第十五話
「起きられたのですね。おはようございます」そうキッチンで朝ごはんの用意をしているメリンダはルカとエナに言い放った。
「「……おはようございます」」
「牛乳飲みますか?冷たくて美味しいですよ」メリンダはどこか落ち着きのないルカとエナにそう訊いた。
二人は戸惑ったが直ぐに「飲みます」と言った。
「ではこちらに座ってください」
ルカとエナはチラリと左を見た。そこには見たことのない白髪と白い髭の見た目をした老爺が座っている。身体つきは少し大きくかといってめちゃくちゃ大きいという訳でもない。
老爺は眼鏡をつけて真剣な表情で新聞をじっくり見ている。メリンダと一緒で外国人みたいな雰囲気だ。
「あぁ、驚きましたね。こちらは……」
「メリンダの旦那のチェスター・ウィールズだ。あまり話さないと思うが一応、宜しく頼む」
外国人の見た目をしているということもありやはり名前も外国っぽい名前だ。でも不思議なことに日本語はメリンダと一緒で流暢だった。
チェスターはマグカップを手に取りごくりとコーヒーらしき飲み物を飲み込んだ。
「「……よろしくお願いします」」ルカとエナは挨拶をした。
チェスターの無愛想な仕草や雰囲気、表情にルカとエナの表情はこわばった。
それに、気づいたメリンダは
「……チェスターはいつもあんな感じなんです」
そう教えた。
ルカとエナはチェスターが座っている前にちょこんと座りメリンダがくれた牛乳をごくりと飲んだ。やっぱり朝一番の牛乳は美味しい。ルカとエナは毎朝牛乳を飲んでいるから思った。ちらりとルカはチェスターの方を見た。するとチェスターもルカの方を見たからルカは慌てて目をそらした。
何だか気まずいとルカとエナは思っていた。でもこれからきっと毎日その空気が来るのだろう。ルカとエナは乗り越えないといけない。
そう思ったらルカとエナは一気に猫背になった。
「大丈夫ですか?……ここだけの話ですがチェスターは普段朝はここにいないんです」
それを聞いたルカとエナは少し安心しながらも、何故いないのか不思議に思ったので首を傾げた。それを見たメリンダはにこりと微笑んで
「狩りに行くんです」
とだけ言った。
「狩りって動物を狩る、あの??」エナは狩りをあまり知らなかったから訊いた。
「はい。その狩りです。チェスターの場合、普通の狩りとは違うのですがそれはルカとエナは分からなくて大丈夫ですよ」
ルカとエナはまたよく意味が分からなかったから首を傾げた。
「少し言うと狩り方が普通とは違うんです。まあとにかく貴方達は分からなくて大丈夫です」
——ピピピピッピピピピッ
「ゆで卵が出来ましたね。ルカとエナは食べますか??」
「た、食べたいですっ!」
卵が大好きなルカは思わず身を出して大きな声で返事をした。でも後からルカは恥ずかしくなって「ごめんなさい」と謝った。
だがメリンダはルカの元気な声を聞いてにこりと微笑んだ。
「大丈夫ですよ」




