#99
その頃、アルニアでは帝国の侵攻の知らせを聞き準備に追われていた。
キングラプターに物資やユーボⅡ、コングを載せると帝国に向けて飛び立つ。乗員はマリスにキングラプター操縦の為の騎士が3名と兵士が20人が乗りこむ。
2機のキングラプターが帝国に向けて飛ぶ。先頭のキングラプター1号機にマリスと騎士1人が乗り、2号機に騎士2人と兵士20人となる。
帝国領内に入る前に光学迷彩と消音を展開。帝都上空を飛んで以前に来た時に使用した場所へと着陸。
ユーボⅡ2機とコング4機で周辺を整地して準備を整える。
魔導通信により逐次情報を取得。状況を確認する。どうやら帝国の軍勢は着々と国境へと集まっているようだ。
そこに現場にいるケイトから報告があり帝国への狙撃を開始したとの事、順調のようだ。
それから2日過ぎた頃に連絡があり、帝国は王国に宣戦布告したとの情報。しかし、ケイト達の狙撃により混乱しており、未だに開戦とは至っていない。
ポセイドにいるEO部隊に発進命令を出す。
クロイの情報から現在の帝国帝都には各領地から戦後の祝賀会の為に領主達の家族が集まっているという報告があった。舐め切っている帝国はもう勝った気でいるらしい。
EO部隊から通信。帝都上空へ到達。いよいよだ。
『マリス様、帝都上空へ到着しました。これより帝城へと爆撃を開始します』とカル爺。今回はEO15機を投入。5機づつ3隊に分けて1番隊をカル爺が2番隊はアルカス、3番隊はマルスが率いる。
EO各機には爆弾が6発。合計で90発まずは落とす。
「了解した。成功を祈る」と返す。
1番隊の5機は予めに決めていた帝城爆撃コースへと進入。演習通りに爆弾を投下。
30発もの爆弾が1発も外れずに帝城へと着弾。
凄まじい爆音と共に帝城は崩れる。帝都の民はその爆撃音を聞いて建物の外へと飛び出し帝城を見ると、そこには半分破壊された帝城が煙に包まれながらガラガラと音を立てて崩れる。
そこから数瞬立たずにまた爆撃音と共に民の目の前で帝城は崩れさる。呆然として眺める民は現状を把握するとパニックに陥り帝都から逃げ出し始める。
そこにまた30発の爆弾が止めの爆撃を帝城に降り注ぐ。
マルスが載るEOは爆撃後の帝城を見て完全に壊滅したのを確認、マリスへと報告する。
『マリス様、帝城の壊滅を確認しました。これから補充に向かいます』
「了解だ」ヨシっ、ここまでは順調だな。目の前には1番隊の機体へと爆弾が換装作業がされている。
「マリス様、どうですか?」とカル爺。
「マルスから連絡があった。帝城は壊滅した」
「では次は貴族街ですな」
「ああ、頼むぞカル爺」
「分かりました」笑うと換装の済んだ機体へと向かう。2番隊の換装作業が始まると1番隊は飛び立つ。そして入れ違いで3番隊が着陸してくる。
しばらくすると、
『こちら1番隊。これから帝都貴族街に攻撃を開始します』とカル爺。
「了解だ」
横に広がり飛行する5機の1番隊は同時に貴族街に爆撃。貴族の屋敷を破壊していく。直ぐに2番隊、3番隊と続き爆撃。
その光景を見た民は次はこちらかもしれないと思い更に混乱。帝都を何とか出ようと帝都出口に集まり渋滞する。
5回程繰り返し貴族街を爆撃。完全に貴族街を壊滅させる。これにより完全に帝都の機能は麻痺して沈黙。
これで今回の作戦第一弾は完了となりEO各機はキングラプターの場所へと降り立つ。
「マリス様、作戦完了しました」とカル爺。
「良くやった。まずは休んでくれ、これから辺境伯様に連絡する」
宣戦布告を行った帝国本陣では、
「マドリア男爵軍とリード子爵軍が撤退を申し込んで来ています」
「何とかならんか?」
「どちらも頭首が亡くなっています。しょうがないかと」
「他の者達はどうか?」
「他にも頭首が亡くなった部隊が5件ありましたが、子息が従軍していて何とかなっていますが他に指揮官級の者が100人は亡くなっています」
「王国か?」
「そうだと思いますが、王国陣内にはそれらしき動向は見られません」
「開戦できる状態に整えるのにどれ位掛かるか?」
「後1日程で」
「そうか・・」と皇帝は溜め息を吐く。
翌日、これから開戦だという時に、
「伝令です!」と帝国本陣に早馬が近づく、
「伝令!帝都が襲撃されました!」
「な、何だとそれで被害は」
「も、申し上げます。帝城は壊滅し貴族街も壊滅。帝城にいたと思われる宰相や皇太子殿下、皇女殿下以下行方不明となっています」
「馬鹿な!」と手に持っていたカップを地面に叩きつける。
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