サラッと勝手に改名させんで下さい、愁李さま」



中村?・・・ポチじゃなかったっけ!?



まさかのカミングアウトに固まっていたら、ポチがお笑い芸人よろしくツッコミを入れてきた、器用だな・・・



「ちょっなんすか、そのまさかの間違いに驚いてる顔は?!」



「お手」



と言って手を出したら、ポチはすかさず右手を乗せてきた



「ほら・・・」



差し出された手を見ながら、ジトッとした目で彼を見ると



「の、ノリですよッ!!」



若干焦っている、ポチ(決定)を笑う



「・・・まぁG.Wに無理を言って悪いな」



そう言うと、ポチは屈託のない笑顔を向けて応えた



「どうせ恋人居ませんから部屋で暇してましたし」



「あれ、この間彼女が出来たとか言ってなかったか?」



そう訊くと、ポチは少し寂しそうな顔した



「・・・いやぁ~その~、体の相性が悪くて別れました」



___ぐしゃりッ!!!



「節操がない」



ある日、道端で偶然拾ったメリケンサックで顔面を凹ませ、脚の付け根部分にある男性の急所を容赦なくブーツの踵で踏みつけてやりました



悶絶して、男性の急所を手で抑えながらアスファルトの地面をのた打ち回るポチの身内だと思われたくなかったので、彼を無視してワタシは服を見に行くため、そこを離れた





※※※※※※





ツインズにああ言っていたワタシも、久しぶりに1人での買い物だったりしてかなり心が踊っていたりする



基本的に、何かしらの枷(取り巻き)を付けながらでないと行動する事が出来ないワタからすると、こんな風に時間制限はあるが1人でいられる事は少なからず気が休まったりする



ショーウィンドーを見て、気に入ったお店へと足を運ぶ



店内をぶらつき、服を手にとって鏡を見ながら自分に合わせて見たり、この服景子に似合いそう♪と思ったり、行く先々のお店で数名の女性店員さんからメルアドが書いた紙や仕事明けの時間をさり気なく耳打ちで教えられたりしてワタシは女で高校生ですと応えると驚かれたり、それでもいいからと言われたり押し寄せられて対応に困ったり、色々とありましたが・・・スッゴく楽しいです



そして、久々の自由時間を心行くまで堪能しているとアッという間に集合時間になった



名残惜しいが、ツインズとポチを待たせるわけにはいかなかったので仕方なく巨大ウサギのヴィフィーちゃんの前に向かう



すると、何故かヴィフィーちゃんの前にかなりの人集りが出来ていて、何故かショッピングモールの警備員さん達が人員整理を行っていた



あまりの事態に唖然としたが、ワタシは頭を振って正気を取り戻して目の前に広がる人垣を、いやな予感を胸に秘めてそれを掻き分けて進んでみると、その中心ではツインズがデジタルカメラやケータイを片手に並ぶ人達から黄色い声援を受けながら撮影をせがまれていた



「「「かっわいぃ~♪」」」



「「「こっち向いて~♪♪」」」



「「「こっちもお願いっ♪♪♪」」」



ツインズはシンクロして可愛いポーズをぬいぐるみのヴィフィーちゃんと一緒に取りながらも、このショッピングモールの主役であるヴィフィーちゃんを引き立てるという大人顔負けな対応をするツインズに、さすがワタシのツインズ・・・、と納得してガックリとしていたらツインズから視線を向けられた



「「しゅー姉さま~~~!」」



満点の笑顔を浮かべて、人集りを無視してワタシに突撃してくる



いきなりの突撃にも慣れているワタシは、ツインズの背丈に合わせて屈み、胸、肩、腕を駆使してツインズを抱き止める



「直哉、和希、楽しめたか?」



「「うんっ!!!」」



まだまだ元気いっぱいなツインズの頭を撫でると、ヴィフィーちゃんとツインズを囲んでいた人垣からキャァー!!!と新しく黄色い叫びが聞こえてきて、さらにシャッター音が倍増した



ざっと目端で周りを確認してみれば、もはや何で並んでいるのか分からない人までが並んでしまいそうな程に、この広場に人が集中してしまう事態になってしまっていた



これは、個人では収拾がつかない人垣に、背筋に冷や汗を感じて、どう対応しようかと思案にくれようとした時、ショッピングモールの責任者から声を掛けられた



どうやら、この撮影会が起こった理由は15分程前にやってきたワタシの可愛いツインズに目を付けた責任者が、ショッピングモール内のイベントPRを兼ねた人集めの為にツインズをお菓子で釣って、ヴィフィーちゃんと一緒に一般客からの撮影に応じ始めたから、らしい



責任者からお菓子で釣られた事をワタシに知られ、気まずそうに寄り添い合っているツインズを睨みながらも、あと30分だけ!30分でこの事態を収拾すると責任者が必至にお願いしてきたので、こちらにも(主にツインズに)責任があると思いツインズを生贄に差し出すと、責任者からワタシもオファーを受けてしまった為、仕方なくもゲリラ撮影会に参加するハメになった



その後、30分でと言っていたのに2時間しっかりと拘束されてしまったワタシは、ツインズのお使いに走っていたポチからの苦笑と、お菓子の詰め合わせを貰いホクホクとした笑顔を浮かべたツインズからの「しゅー姉さま、大好き~!!!」との言葉を貰ったのだった

新キャラクターの登場♪


気に入って頂ければ幸いです(●´ω`●)



感想、ご意見等々ございましたら気軽にお書きくださいませm(_ _)m


作者は全力で尻尾をフリフリして喜びますので(≧∇≦*)

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