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復讐の王
気づいたら、荒野にいた。
魔王は鈍い頭の痛みを我慢して起き上がる。
「ここ…どこだ?」
空間移動したところまでは覚えている。
と、魔王は目の前に朽ち果てた「城跡」があることに気づいた。
あたりを見回す。
魔王軍の、国民の死体で溢れかえっていた。
「…っ。」
魔王は声にならない声をあげる。
自分は逃げてしまった。
国民を捨て、大切な友を捨て、国を捨て、逃げてしまった。
自分はなんてことをしてしまったのだ。
魔王はその日、1日中泣き続けた。
そして、魔王は思いつく。
なぜ自分が逃げなければならなかった?
それもこれも全て天使が悪いのだ。
天使が攻めて来なければ国民は死なずに済んだし、自分も逃げなくてよかった。
魔王が一晩中考えた結果は、「責任転嫁」だった。
「天使が悪い、俺は悪くない…。」
ならばどうする。憎き天使をどうする。
「一匹残らず…殺し尽くす…!」
天使を殺す、という目標を見つけた魔王。
その両眼が…金色に染まった。
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