第四話 アジサイ 冷酷
めっちゃ書いてませんでした!ごめんなさい!
「飛山くんのことが好きです。」
言ってしまった。
恥ずかしい。やばい。
そのとき飛山くんの手が少し動いた気がした。
飛山くんの顔を見てみる。スヤスヤねているみたい。
気のせいか。良かった。
「…可愛いなあ。」
私は飛山くんの頭をそっと撫でた。
今なら何をしても許される気がしたんだ。
「次は〜桜町〜」
あ、降りなきゃ。
バイバイ。飛山くん。
「楽しかったよ、ありがとう。」
今、好きって言った?
言っはずだ。ちゃんとこの耳で聞いた。
気まずかったから寝たフリをしたけど。
しかも可愛いって言われたし。
俺のことあんなに嫌いそうだったのに。
「なんなんだよ、あいつ。」
顔面が熱い。
俺、赤くなってるのか??
意味わかんねー。
でも
「楽しかった。」
帰ると、お母さんが真っ赤な顔で待っていた。
「あんた、学校サボったの!?」
「お母さん、、ごめん。」
「学校を抜け出したって聞いてびっくりしたわ。お母さん仕事で忙しいんだから、やめてよ。迷惑。」
お母さんの不機嫌な声が部屋中に響いて私に突き刺さる。
お母さんは気に入らないことをしたらすぐに怒る。
幼稚園のころは笑顔で優しいお母さんだった。
でも今は、違う。笑顔なんてたまにしかみない。いつも不機嫌だ。
「家事も放ったらかして!こっちは金稼いでるんだからちょっとは手伝ってよ!私は忙しいの!もう、役立たずね。」
怒りが込み上げてくる。もう喉まで来ているけど、頑張って飲み込む。
「ごめん。今からご飯作るね。」
「ご飯から私がもう作ったわ。あんたの分はないわよ。」
台所に行くと、汚い食器やフライパンなどが散らかっていた。
「かたずけは?」
「は?なにいってるのよ、片付けぐらい霞がやって。」
「ふざけんな!こっちだって忙しいのに!家事やってるせいで友達とも遊べずに、勉強もできない!もうやだ!お母さんなんて嫌い!」
今まで飲み込んできた言葉がどんどん出てくる。
こんなこといいたくないのに。
「じゃあ、出てけば?」
お母さんが冷たい声で言った。
「分かった。出てく。さようなら。」
足が勝手に動く。お母さんはこっちを見ていない。
興味無いんだ。私のこと。
涙が出てきた。隠しながら走った。どこまでも走った。
アジサイの花言葉は「冷酷」です。