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うオォヲおぉぉぉぉぉ―という雄たけびを上げながら、俺たちは最終決戦の地へと足を踏み入れた…完

作者: やらない善よりやる気ゼロ

☆前回までのあらすじ☆



「くっ、なんて力だ!」

(大丈夫だレッド…俺たちなら遣れる!)

『フハハハハ、無駄だヒキコモリダーたちよ。貴様らの履歴書ではショック・アーン様の選択に立ち向かうことすらできない!』

(くっ、まだだ俺たちは戦える)

「辞めるんだブラック、お前は既に96時間の超過勤務時間を過ごしている。

これ以上はお前のタイムカードが持たない…だから―」

(なあレッド、俺たち…負けてなかったよな?マジドナルドにも…殺スキ屋にも…)

「だめだ…それ以上は…辞めろ、ブラックゥゥゥゥウ―――!」

『ば、馬鹿な?いったいどこにこんな力が!』


―― ついに切られた最終決戦の火蓋。

理不尽な運命に立ち向かうヒキコモリダーの前に現れた怪人ショック・アーンの正体とは?

ヒキコモリダーレッドが悲痛な雄たけびを上げる時、隠された真実が明らかにされる!


「うオォヲおぉぉぉぉぉ―」


最終回ヒキコモリダー【生まれ変わったら魚になりたい】


(なあレッド・・・実は俺、お前のことが―)


coming soon...





























































死んだら…





























































異世界に…


























































召喚されると思ったら大間違いだ、馬鹿野郎。




俺はなあ、死んだよ

トラックにはねられてな

軽トラックだったがな。


ああわかってる。

真夜中に酔っ払って交差点の真ん中で寝っ転がってたのが悪い。

で、左折してきた軽トラに惹かれた。


住宅街の信号もない交差点だから見通しが悪かったんだろう。

一時停止した後にゆっくりと侵入してきた車が俺のぷっくりと膨れた腹の上をじっくり踏みわたり

そのまま後輪が乗り上げたところで異変に気づき急ブレーキ

その瞬間に内臓は限界を迎え張り裂けた。

医者の治療も虚しくあっけなく死んだ。


で、次に目を覚ました時にゃビックリ

何やら体が水でおおわれているではないか。

窒息死するかと思ったがそれ以前に腹の痛みで死んでいた筈

あるいは、たまたまかろうじて命を繋ぎ留め、被験体として怪しい実験に強制参加

謎のカプセルの中現在人造人間として改造手術をしている最中…




―そんなことはなかった。

なぜならすぐ目の前を大きな魚が横切ったからだ。

それから大きな口をプカプカ広げこちらに向かってきたではないか!

考えるよりも前に体は自然に動いたね。

迅速に尾を翻し、水をかき進む。


捕食者からはかろうじて逃れた。


つまり、俺は…魚になっていたのだ。



そのことに絶望する毎日だったが、巨大な魚影は俺を常に追い回した。

悲嘆にくれる間もなく俺は必至で泳ぎ、生きてきた。

息を殺して生きてきた。

前世の記憶が活きてきた。

そいつの陰に隠れて生きてきた。


そうしているうちに魚である自分を受け入れていた。

それから一つ、夢を抱いた。


世界を一周する夢だ。

誰もが少しはえがいた理想だ。


しかし、魚である俺には無茶な理想だ。

だが海には、世界の7割を占める大いなる海には今なお世界の謎が満ちている。

ソレを誰よりも間近で見られる権利は海の世界に生きる者にのみ与えられている。

俺はソレを成し得ることができる。



瞬間、心が沸いた。

己の命を燃やす時がふたたび来たということだ。




それから全力で泳いだ。

度々俺と行動を共にする仲間たち。

だが多くの者は夢に敗れ、溺れ、消えていった。


俺に待っていたのは孤独の日々だった。

だが、俺の孤独をいやしてくれる存在がいた。

私にも妻ができていた。

娘も生まれ、俺もついに腰を据えて落ち着く時が来たのかもしれないと、腑抜けていた。



娘と妻は何者かに浚われた。

ふと離れ、食事をしているすきに我が住処は根こそぎ奪われていた。

俺が、甘かったのだ。


今更人並みの幸せを求めるべきではなかった。

己を曲げるべきではなかったのだ。

選択には代償が付きまとい、すべてが理想通り進む幻想は存在していなかったのだ。


それをわかっていながらも自らの野望を追いかけた。

世界のすべてを見て回る幻想に溺れたのだ。


もう、後戻りはできない。





それから再び全力で泳いだ。

感動を共にするもの。

共感を共にするもの。


やがて全ては無に帰した。

ちっぽけな幻想を追いかけ、孤独の海に溺れた。

それでも執念を燃やし、命を燃やし夢の海を泳ぎ切った。

出発の地にヒレを泳ぎ入れたのだ。


世界は…わが手にある。

その達成感に慢心、いや安心したのだろう。

体を空虚さが襲い、満足感・疲労感・達成感…

感無量であった。


意識が薄れゆく

…どうやら迎えが来たようだ。

娘よ、妻よ、それから仲間たちよ。


夢に溺れた無様な魚生であったが、満足だったぞ…






















































― あーあ、ポイが破れちゃった。

― 残念、1匹ね!

― あれ~この金魚さん動ないよ??

― んん~?本当だねぇ。それじゃあこっちのと交換ね!

― わーい、ありがとう!




井の中の蛙 大海を知らずッ!

あらすじなぁ~んてうっそぴょーん!

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