魔法と魔力について
◇「魔法」とは。
この世界に存在する「魔法」とは、超常現象を意図的かつ人為的に発生させる事の出来る「奇跡の技術」の事である。
この「奇跡の技術」によって起こされる超常現象は、人為的に人の怪我を瞬時に修復したり、火を焚く素材や作業も無しに、何もない所から火を現出させれたり。物体の強度を加工も無しに、元の素材以上の強度に硬化したり出来る。
この奇跡の技術である「魔法」とは、ありとあらゆる事が実現可能となる、何でもありの技術である。
◇「魔法」を発動させる方法
魔法を発動させるには、ある方法が必要となる。
その方法とは、大きく分けて2つある。「詠唱」と「魔法陣」である。
「詠唱」は、術者が発動させたい魔法に関する言葉を唱える事で魔法を発動できる。
その詠唱文に関しては、特に決まった文はなく。どの様な魔法を発動させたいか、イメージできる言葉を唱えれば良い。
その発動させたい魔法を、より具体的に想像できる詠唱文であればあるほど、強力な魔法、あるいは高度な魔法を発動できる。
「魔法陣」も「詠唱」に似たようなものである。
魔法はある決まった文字や記号によって、発動する現象が異なる。
ある文字だと電気が走り、またある文字だと火が現れる。記号も同じで、ある記号を書くと電気で鉄を引き寄せ、またある記号だと火の火力が上がったりする。
これらの現象は、その文字や記号ごとにそれぞれ決まっており。その文字や記号をそれぞれ組み合わせる事で、発動する魔法の現象が大きく異なってくる。「魔法陣」は、一種のパズルもしくは計算式のような物である。
この様に「魔法」は、基本的に「詠唱」や「魔法陣」と言った計算式の様なもので計算、あるいはパズルを組み合わせて現象を想像する事で、初めて答えである「現象」が現れる。
しかし、魔法を熟知した者などは、この計算式等を飛ばして暗算や暗記をして行える。つまり「無詠唱」「無魔法陣」で、魔法を発動させる者もこの世界にはいる。
なので「詠唱」や「魔法陣」を使用せずとも、魔法を発動可能と言う事である。だがそれには、それ相応の知識や技術、才能が必要となる。
また「魔法」は、どれだけ知識や技術があっても。「魔力」が無ければ発動できない。
◇「魔力」とは。
この奇跡の技術「魔法」を発動させるには、ある力が必要となる。
それが「魔力」と、呼ばれる力である。
この「魔力」を代価として使用する事で、初めて「魔法」を発動できる。
また、消費する「魔力」が多ければ多い程、発動出来る「魔法」の選択肢は増える。
つまり、より強力な魔法、もしくはより高度な魔法を発動させるには、それ相応の「魔力」が必要となる。
だとすると、その「魔力」はどこにあるのか?
実は「魔力」とは、自然界には無いものである。
「魔力」とは、ある物を使って人為的に生成したものであり、魔法を発動させる為の一種の「動力」である。
では、その魔力を生成する為に必要な「ある物」とは何なのか?
それは「魔素」と呼ばれる物質である。
魔力と言う「動力」を生み出す為には、この「魔素」と呼ばれる物質が必要となり。その「魔素」と呼ばれる物質を、「魔力」へと変換する事で初めて「魔力」を得られる。
◇「魔素」とは。
「魔素」とは、この世の全てに宿っている物質であり。至る所に存在する。
空気、土、水、植物、鉱物、動物などの生物、人為的に作り上げた物など、ありとあらゆる物に存在する。
もちろん、人の体の中にも存在する。人やその他の生物は、血液と同じ様に体内で自ら魔素を生成している。
生物が自ら生成している魔素の事は「生魔素」とも呼ばれる。
◇「魔素」の名称
魔素には様々な名称がある。
多くの魔素が集まって形成された鉱石を「魔鉱石」
魔素濃度の濃い所で育ち、多くの魔素を含んだ植物を「魔素植物」
生物が、自らの体内で生成した魔素を「生魔素」
多くの魔素を含んだ水を「魔素水」
空気中や物の表面に付着している魔素は「微粒魔素」……など。
基本的に、こういった名称は魔素の量が平均値より多い、又は魔素の濃度が平均値よりも高いものに対して使用されたりしている。
◇「魔法」を発動させるまでの流れ
「魔法」を発動させるには、「魔力」と言う「動力」が必要
↓
「魔力」と言う「動力」を生成するには、「魔素」が必要
↓
「魔素」を得るには、自身の生み出す「生魔素」や、周囲にある「微粒魔素」や「魔鉱石」など「魔素が含まれた物」から魔素を集める必要がある。
「魔力」を生成する為に、自身の「生魔素」や「周囲の魔素」を消費して、「魔力」を生成する。
↓
「魔法」を発動させる為に、生成した「魔力」を糧として「詠唱」・「魔法陣」等で「魔法」と言う超常現象を起こす。
◇「魔素量」
魔素には、魔素が多いか少ないかを現す「魔素量」と言う名詞がある。
「魔素が沢山ある」という表現に対して、「魔素量が多い」と表現したりする。
この「魔素量」が多い程、より多くの魔力を生成できる。
より多くの魔力を生成できれば、より長く、より強く、より高度な魔法を発動できる。
◇「魔素量値」
人を含めて、生物にはそれぞれ個体差ではあるが、体内に魔素を蓄えられる容量が決まっている。
この魔素を体内に保有できる容量の事を「魔素量値」と呼ぶ。
また、この魔素量値の限界のラインの事を「魔素量限界値」とも呼ぶ。
この「魔素量値」が高い者ほど、魔素を多く保有できる。
魔素をより多く保有できると言う事は、より多くの「魔力」を保有できると言う事になる。
「魔素量値」は、個人差があり。生まれつき魔素量値が高い者がいれば。鍛錬してその容量の限度を引き伸ばして、魔素量値を自ら高くした者もいる。
一部の学者の中では、この「魔素量値」の事を「魔力ゲージ」と呼ぶ者もいる。
◇「魔素濃度」
魔素には、「魔素量」とは別に「魔素濃度」と言うものがある。
魔素には濃度がある。
狭い空間に大量の魔素が集まり、魔素同士が互いに密集し密度を高めると。その魔素はより濃くなる。
濃度の高い魔素は、同じ量の魔素量であっても通常の魔素に比べて、魔力に変換した時の魔力量は倍になる。その濃度が高ければ高い程、更にその魔力量は大きくなる。
つまり、魔素密度が高い「濃い魔素」は、少量で通常の魔素の数倍の魔力を生成できる事になる。
ちなみに、生物が体内で生成している魔素「生魔素」は、この「濃い魔素」である。
◇「魔素」と言う名の「毒」
魔素は、この世界において非常に重要な存在である。
魔法を使用する為だけでなく、この世界にいるあらゆる生命たちの、生命活動を維持する支えにもなっている。
しかし、どんなに良い物でも過剰に摂取してしまうと、それは「毒」となる。
生物が、一度に体内に蓄えられる魔素量には限度がある。
この限界の事を「魔素量限界値」と呼ぶ。
植物、動物、人、どの生物もそれぞれ個体差があるが、体内に蓄積できる魔素量には限界があり。もし、その限度を超えて大量の魔素を体内に取り込んでしまうと。
それに耐えきれなくなった体の細胞が、崩壊を始め。やがて「死」に至る。
風船にその風船の容量以上の空気を入れると、破裂してしまうのと同じようなものである。
しかしながら、生物の体は意識せずとも体が勝手に、自身の限界以上の魔素を取り込んだり、体内で限界以上の魔素を生成しようとはしない仕組みになっている。
また限界以上の魔素を摂取、又は生成したとしても体がそれを自動的に放出する様になっている。
だが、そうであっても体の限界を超える危険な「魔素」が存在する。
◇死の魔素「高濃度魔素」
魔素は狭い空間に大量に集まると、魔素同士の密度が上がり、魔素濃度の高い「濃い魔素」となる。
この「濃い魔素」は別に有害ではなく、むしろその少ない魔素量で数倍の魔力量を持ち合わせている、より価値のある魔素である。
しかし、その「濃い魔素」が更に他の大量の魔素と集合し、より限界まで密度を高めてしまうと……「高濃度魔素」となる。
通称「死の魔素」とも呼ばれる。
この「高濃度魔素」は、少量で通常の魔素の数百倍の魔力量となる。
この高濃度魔素を少量使用するだけで、とてつもない威力の魔法や、より高度な魔法を扱える可能性を秘めている。
しかしながら、この「高濃度魔素」は高密度な魔素であり。その高密度であるが故に、生物の細胞を傷つけてしまい。やがては細胞崩壊を引き起こしてしまう。
膨れ上がった風船を、針で刺していく様な状態である。
つまりは、その「高濃度魔素の空間」にいるだけで、高密度の魔素が体の細胞を傷つけ続け。やがては限界を超えた体が細胞崩壊を始め、最終的に死にいたる。
この「高濃度魔素」は、古い地下遺跡や、深い洞窟、古代遺跡内部、古代深層地下遺跡付近などで発生している事がある。
「高濃度魔素」は、そういった狭い空間にだけあり。地表には殆ど発生しない。
◇可能性の魔素「超高濃度魔素」
この世界には「高濃度魔素」を更に上回る、超高密度の魔素「超高濃度魔素」が存在すると言われている。
この「超高濃度魔素」は「高濃度魔素」と同様に、生物の体にとっては非常に有害で。「超高濃度魔素の空間」に入った生物は、即死すると推測されている。
しかし、この「超高濃度魔素」には想像を絶する程の可能性を秘めていると言われている。
その可能性とは、「確率」さえも変換してしまのではないかと推測されており。
例えば「時間」を操作し、過去や未来に行ったり、別の世界線への介入、世界線の変更をさえも可能ではないかと言われている。
だがしかし、まだその「超高密度魔素」を発見した事例は無く。
また発見したとしても、何の対策も無しにその超高濃度魔素を扱う事は不可能とされている。
◇まとめ
「魔法」とは、なんでもありの奇跡の技術。可能性の技術
「魔力」とは、魔法を発動させる為のエネルギー
「魔素」とは、魔力というエネルギーを生み出す為の燃料
魔法を発動させる為の流れ。
「魔素」と言う燃料を消費使用して、「魔力」と言う動力を作り。
その「魔力」と言う動力を使って、「魔法」を発動している。
「魔素量」とは、どれだけ魔素があるかを示す用語
「魔素量値」とは、魔素を保有できる容量の数値、いわゆる「魔力ゲージ」
「魔素量限界値」とは、魔素量を保有できる容量の限界のライン
「魔素濃度」とは、魔素の密度や濃さを示す用語
「濃い魔素」とは、通常の魔素より魔力を沢山生成できる、お得な魔素
「高濃度魔素」とは、濃い魔素より魔力を沢山生成できるが、人体には猛毒。危険な魔素。
「超高濃度魔素」とは、接触したら即死。だけど、可能性の塊