冥府の仕事始め
スマホから書いてます。ルビ振りができない。宜しく。
仕事の始まり。
現世のテレビで見た、法廷のようなところが、冥府でも法廷らしい。ただ、現世の裁判所と違うのは傍聴席にあたるところがなく、そこから現れた人を裁き、罪の大きさによって、償う場所に行くからだろうからか。
涼は裁判官の位置に座り、燎が仕事の書類を渡してくれる。涼はそれを読み上げた。
「歩道橋の上でストーカーに襲われ、反撃して相手のナイフで男をを殺す。直後、階段から自分も転げ落ちて死亡。」
まだ二十代くらいの若い女性だった。
「殺すつもりはなかったんです、なかったんです。」
女性は泣いて自分の両手で顔を覆っていた。その後ろには映像が映っていて、書類に間違いがないことを涼に見せる。冥府なんてここに現世のように、スクリーンみたいなそこに罪人の生前が判るなんてどうなっているねか。涼は燎に突っ込みを入れたくなった。嘘はつけられないと言うことなのだろうか。
人殺しだが、女性は自分を守ろうとしての結果だ。情状酌量があるだろう。一から十までの間でどこにすべきか涼は考える。内心、初っぱなからこんな難しい裁きを持ってくるなとも思う。隣に立つ燎はホケホケした顔のまま。涼が下すのを待っている。頭のネジが飛んでいるのか、それとも閻魔大王の補佐をして慣れているのか?こんなもの慣れたくはないが。涼は書類にある過去の判例やら何やらと見比べて、償いの場所に送る書類に迷いながら、閻魔の判子を押した。
「この番号に。」
「はい。」
燎が涼からの書類を受け取ると。後ろに控えていた冥府の人間の姿した役人が、女性を促す。女性は償いの場に連れて行かれる。しかし、これで終わりでない。
次々と罪人が連れて来られて、涼は裁くということを考え、考え閻魔大王の判子を押しながら仕事を片付けて行った。
何人裁いたか、数えるのは途中でやめた。
裁いている途中で、涼は判らなくなったからだ。しかしそろそろ疲れて来てとうとう、涼は目の前のテーブル(?)についにうつぶせた。
「刑事ドラマや裁判官ドラマ、弁護士ドラマを一晩中見たような気分だー。」
そういうドラマを見て、決めたやつもある。
「お疲れ様、涼。今日の分はこれで終わりです。」
ホケホケと燎が言った。涼が初仕事の感想をもらす。
「これ以上できるか?!」
うめくように言う。
「よくできたよ。別の部屋でお茶をどうぞ。玉露だよ。現世では一番高いお茶だよ。」
「紅茶が飲みたい。」
せめての嫌みに涼は言ってみた。こんなところにないだろうと。
「じゃあ、今度にはそれを入れておくから、おすすめがあったらそれを入れてあげるけど?」
「バニラ味のティーパックの紅茶。」
涼はでたらめを言ったが。燎は丁寧にメモする。燎にはい嫌みも冗談め通じないらしい。
「バニラ味のティーパック。だね。」
初日から疲れて、明日からはばっくれてよろうかと涼はマジで思う。別の控え室?のらようなそこで涼が座っていると燎がお茶を運んで来た。
「どうぞ。」
「ありがとう。」
涼は出されたお茶を口にする。疲れているからと玉露なんなんて高いめのを飲んだことないからこんな味かと思う。美味しいと言えなくはない。いや、正直美味しいかも知れない。
「閻魔大王は毎日、毎日(?)こんなことやっているのか?」
「これでも十分の一かな?」
「これでーーー!!」
涼は思わず飲んでいたお茶を吹き出しかけた。燎はホケホケと涼に言う。
「これをん万年続けてきたら、閻魔大王がバカンスに行きたいと言うのも無理があるだろう?」
「うーん…」
涼は考えを納得出来なかった。
「この調子で頼むよ、代理人。」
ホケホケと言う燎に涼ははめられたと今さらながら思った。
友人と書いてます。これは私のオリジナル。宜しく。健全な作品です。