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私の道。

作者: 海野音

もう、どうでもいい帰り道。

取り敢えず、さよならは告げている。

自暴自棄って、どこか脅し文句の響きがあるね。

名もない藪の中にだって、秘密の幸せがあるのにね。

忘れ物を思い出したように、バックミラーを睨んでみる。

現れては遠退く人生の狭間。

走り出してから、集中する夢。

行き先を尖鋭に見せる恥じらいの夢。

動揺してる切望に、タイヤの騒音の子守唄が心地よい。

白と黒の猫が、優雅にあぜみちを歩いている。

どうやら悪いことばかりじゃないらしい。

帰りつくまで、あと少し。

眠るばかりが望みじゃない。

鼻息を荒くするのは、脱皮の前のカウントダウン。

どう見ても悪いことばかりじゃない。

逃げる道も、突き進む道も、なんの変わりもない。

見向きもされない木陰の下に、名もない幸せもあるのにね。

辿り着くまで、あとちょっと。

スピード上げて、そのままで、恥ずかしいことじゃない。

やっぱり悪いことばかりじゃないらしい。

眉間のシワが、語り合いの行き先惑わさぬように。

そうと分かれば、辿り着く場所は見えてくる。

どうでもよかった帰り道、これでよかった目指す道。

帰りつくまで、あとわずか。

行くも戻るも、私の道。

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