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第七話

「ねえ。ルカ。本当にここで合ってる??」

 歩いてから約2時間経った頃にエナはルカに不安げに尋ねた。

 ルカはメモ帳に書かれた地図と睨めっこしながら「多分」と返事をする。

 辺りは薄暗く、お化けが出てもおかしくない静けさだ。二人はもうすっかり涙も引っ込んで不安な気持ちでいっぱいだった。

 ルカとエナがいるところは近所の誰も入らない森の中で家や人すら見当たらない。

「やっぱり、来なければ良かった」

「そんなこと言うなよ」


「歩こうー、歩こうー、私はー、元気ー」

 二人はもうすっかり体力も元気も失っていた。ルカは何とか不安な気持ちを無くそうと歌を歌う。普段ならうるさいとルカに言うエナだったがそんなことを言う体力も気力もなかった。

 不安げになりながらもしばらく薄暗い森の中を歩いて進んでいると突然大きな門が目に入った。

 ルカとエナの目には微かに光があった。

「エナあれって、まさか」

「うん。多分」

 しかし、すぐまた光は失うことになる。

「立ち入り禁止……」エナはそう読んだ。 

 大きな門の前に立てば看板にはここから先立ち入り禁止と禁止マークと一緒に書かれている。つまりこの先には行けないのだ。だが看板は傾いていてすこしどこかおかしい。ルカとエナの目にはすっかり光も希望も消えて真っ暗な不安だけが残った。

「どうしようエナ。ここの先に家があるみたいだ」ルカはどうしたらいいか分からずエナのほうを見る。

「ルカそれ見せて」

 エナは何かがおかしいと勘が頭の中で働いた。お母さんたちがわざわざここの場所に行きなさいということはきっと何か理由があるはずだ。何もなかったらわざわざ森の中の家の地図を書くはずがない。 

 地図を見ても合っているはずだからエナはそう考えた。

 ルカはエナのほうを尊敬する目で見つめた。こういう時に頼れるのがエナだ。

 エナは地図をじっくり見る。よーく見るとノクリチィウムと変な言葉が書かれている。

「ノクリチィウム……?」

 そう呟いたあと、疑問に思ったエナはルカに訊く。ルカはもしかしたら知っているかもしれないとエナは思ったのだ。

「ねえこのノクリチィウムってなに??」

「ノクリチィウムってなんだよそれ。変な言葉」

 あっさりと言うルカにエナはがっくりきた。どうやら何も進展がなさそうだ。

 あきらめて地図を見たそのとたん小さい文字で看板を立てる。と書かれている文字が浮かんできた。驚いてエナはもう一度見るとやはり同じことが書かれていてルカにゆっくり尋ねる。

「ねえここに書かれている言葉見える??」

「えーと。看板を立てる?」

 何ということだ。驚いた。まさか文字が出てくるとは。

 ——でもどうして文字が浮かんでくるの。

 ……。

 驚いて悩んだエナだったが魔法や幽霊を信じていないオカルトアレルギーのエナはすぐに見落としたんだと開き直った。

「そうだよね。きっと見落としたんだよね」

「どうしたんだ??エナ」

「何でもないよ」エナはルカが不安にならないよう優しく微笑んだ。

 ルカは少し考えた後さっきから気味の悪い看板が気になるから看板を立てることにした。看板を立てると書かれているからルカは一石二鳥だと思ったのだ。

「よいしょ」

 次の瞬間だ。看板を立てた瞬間立入禁止と書かれた文字が消えてウィールズ荘と文字が出てきたじゃないか。

「え、エナ。今の見たか!?」

「う、うん。今のって」

「あぁ!魔法だ……」ルカはそう言って思わず看板に見とれてしまう。

+ 二人はますます不安になり身を寄せ会う。

 エナもルカも魔法を信じていない類に入るけど今回ばかりは違う。今のは明らかに魔法だ。いや魔法だった。

──ガラッ、ガラ、ガラッ……。

 そう錆びたような古びたような音をたてて大きな門が開きだした。

「これって行っていいってこと……?」エナは不安な声でそうポツリと呟いた。

「あぁエナ、きっとそうだよ!行っていいんだよ!そうじゃないと門は開かない」

 ルカとエナは門の中に入ることにした。


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