第五話
「ルカ君、エナ。あなたたちは……。ってそのメモ帳は??」傘を持って玄関から出てきたエナの母親はルカが持っているメモ帳について訪ねる。
「これはお母さんからもらってここに書かれた場所に行きなさいって」ルカは母親に言われたことをしゃべる。
「ルカ君。それは絶対絶対に地図に書かれたところの人以外誰にも見せたら駄目よ??分かった??絶対によ。あと全身黒いマントを被ったものには絶対会わないこと。会っても逃げるのよ。そいつらは悪者だから。それとルカ君とエナ。貴方達はそこへ行きなさい。お母さん達が必ずお迎えに行くわ。二人とも愛しているわ」エナの母親はエナの頭にキスをした。そして「お守り」と言いながら母親がずっと大事にしているペンダントをエナの首に着けた。
でもそれは母親がずっと大事にしているものだとエナは知っていた。だから何故自分にそんな大切なものをくれるののかよく分からなかった。
少し遅れて出てきたエナの父親も傘を持っていて
「ルカ君、エナ。お父さんも必ず迎えに行くから、だから書かれたところへ行きなさい。ルカ君、エナを少しの間頼んだぞ。二人とも愛している」
とだけ言う。そしてエナの頭にキスをした。
「え、お母さん、お父さん」
「じゃあ行きましょう」
「ああ」
「じゃあまたね。いい子にするのよ」
「そうだぞ」
そして母親と父親は走って去っていた。
少しして
「……ルカ私はお母さんたちにこっそりついていくわ」
とそれだけエナは言った。
ルカは不安な顔をして「僕も」とだけ喋った。
二人が無言で電線柱に隠れて様子を見ていた中とうとうエナは口を開いた。
「ルカ、何でお母さんとお父さんはルカの家に入ったの??何も悪いこ怒らなよね」
「分からない……」
次の瞬間だった。
——ドッカンッッ
その大きな爆発音と共に大きな黒い煙が立ち上がった。辺りは騒然といていてルカとエナはあまりよく状況が呑み込めない。
そして家全体に燃え広がる炎。
「ルカ嘘だよね。ねえ。嘘だよね」
「……い、や、わか、らない」
ルカは後退る。
さっき確かにエナの母親と父親はあの今はもう家と言えないところへ入った。そしてルカの母親も居た。でも今は燃えているのだ。
「あぁ、うぅ」泣き崩れるエナ。
その瞬間ルカの視界には確かに入った。全身黒いマントを被ったものがいるのだ。そしてその者は今確かに燃える家から出てきた。
ルカは震える手を抑えながらエナの手を取り全速力で走った。
「ルカ」そうエナが言ってくるけどルカは気にしない。




