入学編1
この世界には天使と悪魔がいる。
そしてまた神も。
「お前はこの世界を変えてみたいとは、思わないか? お前が望むなら与えてやろう世界を支配する力を」
とある朝ーー
「早く起きろ!入学式そうそう遅刻するぞ」
と言いながら扉をノックする。
「分かってる、もう起きてるよ」
と俺は返す。
「なら早くしろ!」
「はいはい」
俺の名前は三神新、15歳で趣味も特技もない平凡な学生。そして今日から聖堂学園の1年生だ。で、起こしに来たのは姉の静。青い髪が特徴で容姿端麗な聖堂学園の2年生である。まあ、姉といっても血の繋がりはない。5年前に俺の親父は再婚した。俺は親父の連れ子で、静姉は母親の連れ子という訳だ。
通学中ーー
「入学式そうそう遅刻すると恥だからしっかりしろよ、新!」
と静姉が呆れた顔でいう。
「今度から気をつけるよ」
と俺は返す。
そんな話をしている内に学園に着いた。
「新、ここが今日からお前が通う聖堂学園だ」
と静姉に言われたが何も言えなかった。なぜなら、すごい設備で敷地も広く建物も数え切れないほどであったからだ。
「入学式は第1体育館だから案内するから着いてこいよ、ここは広すぎて迷うから」
「うん」
といって、歩くこと10分でようやく着いた。
「私は用があるから」
静姉はそういってどこかにいってしまった。てか、体育館行くのに10分ってバカすぎるだろ。俺はこれから先、この学園でやっていけるか不安になっていくのであった。
入学式ーー
入学式は校長の話や先輩からの歓迎の言葉などありきたりなものが進んでいき、俺は早く終わんねぇからとか思っていたら
「最後に、魔法実演をしたいと思います。代表のお二人は前に来てください。」
と司会が言う。俺はまさか入学式初日から魔法が見れるなんて思ってもいないから驚いた。そう、この世界には魔法がある。存在は知っていたが見るのは初めてだ。魔法は高校生になると学園で能力を解放されることで初めて使うことができる。高校生以下の年齢だと肉体的にも精神的にも耐えられないからだ。
こんなことを考えていると周りが騒ぎ始める。
「あれが例の魔法使いじゃない」
「やっべー、めっちゃ可愛い」
前を見てみると何と代表に立っていたのは静姉だったのだ。静姉は2年生でもトップクラスの成績だったため代表に選ばれていたのだ。
「じゃ、今から始める」
と静姉がいった瞬間に凄まじい水で相手に攻撃した。相手は土の盾でそれを防いだ。すると、静姉が
「ならこれでどうだ」
と言うと、水を龍の形に変化させて攻撃する。すごい魔法であるのは一目で分かった。土の盾が一撃で吹き飛んだのだ。あまりの破壊力にその場の空気が静まり返った。
「お二人、ありがとうございます。これで入学式を終わります」
と司会が言うが、あまりの凄さに俺も周りの連中も微動だにしなかった。
昼休みーー
あの後、静姉に会って何も知らなかった俺に様々なことを教えてくれた。まず、魔法には6属性が存在するということ。火、木、風、土、雷、水が存在していて各属性に強弱がある。例えば、火は木に強いが水には弱いという関係である。そして、これが重要だが魔法は天使か悪魔と契約を結ぶことで使えるようになるということだ。この世界とは別に天魔界という世界が存在している。そこの世界の天使か悪魔と契約することで魔力を得ることができる。また、その契約が今日であるということだ。そう、これから魔法を得るために天魔界にいかなくてはならないのだ。
午後ーー
体育館に集められた1年に先生が話す。
「今からお前らには天使と悪魔の世界に行ってもらう。そこで契約を行って魔法の力を得てもらうのだが、注意すべき点がいくつがある。まず、なるべく悪魔との接触は避けていた方がいい。悪魔のなかにも温厚な奴もたくさんいるが、人間をよく思わない奴がいるから自分から契約したい悪魔は寄ってくるから自分から悪魔の巣にはいかないこと。次に契約は24時間以内に済ませること。最後に、契約するのは一体のみにしておくこと。自分の魔力がどれくらいか分からない状態で複数体の契約は体に支障が出る可能性があるからな。説明は以上だ。何か質問は?」
1人が手を挙げて聞く。
「どうやって、天魔界に行くんですか?こっちの世界にいつ帰れるんですか?どうやって帰るんですか?」
「いっぺんに聞くな、まずどうやって行くかというと転送装置で行ってもらう。で、これがその転送装置であり、発信機つきの腕時計だ。これを配るからつけておいてくれ。次にどうやって帰るかというと契約するか24時間以上経つと自動的に帰れるようになっている。だから、24時間以内に契約しとかないとダメだからな。後、言い忘れていたがもし契約出来なければ退学してもらう。これくらい出来ないとこの先やっていけないからな。他に質問は?ないようなので、早速天魔界行ってもらう。腕時計の赤いボタンを押せば向こうの世界に行ける。場所はランダムだが、安全な所にいけるから心配するな。では、赤いボタンを押せ」
と先生がいうと皆がボタンを押し始め、消えていく。俺はビビりながらも赤いボタンを押した。だが、このときは思わなかった。まさか俺の身にあんなことが起こるなんて...。