く、食われる!?
30話記念!
ちゃっとえっちぃ展開にしてみました。
ほんのちょっとえっちぃだけです。
本当にちょっ(殴っ
朝の早い時間帯目を覚ました。
時間にして6時くらいだろうか?
あの日以来、俺は結構早い時間に起きるようになっている。
別に不便じゃないから良いんだけどね。でもこの時間に起きるのは前の世界での事を思い出してしまう。
何故ならこの世界に来た時、その日の朝はこの時間に目を覚ましていたからだ。
それが不快だと思うことは多々ある。
今更帰りたいと喚きたくなる気持ちが無いわけではない。前の生活にだって愛着はある。
空間系のスキルがあれば何とかなるかもしれないがあのヤタガラスのせいで他の世界に干渉できない。
だからこの世界は固有空間なのだろうけど。
まぁそんなことをネチネチ考えていても仕方がない。別に今の生活に不満があるわけじゃないしね。
さてと、とりあえず朝食でも作ろうか・・・そう思ったとき、体を起こそうと動かして気づいた。ここは寝室ではない。
テーブルが真ん中に置かれていてその周りにソファーが置かれている。そして俺はそこで寝ている。
どうやら昨日夕食を食べた後そのまま寝てしまったみたいだ。
通りで記憶が無いはずである。
「歯磨きしてねぇ・・・」
やべぇ、虫歯になるとかマジ勘弁してほしい。
あれだろ、ここの世界で歯医者ってどうなるんだ?ガリガリヤスリで削られるのか?
流石にそれは無いけど得体の知れない治療法はかえって逆に恐怖感が沸く。
「・・・磨こう」
手遅れになる前にと思って体に掛かっている毛布を退かすと、何だか違和感を感じた。
・・・誰だ俺に毛布を掛けたのは・・・?
そこで腹部に何か窮屈した感覚がしたのに気が付いた。
毛布を完全にめくって退かすと、そこにいたのは俺の腰にしがみついて寝息をしている犬耳でござった。
「・・・犬か!」
正体は判明している。これはフレキちゃん以外の何者でもない。
どういうことだ?俺は今の状態とフレキちゃんの様子を見て昨日起こった状況を想像してみる。
なぜフレキちゃんがここでねんねをしているのか?毛布はどこから?ここで寝てしまった俺に起こったのは・・・?
昨日の寝てしまった俺に毛布を掛けてこようとフレキちゃんが寝室から持ってきた?
でもフレキちゃんにはあの毛布は大きすぎないか?
・・・畳んであった毛布で視界を覆われてもヨチヨチと運んできたとか?
どうしよう容易に想像できる。
次はなんでここでフレキちゃんが寝ているのか?
毛布を運んで来たは良いがここまで持ってきて俺に掛けた時点で疲れ切れてしまった?
それで仮眠のつもりで俺の中に入ってそのまま力尽きて朝までオネムと・・・
やべぇ容易に想像できる。
俺は頭を両手で抱えて唸るようにうずくまる。
この子は無防備過ぎやしないか?いや、その方が扱いやすいんだけど少しは注意した方がしれない。
何だか俺の体を寝ながらくんくんと嗅いでるし尻尾が扇風機のようにガンガン振り回させてるし。
「はぅ、んぅ。」
ちょっと待って!!なんでそんなに色っぽい寝息立ててんの!?君まだ10才だよね!?
これ以上はホントに拙い展開に陥りそうだったので、俺はフレキちゃんの背中を揺すって起こそうとする。
「フレキちゃーん!?朝ですよぉぉぉぉ!!!」
この辺りに俺ん家以外に建物はあまりない。だから多少大声で叫んでも問題はないのだ。
それを利用し、俺はフレキちゃん起床に全力を注げる。
俺だって男だ。朝起きて可愛い女の子が色っぽい寝息を立てながら俺の体に抱きついていたら・・・
まぁうん。
幸いにも、フレキちゃんは寝起きが良いらしくすぐに起きてくれた。
アブねぇ・・・もう少しで俺が狼になるところだったぜ。
狼の獣牙族に狼と化した人間が襲いかかる・・・どこのエロ同人だ。
「ふぁぁ、おはようございますカイハラしゃん。」
「あ、あぁ・・・おはよう?」
俺はフレキちゃんの挨拶に笑顔で答える。
だがその笑顔が引きつっているのは自分でも十分自覚出来た。
何故ならフレキちゃんがぼ~と頬を紅く染めながらこちらをジッと見つめているからだ。
ねぇなんで退かないの?フレキちゃんの性格なら「きゃぁぁぁぁ!」と悲鳴を上げながら逃げていくと思うんだけど?
尻尾ブンブンは健在だし、なんとなく息も荒い気がする。
「ふ、ふれきちゃん?」
「・・・・。」
なんかイッテクレヨオイ。
「カイハラさん・・・」
「な、なんでしょう?」
何故だフレキちゃんに主導権が握られている気がする。
「カイハラさんって、結構可愛いですよね。男の子なのに」
「そりゃどういう意味だ。」
一体今の俺の顔はどうなっているのだろう?凄いことになってる気がする。
ていうか、いつの間にまるで俺が夜這いされているような体制になってしまっている。
ど、どういうことだ??フレキちゃんが色っぽいお姉ぇさんに見えてきたんですけど?俺もしかして逆に襲われてるっぽい?
いやんだべられちゃうわえっち。
冗談抜きで。
「ふ、フレキさん。わたくし寝汗が凄いと思うので退いた方がよろしいかと?」
「・・・良いと思います。」
何が!?
「もう少し・・・嗅がせてください。」
そういってフレキちゃんは俺の胸に顔を埋める。
時々服の上からゾクゾクするような色っぽい息がしてきたりとドンドン俺の理性ゲージを失わせていく。
ふ、フレキちゃんのテクニックがやばい!
「んっ」
「・・・。」
もうダメよ!私のライフポイントは、もうゼロよ!
てか何?もしかして・・・もしかしてフレキちゃん発情しちゃってるぽい?
えぇー!?いつからエロ小説になったのコレ!!
やばい、食われる!狼ちゃんと化したフレキちゃんに襲われる!やめろぉ俺はまだ童貞だぞー!
ちくしょう泣きたくなってきた。
「・・・カイハラ、さん。」
「ひゃ、ひゃい!!」
身長差の問題で、フレキちゃんは上目遣いでこちらを見上げてそう言ってきた。
尻尾はブンブン振って息も荒く、顔も赤っぽくなって目も潤んでいる。
あー完全に発情ですわ。ごちそうさまです。
まさか10才の少女に襲われてしかも負けるなんて誰が思ったよ?
皆負けないと思ってない?以外に負けちゃうよ?そういう人居るよイマココニ!!
「・・・。」
フレキちゃんはジッとこちらをのぞき込むように見つめている。
そして急にピクピクとケモ耳を動かすと、ゆっくりと顔を俺に近づけてきた。
まだまだ若いプルンとした艶のある肌、シルクのような柔らかさのある紫色の髪。兎のような保護欲が掻き立てられる紅い瞳。
いつの間にフレキちゃんは大人になってしまったのだろう?いや、体型は子供だけども。
このまま俺の唇にその桃色の唇を合わせるつもりか!?エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!
と、そこでチャイムの音が部屋に響いた。
『灰原さーん!なんかギルドから通達が来たので届けに来ましたけど起きてます~?』
ナイス!ナイスだその声は相羽君だな!?
俺はフレキちゃんを外すとソファーから勢い良く飛び降りて駆け足で玄関へと向かった。
「起きてるよ相羽君ー!!今行くよぉぉぉぉ!お菓子出すけど何がいい!?」
「・・・カイハラさんは攻めに弱い・・・と。」
フレキちゃんが後ろで何か言ってるけどしらない。
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「えっと、僕頼まれたものを届けに来ただけなんですけど?」
「そんな事気にしないでさ!ほら!飴ちゃん食べな!ん!?食うまで帰らせないよ!!」
「い、いや・・・食べますけども・・・」
「・・・」
俺は家をわざわざ訪問してきてくれた相羽君に大量のお菓子を食べさせていた。
ギルドから何か持ってきてくれたらしいしそのお礼。
というのは建前で本当は先程の俺とフレキちゃんの流れを断ち切ってくれた事に対しての本心からのお礼である。
ははーっ相羽さまー!
因みにフレキちゃんは既に正気に戻ったのか、顔を真っ赤にして俯いてしまっている。
よく見るとケモ耳も尻尾もションボリしてしまっている。
さっきとのギャップがすげぇな。
ぎゃぷもえ~。
「ところで相羽君。」
「はい?なんへふか?」
そんなクッキーをリスみたいに頬張らなくても。
「ギルドから届けてくれた物って何?」
「・・・んぐっ。はいはい、これですこれです。」
大事なことなので二回言いました。
相羽君が懐から取り出したのは一冊の本だった。
なんだか辞書みたいに分厚い物体である。
とりあえず相羽君はそのまま渡してきたので受け取る。
えーと、何々?題名は・・・《獣牙族の飼い方》?なんじゃこれ?
「・・・誰だよこれ渡してきたのは」
ギルドからでしょ?どこのどいつがこんなフザケた本を届けるように要請したの?明らかにボケだろこれ。ツッコミ待ちだろこれ。
すると相羽君がその人物の名前を口にした。
「フェンスさんです。」
「・・・」
フェンスさぁぁぉぁぁぁぁぁぁぁん!!
「あ、そう。うんうん。意外とお茶目だねフェンスさんは。それと相羽君はよく俺の家がわかったね?」
「フェンスさんが教えてくれました。」
何で知ってるんだよあの人。いや、家を提供してくれたのはフェンスさんだから当たり前っちゃー当たり前なんだけど。
なんで覚えてんだよ。プライバシーも何も無いわ怖いわ。
自分でも顔が引きつってるのがよくわかる。
「そ、そうか。うん。相羽君よくここまで来る来になったね?遠かったでしょ?別にギルドで待ってても良かったんじゃない?」
「灰原さんの事ですからね。最近デットスネークとかギルド召集とか色々あったじゃないですか。絶対「仕事休むー!」とか言って家に籠城すると思いました。」
エスパーかい君は。まるっきり同じ事言ってたわ俺。
ていうか知り合ったのまだ数日程度なのによく俺の行動が予測できたね。賞賛に値するようん。
「それじゃ僕は荷物も届けたんで帰りますねー。お菓子ありがとうごさいました。」
「あぁー!ちょっと待って相羽君!まだ家に居てもええんやで!?」
「何で関西弁なんですか。」
シラネ。
「折角なので僕も休日にしようと思ってたんですけど」
くっ、それを言われるとキツいな。
しかしまだフレキちゃんが発情から抜け出せてるとはわからないんだ!フレキちゃんの名誉のためにそれは言わないけど!
抜け出せてるとしても今のこの空気は拙い!しばらくシーンと静まりかえってしまう。
そうなったら俺は余裕で居ずらくなって胃に穴が開いてしまう。
現に今フレキちゃんは一言も発せずに俯いてるだけだ。
くそぅ。どうすれば!!
「お、お菓子まだあるよ?全部食べてから返ってもえんじゃないかな!」
俺がダメ元でそれを言うと帰ろうとした相羽君の肩がピクッと動いた。
あれ?これ脈あり?
「ま、まだ2、3箱残ってるんだけどなー?」
「しょうがないですね。頂きます。」
相羽君ちょろりん。
どうでしょうか?
エロ知識皆無な童貞17才が書いたのですが、これが限界でござる。
すいません限界です。




