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第十三話
「ただいま」そう言って老爺が家の中に入ってきた。
「お帰りなさい。帰ったのですね」メリンダが老爺の方へと迎えに行く。
「まあな。今日はおっきい鮎が取れた。最近は裏の世界も危険だ。ヴェイルらめ。政治と貴族の操り人形だ」
「そうですね。しばらくの間は行かない方がいいかもしれません」
「まあな」
老爺はメリンダに鮎を渡し靴を脱ぐ。すると視界には見慣れない初めて見る靴が綺麗に置かれていた。異変に気が付いた老爺はメリンダに慌ただしく問う。
「この靴はなんだ。もしかして人を家に入れたのか!」
「貴方。あの子の子ども達が来ました。裏の者に襲われたみたいです」
「っ!本当か?」
老爺は真剣な表情をしてメリンダに問う。そのオーラには普通の人間だったら圧倒されるほどだ。嘘をついたら何が起こるか知る由もない。
「えぇ。本当です」またメリンダも真剣な顔をして言った。
「そうか。見つかったんだな。それであの子は?」
「それが多分……もうすでに」
「そうか……。わしらに託されたのは子供らを守ることだけか。……自分が情けねぇ。こんな時もわしは何もしてあげれなかった」
二人は表情を暗くして黙り込んだ。




