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ノンストップ・オフライン  作者: ケモナー@作者
第三章『火種』
19/47

ロリコンのハゲが出たぞ!?敵によくいるわ!

感想を頂いて心が癒されました。

ありがとう御座います。

「あっはっはっはっはっ!!こりゃスゲェ!!」


俺はフレキちゃんのステータス項目を回覧してその圧倒的な能力の前に文字通り崩れ落ちた。

足から膝かっくんされたように倒れて俺は地面に俯せの状態になる。

倒れたときに床に頭ぶつけて少し痛い。


「え!?え、ぇえと・・・」


突然引き起こした俺の謎の現象にフレキちゃんは目を「○」の字にして慌てに慌てる。涙目になってるのがちょっと可愛いと思ってしまった俺はそろそろ末期かもしれない。

しかしこのまま放置する訳にもいかないので俺は呻き声を立てたながら立ち上がろうとする。

あかん、足に力入らへん。


「ぐふぅ!!あ、あのさ・・・フレキちゃん?そのステータスはどういう事かしら?ん?」


「え?あの、前見たことあるんですけど、凄いんですか?これ?」


俺が痙攣しながら瀕死の状態で言うと、フレキちゃんは眉を「八」の字にして俺に答えた。が、自覚無しかい!

天然なのかこの娘はっ!

俺は笑顔をひきつらせながら返答する


「う、うんそうね。凄いよ?身体能力は年相応だけど魔力が桁違いなんですけど?」


「本当ですか!?わたしっ、役に立てます!?」


うおおおおおお!!!

そんな純粋無垢な瞳で俺を見るなぁぁあああああああああああああああああ!!

尻尾を振るな!!満面な笑顔でこっちを見るなぁ!!

浄化されるううううううう!?


「ごふぅ!?」


巨大百足(デットスネーク)なんて目じゃないくらいの衝撃波を喰らい、俺は吐血する勢いで吹き飛び壁に打ち当たる。純粋(ピュア)な少女は汚れきった俺の心に大ダメージを与えてきたのだった。


「あー!?大丈夫ですか!?」


まるで投げたボールの如く吹き飛んで逝ってしまって壁に叩きつけられた俺を見てフレキちゃんは悲鳴を上げながらパタパタとこっちへ走り寄ってきた。

仕草がいちいち可愛らしい、落ち着け俺!!相手は幼女と少女の中間地点だぞ!?

いや違う、少女だからこそ見てて微笑ましく思える可愛らしい仕草を天然でするから・・・


何を言ってるんだ俺。


「だ、大丈夫。大丈夫だから」


「ふぇぇ・・・ごめんなさい・・・」


「おぅふ」


無事を知らせたのだが、俯いて謝ってきてしまった。

自分が何かしたのかと思ったのか、この小さな子供は謝っている。やべぇ罪悪感が・・・

いやこの子は何もしてないよ?吹き飛んだのは俺が不純のせいだし。

とにかくヤバいと感じた俺は、咄嗟に涙目になってるフレキちゃんの頭を撫で撫でする。

会って間もない女の子に何馴れ馴れしい事してんだ!?と思ったが、何故かそうしたら解決すると思ったんだ。


そして予想通りフレキちゃんの涙腺が収まっていき普通に戻った。

あれ?これどこかで・・・


「ほわぁ・・・♪」


「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!?ごめんごめん!?」


そのまま無意識の内に撫で続けていたら、フレキちゃんは気持ちよさそうに目を瞑って甘い声を出してきた。尻尾は扇風機の羽根のようにブンブンと振り回していた。


ぼ~っとしてた自分に「何やってんだよ!!」と怒鳴りたくなる気持ちを抑えて、慌ててその手を離す。

女の子の頭を撫でるのはあれは駄目だ。髪型崩れて怒られるから真似しないように。


「あぅ・・・」


俺が手を離すと、とても悲しそうな呟きを発して、元気に動いていたケモ耳と尻尾をシュンと下げてしまった。

どうしてほしいんだ?撫でりゃええのか?撫でりゃええんですか!?

兎に角このままでは駄目だと思い、俺は「ごほんっ」と咳払いをして話を路線に戻す。


「あ~、とりあえず、パーティに入って貰おうかな?」


「え?」


「いや、結構強いみたいだから大丈夫かなと」


俺の声を聞いた瞬間、残念そうな顔から一変して、花が咲いたような笑顔を作っていく

そんなに命張ってでも恩返ししたいモノなんか?鶴の恩返しならぬ狼の恩返し・・・

字面だけならホラーである。


「やったー!!ありがとう御座います!!」


「うがあ!?」


喜ぶ勢いでフレキちゃんは俺に抱きついてきたが、相手はそれなりに歳の差がある年下の少女である。興奮やら緊張などを大人の心で押さえ込み、子供らしいと穏やかな気持ちのまま、俺は少女の頭を撫でた。


フレキちゃんは純粋に喜んでいるが、正直こんなに魔法特化している子は手放したくない。多分だけど炎帝(イフリート)は攻撃で回復神官(クレリックヒール)は回復だと予想できる。

つまり前衛は俺が抑えて後衛からバンバンフレキちゃんに魔法を撃って貰えれば楽勝と言うわけだ。

まぁこのスキルは宗教で飼われていた時の副産物だろうけど・・・

まぁ利用できるもんは利用しよう。目的とか無いし


うん、別に強くなろうとは思わないもんな。適度に稼げればそれで良い。

魔王とかも居ないし、HAHAHAHA!!


「それじゃ、ギルドカード作りに行こっか?あと服も買いに行かなきゃ」


そろそろギルドに集まる時間だしね。


「はい!!ありがとうごさいます!」


フレキちゃんはフードで紫色の頭を被い隠すと年相応の満面の笑みを浮かべていた。






☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆






「あっ!灰原さーんっ!!」


俺より頭一つ小さい好青年が俺の姿を見ると大振りに手を振ってくる。

昼だけどよくそこまでテンションが高いと感心してしまう。


黒だけど少し光の反射で青っぽい艶のある髪の毛、顔立ちは柔らかく整っている俗に言うショタ顔。

その華奢な体に似合わない軽装の革鎧、両足に装着してる鞘からは銅の剣の柄が生えていた。


冷s━━相羽君がギルドの扉の前で待っていてくれた。


俺と一緒に付いて・・・というより憑いて来ているフレキちゃんは、相羽君を見るとササッと俺の後に移動してギュッと服を握りしめた。

随分と信頼度が上がっていたもんだ。


相羽君は俺に駆け寄ってくると後に居るフレキちゃんに気づいたようだ。

ニッコリとこんにちはっと挨拶している所を見ると相羽君は元世界でも良い人だったと言うことが安易に想像することができた。


「相羽君ヨッス~」


フレキちゃんがコクリと小さく頷いているのを確認らした後を見計らってから俺は相羽君に挨拶をする


「よっすです、灰原さん。後に居る女の子はどうしたんですか?」


やはり昨日居なかった謎の少女の存在に疑問を抱いているようだった。

俺はわかりやすく、なおかつ簡潔にそれに答えた。


「昨日深夜のスラム街でお持ち帰りしたんだよ」


「文面だけか聞いたら犯罪臭しますですよ!?」


俺がキラッと良い笑顔で答えるとまさかのフレキちゃんから突っ込みをお一つ頂いた。ぁざーす。

でも事実じゃね?

ワタシウソツイテナイ。


「ええええええええええええええ!?」


俺の言葉を聞いた瞬間、相羽君が目を一気に見開いて驚きの声を上げてた。

案外この子も純粋だよね。


「か、灰原さん!そんな小さな子に手を出したらっは、犯罪になっちゃいますよ!?」


「・・・何を言ってるんだ君は」


何を言ってるんだ君は。


なんか言葉通りに意味を受け取っちゃったらしい相羽君なので、《突然変異》や魔廻教のことを伏せといて俺は改めて説明をした。

事情がわかった相羽君は明らかにホッとした顔をしていた。

元の世界の痴漢疑惑然(しか)り、ロリコン疑い然り、俺はそこまで犯罪者顔なのか?後で鏡見てこよう・・・


「(カイハラさん、カイハラさん。)」


ちょっと眉の所で皺を作っていると俺の来ているシャツの裾を引っ張るようにして、フレキちゃんが小声で俺を呼んだ。

なぜ小声なのか解せぬが、とりあえず俺も小声で返答してあげる。


「(ん?何?)」


「(お兄さんの名前カイハラさんって言うんですね)」


あー、そういや自己紹介したけど俺の名前は教えてなかったな。


「(ごめんな。教えるのスッカリ忘れてたよ。カイハラで良いよ)」


「(はい!あ、あとこの人アイバさんですかぁ?やっぱりわたしの事バラさないほうが良いですか?)」


「(う~ん・・・相羽君に限ってそんな事は無いと思うけどなぁ、止めとこう)」


余計なことして火の粉が飛び散ってくるのは俺が最も恐れ、避けている事態だ。

この剣と魔法の異世界でトラブルを起こしたり巻き込まれたりしたら何されるか解ったもんじゃない、俺は平和主義者で尚且つモブキャラ目指しなのだ。


まぁ何はともあれ、フレキちゃんの事は伏せといて雑談しながら俺達はギルドの中へと入った。

フレキちゃんの直接な用事をするのはまだ先な為外に置いとこうとしたのだが、誰かに見られたり絡まれたりしたら(マズ)いので付いてきて貰うことにした。


相変わらず大きな門を通ると、何百人ものの冒険者達がいた。

昨日来たときは夜だったので、冒険者は確かに多かったが、基本夕食で集まってる輩ばかりだった。


だが今は昼、ただ単に飯を食いに来ている者も確かにいるが、大抵は狩りなどの仕事(いらい)を引き受けている奴らが多い。

地味に殺気立ってる奴らも居れば狩りが楽しみなのか、調子に乗って騒いでる奴らもいる。

荒事仕事なので血の気の多い奴らが沢山いるのはわかる。寧ろそれくらいじゃなきゃこの仕事は成り立たないだろう。

ただ問題を起こせばギルドカードが剥奪されてしまうのでギルドの中で暴れるキチガイはそうは居ない。


しかし、ゴツい体つきのオッサンが多いギルド内で、若僧の後からチッチャくて可愛らしい女の子がくっ付いてるのは何かと注目を集める訳で・・・


「おいおい、そんなちっちゃなガキ連れて依頼受けんのか?死亡確定だな」


「けっこー可愛いじゃねぇか、お兄さん達と組まね?」


「おいおい幼女に手出すとか変態かよ、俺はいけるけどな。ぎゃはははっ!!」


まぁこんな感じに野次が飛んでくるわな。こいつら不良かよ、あーヤダヤダ。メンドくせぇ時間掛かるし

つかロリに手出すとか変態じゃねぇか、冗談だよなマジで?


あ、そういや知り合いにロリコンいたな、発言だけなら犯罪臭半端ないの・・・今アイツどうしてんだろ、この世界に来てるとかないよな。

もし居たらここの世界のドワーフっ娘、ロリだから付き合って合法ロリ!とか言いそうだ

マジ勘弁してくれ。


「おい、見ろよ!この娘髪の毛紫じゃん!!超天才じゃねぇか!!」


「うわっマジか?本気で俺らのパーティ入んね?そんな奴らと解消してさ!」


変態(ロリコン)共がそんな事言ってるのが耳に入って俺の意識が戻される。

チラッとフレキちゃんの頭を見ると、フードから僅かに髪の毛が覗いていた。


まぁ無理もないか、紫髪なら魔力の容量は常人より遙かに多いし、一人居たら単純にパーティ戦力が倍増するもんな。


まぁコイツら、まさかフレキちゃんが耳まで紫だという事は思ってもいないだろう。

因みに相羽君は「え?紫の髪だから何?」って顔してる、どうやら紫色の髪の毛の事を知らないらしい。いや知ってたら逆にビックリするけど。


「・・・っ」


何か強く引っ張られる感触がしたので目を向けるとフレキちゃんが今まで以上に俺の服を強く握っていて、小さく震えていた。

もしかしたら怖いのかもしれない、親に捨てられて訳の分からない狂信者達に囲まれて育って、どんな気持ちだったのだろうか?


俺はこの子の過去に何があったかなんて知らないし、知りたいとも思わない。それは俺が巻き込まれるかもしれないという自己防衛的な理由なのだろう。

きっと俺は、この子が復讐したいと言っても、同情はしても力は貸さないだろう。

あくまで戦力だったから引き入れた。フレキちゃんは俺に恩返ししたいだけ、ただそれだけの関係。


だけど、さぁ・・・なんか嫌んだよね。


気が付いたら俺は無意識の内にフレキちゃんの手を握っていた。

フレキちゃんはそんな俺の手を邪険に思うどころか、より強く握り替えしてきた。

そしてその表情は少しだけ安堵しているようにも見えた。

そうか・・・と俺は心の中で思う。


この子にとって、俺が初めての保護者(・・・)なんだ。と。


「すいません、うちの子に色目使うの止めて貰えません?」


「あ゛ぁ?」


俺がリーダーっぽいスキンヘッド頭の男にそう言うと怒ったような低い声を出して俺を見た。


今までの俺なら「あ、すんません」って言って逃げただろう。だが、こっちも引けない事情がある。

ペットを易々と譲るほど都合の良い飼い主じゃないんだよ俺は。


「んだ?てめぇ・・・」


「新米冒険者ですが、そんなのもわかんないんですか?頭の毛と一緒に理解力も抜け落ちたんすか?ご愁傷様です。」


「てめぇ!喧嘩売ってんのか!?」


そうだ、苛つかせろ。

殴られても口論になっても・・・どっちに転んでも俺が(・・)有利な状況に持ち込め。

陥れろ、填めろ、俺が勝てなくても良い。

ようは勝てば良い(・・・・・)んだ。


「売ってませんよ?勝手な自己解釈で怒鳴らないでください。うわっ唾飛んだ、汚ねぇなぁもう」


「あぁ!?」


「さっきから五月蠅いんですけど?もう少し静かにしてくれません?怒鳴るだけなんてただの雑魚ですよ」


「んだとコラァ!?」


そう言って男は俺の胸ぐらを掴み取って締め上げてくる。完全に殴られる寸前だ。相羽君とフレキちゃんは驚いたような顔をして、野次馬だった冒険者も流石にマズいと思ったのか席から立ち上がる。


ギルドにはルールがある。その一つが、ギルド内での暴行、さらにそれによる器物破損した場合ギルドカードの権利剥奪、死ぬまで二度とギルドを利用する事が出来なくなってしまう。

それは野次馬も例外じゃない、止めに入らず、観戦していたり野次を飛ばしている者も当然カードの効果を切られる。


まぁ流石に実力が低い者は逃げても良いらしいが。


まぁ兎に角それは冒険者にとって一般常識だ。血の気の多いこのバカにもそれは解っているハズ、だからそう簡単に俺を殴っては来ない。

まぁ逆に言えば・・・その間俺は誹謗中傷し放題って事だ。


「知ってますよ?ギルドの中じゃ俺に暴力なんて出来ないですよね?そんな事やったらギルドカード取り上げられちゃいますもんね?まぁ外に連れ出しても暴力沙汰なんかしたら騎士団にしょっぴかれて檻の中で人生詰み乙になりますしねぇ。まぁそろそろ邪魔なんで離してもらえます?つかここまでやって一体何がしたいんですか?(笑)」


「灰原さん!!」「カイハラさんっ!!」


おっと、相羽君とフレキちゃんに同時に怒鳴られちゃったよ。敵はコイツらだけでは無かったようだ。

仲間から怒られる気なんて毛頭ないので、俺は先輩から「怖いよ」とよく言われる作り笑いを浮かべて、敢えて優しく相手の手を襟首から外した。


「ちっ、夜道に気をつけるんだな」


「あ、今の台詞皆さん聞きましたー!?僕脅迫されちゃったんですけど!!騎士団に連絡しちゃおーっと!!」


俺が大声でそう言い放つと、フレキちゃんの顔は真っ青に、相羽君は「やりすぎです」と言わんばかりに俺の手を握って引っ張った。

その様子を見て俺は肩を竦める。あのゴリマッチョが俺を睨んできたが、正直初日のあの糞鴉に殺されて以来、あんまり恐怖を抱かなくなった。


理由は「あれより怖いものはない」からだ。この冒険者に脅されてもここはギルドだから手を出される心配はないし、何より殺される事はない。

そんなの、命をゴミのように扱ってるあの鴉からしたら可愛いもんだ。

あ、可愛くはないけどな。キモい。


結局、ギルド役員が止めに入るまで俺らの睨み合いは続いた。




知り合いに許可貰ってネタにさせて貰いました。

見てるかなー??w

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