第九話
「はぁっはぁっ。あれって地図の家……」ルカは立ち止まって息を切らしながらそう言った。
ルカの目線の先には白い色をした、こじんまりした家が建てられていた。
白い家の横には綺麗にたくさんのお花が植えられている。さっきの雰囲気の悪い森とは大違いだ。
「ルカ、地図見せて」エナは本当にあっているのか不安になり地図を見た。眉をひそめて真剣に地図を見る。
地図には赤い線で囲まれた家の横に小さく「白い家」と書かれているからどうやら間違っては無さそうだ。
エナはほっとした顔をして
「あっているみたい」と言った。
「じゃあ行くか!!」ルカは目をきらきらさせて言った。
ここまで来たら安全だとルカは思ったのだ。場所も森の中で大きな門もそう簡単には開かない。こんな場所があったこと自体初めて知った。きっと長年住んでいる地元の人すら知らだろう。
「ルカ、行ったとしてどうするの?私たちのこと相手は知らないんだよ」冷静に考えたエナはルカにそう尋ねた。
こういう時に計画的に行動するのがエナだ。学校では頼られる存在で学級委員長を務めている。
「それがさ……」そう言って自分のズボンの右のポケットを漁るルカ。
あったと言ってルカが出したのは母親からもらった写真だった。ボロボロででもどこか大切にされていたと感じる写真だ。
それの写真がどういう意味をもたらしているか知らないエナは不思議な顔をしてルカを見つめた。
「これ渡したらいいってお母さんが言ってたんだよ」
「その古びた知らない人が写っている写真を??」
「まあ……。でもお母さんが言っていたからきっと大丈夫だよ」
「そうかもね」
エナはルカが持っている写真を奪い取りずかずかと白い家に向かって歩き出す。ルカは慌てて「待ってよ」と言った。
「早く行動しないと」
「ここだね」
「うん」
二人はごくりと唾を呑み込む。
ルカとエナにはこれまでにないような緊張が走った。二人の頭の中にはもしいなかったらどうしよう、もし助けてもらえなかったらどうしようと不安が頭を過るのだ。
白い家の前に立った時かすかにカレーのようないい匂いが家の中からした。どうやら人が居るみたいだ。ルカとエナはずっと不安な気持ちだったけどここにきて少し表情が和らいだ。
ルカとエナは息を呑み込む。
「すみませーん」エナは大きな声で家の中まで聞こえるような声で呼ぶ。
聞こえなかったかもしれないそう思いエナはもう一度「すみませーん」と言った。
「居ないのかな」
「きっといるよ」
少しして中からかすかに「はい」という女の人の声がした。ルカとエナは目を合わせてにこりとした。
しばらくして玄関から一人の老婆が顔を出した。その顔はとても驚いていて口が綺麗なoの文字になっている。老婆からは気品さが漂っていてただものじゃない雰囲気がした。
二人は再びごくりと唾を呑み込んだ。
「どうしてここに??」
「えっと。この写真を渡したら助けてくれるとお母さんから言われて来ました」
そう言って老婆に写真を見せれば
「あぁ。貴方達はあの子の子どもね……。さぁ入りなさい。続きは中で話しましょう。大変だったでしょう」
そう老婆は言ってルカとエナを家に入れた。




