第十七話
二人はその後朝ごはんを食べて、食器を片付けた。メリンダは「大丈夫です。ゆっくりしていてください」と言ったが居候させてもらっている身が何もしないのは失礼だとルカとエナは考えていた。だから進んでメリンダの手伝いをした。
手伝いが終わった後はメリンダが好きなテレビを観ていいとご褒美をくれた。
「良いんですか!?」
「やった……」
二人の反応はメリンダまで嬉しくなる反応だった。
「その代わり私たちには敬語じゃなくてため口で話してくださいね。かたぐるしいのは苦しくなります」
ルカとエナは顔を見合わせて「分かった」と答えた。でも何だか慣れなくてエナは下を見た。
「今の貴方達には休暇が必要です。それなのに敬語を使ったら疲れませんか??」
「疲れる……」
「疲れると思う」
ルカとエナはそれぞれそう答えた。
「ですよね。なのでルカとエナはゆっくり過ごしてくださいね。気楽にリラックスして」
その後、二人は早速メリンダが観ていいと言ってくれたテレビの前に座りエナはリモコンを取った。二人の心は少しだが光があった。
「ルカ、何観る??」
「僕はアニメがいいな!!」
「うーん。でもこの時間アニメはやってないな、」番組表を観たエナが悲しそうに言う。
その様子を見たメリンダが来て
「DVDありますがDVDにしますか?」と言った。
「え。本当??」ルカはDVDという言葉に瞳を躍らせた。
「はい。ジブリがありますよ」
そうしてルカとエナはジブリの魔女の宅急便を観ることになった。魔女の宅急便は人気で有名な作品だがルカとエナは観たことが無かった。だがルカはバラエティー番組で特集をやっていた時に少し観たことがあるというのを覚えていた。だからルカとエナは楽しみという気持ちを躍らせ瞳をキラキラさせた。
始まってからルカとエナは真剣な表情をしてテレビの画面を観ている。
外は明るく日差しが暖かい。小鳥が元気な声を上げてチュンチョンと鳴いている。だが、家の中はまるで映画館だ。少し部屋は映画館の上映中みたいに暗くルカとエナの横にはメリンダが持ってきてくれたポテトが置かれている。静かな空気にテレビから漏れる音だけが部屋中に響き渡った。ルカとエナは完全にテレビの虜だった。
「ただいま帰った。ルカとエナはなにをしている?」暑そうな格好をしているチェスターがルカ達を見てメリンダにそう訊ねた。
「魔女の宅急便を観ているんですよ」
「魔女か。悪い影響がでねければいいけどな」
「物語なので心配はいりませんよ」
「ふん」
そう言ってチェスターは動物の毛らしきもので出来た暑そうな服を脱いだ。メリンダがチェスターの脱いだ服を預かりクローゼットに掛けに行く。
まだ季節は夏の真っ最中だが家の中は涼しく外はやはり暑い。だがチェスターは汗をかいた様子を一ミリたりとも見せず淡々とした様子だった。メリンダはその様子をしたチェスターを不思議に思うこともなくむしろ見慣れてるかのような動きだ。
しばらくしてテレビの周辺が静かになったと思ってメリンダがルカ達のところへ行くと二人はぐっすり眠っていた。——きっとまだ疲れが溜まっているのでしょう。そう思ったメリンダは推定していたかのように持っていた冷たいタオルケットをそれぞれ掛けた。一応そっと掛けたがやはりルカとエナは起きない。
その様子を見たメリンダは「おやすみなさい」とだけ言いキッチンの方へと向かった。




