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英雄酒場  作者: 秋田強首
6/6

ヒーローについての講義

・この小説はファンタジー、SF、現代(モダン)要素を含みます。

・舞台はヒーローがいる日本です。

・ヒーローの解釈等オリジナル要素を含みますので、ご注意ください。

・場所の提供等も行います。要相談。

 ヒーローとは、言い換えると超人、怪力や変身能力などを持った人間の総称である。

 最も、これだけの条件では、怪人や悪の組織に属する超人もヒーローということになってしまうだろう。

 それゆえ、人々が単にヒーローと言葉を発した場合、それは道徳、言い換えれば正義心をもった超人などである。

 さて、なぜヒーローには人型が多いのだろうか。

 その理由として、一番有力視されているのが神々の世界の構造がある。

 この世界は、いくつかの平衡世界が互いに浸食し合い、一つの世界となったと各宗教の教えに乗っている。

 この宗教の教えは、神託を啓示する為の巫女、神官が実際に神下ろしを行い、その神々に直接聞き取った事実であるため、間違いはないだろう。

 元は別世界に存在していた神々だが、彼らを彼ら足らしめる存在エネルギーはどの神も変わらず信仰によるものだ。

 だからこそ神々は自身の神社、教会、寺院などの神の威厳を示す場所に加え、各書の聖書に御伽噺まで発行させ、自身の存在エネルギーを回収している。

 だが、先に述べたようにこの世界はいくつかの世界が混ざりできた世界である。

 そのため、各世界に無数に居た神々が一つの世界にまとめられた。

 結果として、神一柱あたりに与えられる信仰という物は薄れ、幾多の神がその知名度の低さから存在を消してきた。

 このことに恐怖を覚えた力の弱い神(以下下級神と呼ぶ)は、いくつかのアイディアを考え、実行した。

 その中の一つがヒーローの作成だった。

 特別な力を人に持たせ、神の力を間接的に人々に見せることによって信仰を増やし、自身の消滅から逃れるといったアイディアだ。

 結果から言えば、それは大成功した。

 この時のヒーローがかの有名な大戦を収めた、ヒーロ名「平定者」であり、力を与えた神が現在社会に最も浸透している「四文字教」の主神として崇められている。

 この成功例、ただの一山岳神だった通称「四文字」が主神として宗教が起こることを見たほかの神々も、こぞって自身の力を分け与えたヒーローを作り出した。

 そして、現在種族として最も存在エネルギーを得やすい人類(亜人を含む)に力を分けるようになった現在、各国はヒーローを管理し、自然災害や地球外生命体の侵攻、世界の破滅などを目論む悪の組織との戦いを行っている。




「といった感じなんだけど、理解できたかい?」


 英雄酒場店内の一番奥で、ホワイトボードまで持ち出し即席ヒーロー講座を行っていた八重崎が、椅子に座って講義を聞いていたヒーロー達に声をかけた。

 何人かいた生徒、つまりはヒーローは皆、小首をかしげるだけだった。

 その中で一人、真っ直ぐに手を挙げた者がいた。

 茶色いライダースにジーンズ姿の女性、「鷹武者」こと小鷹文美だった。

 八重崎は手にした黒ペンで文美を指し、「はいどうぞ」と言った。


「ヒーローについてはなんとなーく理解できたけど、なんでわざわざ英雄酒場で講義を受けなきゃいけないんですか?」


 言葉の最後を言い終わるか終らないかの瞬間、文美の後頭部に拳骨が降ってきた。

 言葉にならない叫びをあげる文美が後ろを振り向くと、青筋を立て笑顔をした近藤正樹が立っていた。

 その顔を見たその他の受講者、マルコと真美は苦笑いと冷汗を流すだけだった。


「この店を半壊させたどこぞのアホヒーロー共がいたおかげでですね、僕の仕事が増えたんですよ。」


 正輝は文美を殴った時から変わらぬ笑顔のまま、言葉を続ける。


「最初に言いましたよね、僕?今回は謹慎者の為の特別講義を八重崎さんに行っていただくと。」


 一言発するごとに正輝の顔が文美に近づいていく。

 ただ近くに来るだけであったが、その様子は遠くで講義を眺めていたマスターにとっても異質の光景見え、端的にいうと怖かった。

 そろそろ潮時かなとマスターは考え、そしてヒーローたちに声をかける。


「なあ、正輝君、もう講義は終わりだろう?だったら、お疲れ様会を開かなきゃ。」


 正輝はマスターをちらりと見た後、固まっているヒーロー達と電子タバコをふかす八重崎と視線を動かした。

 そして、はあと深い息を吐き出した後、マスターの待つカウンター席に座った。

 他のヒーロー達もそれに続く。

 マスターが一人一人の前にナッツとグラスを置いていく。

 

「それじゃあ、本日は、お疲れさんです!今日を持ってお三方の謹慎は解かれますが、次回は無いように!」


 正輝がグラスを持ち上げ、マルコに真美、文美に八重崎と、最後にマスターがグラスを掲げた。

 乾杯と言葉を上げ、皆酒を流し込む。

 謹慎が開けた三人は勿論、正輝も八重崎もその三人に巻き込まれどんどんとグラスを開けていく。

 皆、とても楽しそうに笑っていた。

 その光景を見たマスターも笑っていた。



 翌朝、マスターはうんざりした顔で店内を掃除していた。

 床には、さっさと帰った八重崎以外のヒーローもとい馬鹿が四人転がっていた。

 マルコは両脇を真美と文美に挟まれ、苦しそうな顔をしており、なぜか少し離れて転がっている正輝に至ってはパンツ一枚である。

 

「酔っぱらうのは自由だけどさ、節度持ってくれよ…。」


 一人、ぶつぶつと文句を言いながら、今度こそこいつら出禁にしようかと考え、マスターは黙々と汚れた店内を片づけるだけであった。

「平定者」

本名:不明

性別:男

身長/体重:不明cm/不明kg

タイプ:不明

備考等

 世界を巻き込んだ大戦を、ただ一人で収束させた英雄。

 人々には最初のヒーローと呼ばれているが、その人物のすべてプロフィールが不明。

 ただ、平等と愛を語り戦争を収めたと言われている。

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