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#91

10月になると今年最後の収穫で忙しい。今年も去年と比べてかなりの収穫量があった。開拓民達も笑顔が絶えない。


トラッターの生産も忙しいが他の物も作成した。EOが10機まで増えて騎士・兵士が使うコングは8機。ライデンナイトは6機で内1機はカル爺専用機になっている。


10月中旬になるとヨネン達が訪れた。このタイミングで収穫祭を実施。夜通しのどんちゃん騒ぎで大いに盛り上がり。男衆は奥様方に怒られていた。


ヨネン達が帰り執務室でマッタリしている時にそれは起きた。


マップに反応。魔の森奥から大量の魔物がこちらへと向かって来ている。


「!、サバスはいるか!」


「はい、マリス様ここに」


「緊急事態だ!魔の森から魔物が大量にこちらに向かって来ている。カル爺に知らせて防御に当たらせよ。開拓民達はここ領主館に集まる様に知らせてくれ!」


「はい!わかりました!」と走って出ていく。


外に出ると少しづつだが開拓民が集まって来ている。


「カル爺!」


「マリス様!我々はライデンナイトで迎撃に出ます」


「分かった。俺も試作のライデンナイトで警戒にあたる」


「では」とカル爺は出ていく。


決められた通りに、土魔法で堀に架けられた橋は全て落として、門を閉めてその上から土魔法で扉を石で覆う。


ガロン達はコングとユーボⅡで迎撃に出るようだ。


魔物の先頭が外壁近くへと到達。カル爺が乗るライデンナイトの剣が走り一刀のもとに斬り伏せられる。


マップに反応!巨大な魔力反応がこちらに近づいてくる!


試作のライデンナイトの魔導ジェットスラスターを噴かして上昇すると、その巨大な身体が見える。


ドラゴンだ。


赤い体躯に体長が120mはあろうかという巨体だ。頭には角が4本。金色の目がこちらを捉える。不味い不味いと本能が警鐘を鳴らす。


このままではライデンに被害が及ぶ!咄嗟に機体を操作してドラゴンの鼻面を掠めるように飛行。


勘に触ったらしくドラゴンが咆哮。大気を揺らす。やばい。


とにかくライデンから離れるために農地側へと飛行。ドラゴンは悠然と飛行してついてくる。


10㎞程ライデンから離れると焦れたドラゴンが口に魔力を収束させる。これはヤバいぞブレスが来る。


ドラゴンの口が開かれてブレスが吐かれる。魔導アフターバーナーを全力で起動して回避。近くを高温のブレスが通り過ぎる。


更に連続でブレスを吐かれるが何とか全て回避。


ここでまたドラゴンが雄叫びをあげる。ビリビリと大気が振動して一瞬機体が硬直。そこに急接近して来たドラゴンの尾が迫る。何とか回避したがギリギリだ。


またブレスだ。避ける避ける。この短い間で気になる事がある。ドラゴンがブレスを吐く前に角が光るのだ。もしかしてアレが媒体となってブレスを吐いているのか。


試して見るしかないと機体をフルブーストしてドラゴンに接近。ドラゴンは不意を突かれたのか接近に成功。魔導サーベルの出力全開にして4本の角の1つに切りつける。


ブォンと魔導サーベルが唸り、角に食い込み切断。


ドラゴンの怒りの咆哮。不味い。機体が硬直する。


そこにドラゴンが身体を素早く回転させて尾で攻撃をしてくる。避けられない!尾が迫る機体左側に全力で魔力障壁を展開するが、


ズガァーンと尾を喰らい、地上に投げ出される。何度も地上でバウンドして木々を薙ぎ倒して止まる。視界に表示される機体は左側が真っ赤で危機的状況なのがわかる。他の場所も被害があり満足に動く状態では無い。


ドラゴンを見ると勝利を確信しているのかゆっくりと近づいて来て口を開ける。魔力がドラゴンの口に収束していく。参った。ここで終わりか?と思ったときにマップに反応。


大きな魔力反応が2つ近づいてくる。目の前のドラゴンも気づいたようだ。近づいてくる方向に振り返る。心なしか震えている様にも見える。何だ?何がくる?


見えて来たのは目の前のドラゴンよりも大きなドラゴンだ。


1頭は限りなく白に近いグレーで体長は300mは超える体躯で角は6本。もう一頭は漆黒の体躯で体長は500mは超える。角は10本。


グレーのドラゴンは赤いドラゴンに近づき首を掴むと、その尾で赤いドラゴンを叩く。凄い音がする。赤いドラゴンも涙目だ。


グレーのドラゴンは赤いドラゴンの首を掴んだまま魔の森へと帰って行った。助かったのか?


でも待てまだ漆黒のドラゴンがいる。こちらを見ている。何となくハッチを開けると漆黒のドラゴンが近づいてくる。ヤバいのか?でもマップ表示は黄色だ。なら大丈夫か?


何を考えているのか黒いドラゴンはこちらを見ている。その瞳には高い知性と深い思慮が窺える。思わずゴクリと唾を飲み込む。


何か納得したのか、こちらに近づき何やらグルルルと唸ると自分の鱗を剥いでこちらに投げてくる。デカイよ鱗!このライデンナイトよりデカイ鱗が近くに刺さる。お詫びのつもりだろうか?


すると用はもう無いとばかりに上昇すると魔の森へと去って行く。


助かった。死ぬかと思ったよ。いや、あのままでは確実に死んでいたな。


『マリス様、ご無事ですか』とカル爺から通信。


「かろうじて助かった。動けないから迎えに来てもらえると助かる。そちらはどうだ?」


『こちらは2頭の巨大なドラゴンが現れると魔物は魔の森へと逃げて行きました。こちらは大丈夫です。分かりました、今すぐ向かいます』


30分もしない内にユーボⅡとコングが現れてカル爺の乗るライデンナイトも姿を見せる。カル爺はハッチを開けて、


「マリス様、これは派手にやられましたな」


「ああ、死ぬところだった」


「それでドラゴンは?」


「2頭の巨大なドラゴンに連れて行かれたよ」


「命拾いしましたな」


「その通りだ。あんなのと戦うのはもう懲り懲りだ」


何か対抗策を考えないとダメか?ハァ〜頭が痛い。 

お読みいただきありがとうございます。


誤字報告ありがとうございます。感謝とお詫びを込めて17:00にもう1話投稿します。


少しでもおもしろいと思っていただけましたら、ブクマ、評価をお願いいたします!

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