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第十話

 家の中に入ると中にはレンガで出来た暖炉、良いにおいがするカレーらしきものの匂い、テレビにソファー、ダイニングテーブルなどの様子があった。ほとんどが日本ではあまり見ないようなウォールナットで出来ているおしゃれな家具で雰囲気はヨーロッパ寄りだ。

「ちょっと待ってくださいね」そう言って老婆はキッチンの方へと向かった。

 ルカとエナはどうしたらいいのか分からず立ち止まる。

「ソファーに座っててください」ルカとエナたちの様子に気が付いた老婆はそう言った。

 ルカとエナはバラのような花の絵柄が描かれているこじゃれたソファーに座った。二人は緊張でおどおどしている。少しぎこちなく気まずい。

「エナ、大丈夫かな」

「きっと大丈夫だよ」

 少しして老婆がきて飲み物を渡してきた。

「これはオレンジジュースです。1から作ったので口に合うかは分からないですけど美味しいはずです」

 ちょうど良かった。とルカとエナは思った。

 ずっと水も飲まず休憩もせずに歩いてきたからルカとエナは喉がからからだった。出来ることなら今からお腹いっぱいになるまでご飯を食べてふかふかのベッドで大の字になって眠りたい。ルカとエナは今までどれだけ自分が恵まれていたのか知った。

ごくっごくっとオレンジジュースを飲む音が鳴り響いた。二人は一気にコップの半分以上を飲んでしまう。ルカとエナ二人そろってこのオレンジジュースが美味しいと感じたのだ。

 正直に言うとここまで美味しいオレンジジュースを飲んだのは人生で初めてだった。甘すぎずみかんの味が忠実に使われている。スーパーに売っている甘いオレンジジュースよりこっちのオレンジジュースのほうが断然美味しい。

「それでどうしてこちらにいらしたのですか」老婆は真剣な顔をして二人に訊いた。

 この家にわざわざ子どもたちだけで来るはずがない。ましてやここは森の中で門も選ばれた者しか通ることが出来ないのだ。子どもたちの様子を見ては服は汚れているし喉も乾いていた。あの子の写真を持ってるいうことは……。ただことではないはずだ。

「僕たち襲われたんです。全身が黒いやつに。お母さんたちが戦っていたところは爆発しました。うぅ、グスッそれで攻撃されたときお母さんが言ったんです。この場所に行きなさいって」

「私たちをここに住ませていただけませんか?無理なら一晩だけで良いんです」ルカの後にエナがそう喋った。

「……裏の者が来たんですね」

「「え」」

「しばらくは行く当てもないでしょうからここに住んでください。部屋と服用意しておきます。疲れたでしょう。お風呂入りますか。でもお腹すきましたよね。ご飯にしましょう」老婆はまるで想定していたかのように淡々と喋る。

 それにルカとエナはよく分からなくて困惑した。だって襲われたのだ。全身が黒いやつに。しかもお母さんたちは死んだかもしれない。だが一つ確かなことはもうこれで安心だということだった。しばらくの間はここに住ませてもらえるし部屋と服も用意してくれる。

——でも学校は。

「あの学校はどうしたら」エナは疑問に思い尋ねた。

「心も体も疲れているでしょうからしばらく学校は休みましょう。学校にはこちらから手配しときます。もしかして行きたいのですか」

「いや、ただ気になって」

「大丈夫ですよ。勉強はいつでもできるので」

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