#83
「マリス様!それはなんですか?」と目を輝かしたガロン。
「さっき出来たばかりの試作機だ」
「そうなんですか?これは俺が試運転を協力しても良いですか?というかさせて下さい」と圧が凄い。
「あ、ああ、良いぞ」と圧に負けて駐機姿勢で両膝を付いて低い姿勢となると降りる。素早い動作でガロンは操縦席に座ると動き出す。それもウッホウッホと。ああ、これの名前決まったわ。
2脚試作魔導機“コング”だ。
気がついたらもういない。農地の方に行ってしまった。
夕方になるとガロンが帰って来た。勿論、ダロス付きで。仕方が無いのでもう一機作成する。用意できるは明後日だぞ。お前もだガロン。なんだえーと言う顔は不満なら乗らなくても良いぞ。と言うと待つと言う。
翌日の朝はカル爺、アルカス、マルスを呼んでコングを見せる。3人は興味深そうに観察して交代しながら試乗する。
3人とも満足そうだ。一応これは、あの大陸で言うと冒険者ギルドにあった物を予想して作った物だと説明。これからガロンとダロスによる試運転によりデータを蓄積して軍用の4mサイズの物を作ると約束した。これはあくまで対帝国用では無いので優先度は低いが今後の事を考えて作る予定だ。あの大陸に乗り込む際には必要かもしれないからな。
軍用は考えられる装備を全て投入して作る。これは絶対だ。決してロボ好きだからでは無い。多分。
カル爺達にはこの仕様でも良いので1機お願いされた。勿論了承。
その日はその後コング2機を作成。装備にガロン、ダロス用にコングに合わせた両刃の斧とカル爺達用に剣と槍、盾を用意した。
ガロン、ダロス用のコングには大きめのバックパックを装備して物を運べる用にして近距離念話通信と遠距離魔導通信機をカル爺達に渡す機体も含めて装備した。
カル爺達に渡すコングのバックパックの仕様は運用後相談して決める。
翌朝には笑顔なガロンとダロスがコングと装備を受け取り農地方面へと飛び出していく。カル爺も現れてコングと装備を受け取り騎士・兵士待機所方面へと向かう。
研究用にも1機作成するかな?少し使ってみたいアイデアがあるんだよね。
と工房に向かい我慢出来ずに作成し始める。
基本的構造はコングをベースに考える。ステンレスの骨組みを錬金術、錬金鍛治を駆使して作成。体高は4m。軍用と思われる機体を思い描き構想。
動かせる関節は多めで人体に近い構造。魔銅布を各骨格に巻いて擬似的に肉体内部を模す。
外骨格は片側だけでは無く両側に装着。両腕、両脚に全部にだ。マザーコアは低級上位魔晶石、更にプラナを高次元結晶化させたプラクリスを10個配置して演算処理を分散並列処理。ここに記憶用の低級下位の魔晶石を記憶媒体として使用。
胴体座席部は機体が4mの全高になり大型化した為に余裕があり、ここに先程用意した制御基盤を座席後ろに配置。その横に燃料用魔石1個10MPの物を5つで1セットで4セットを組み込む。
外装を魔導ジュラルミンで覆っていき、今回の機体は完全に密閉式となる。前部胴部がハッチとなって上から前へと倒れる形で開く。顔に当たる部分には固定された流線形の頭部が付いていて目にあたる部分は左右抉れて溝となっている。
全体的に丸みを帯びた姿だが手足は長くスタイルは良い。色は濃いグレーに塗装。胸部ハッチは黒になっている。
これで機体は完成だが。制御基盤から記憶媒体用魔晶石を取り出して魔法陣を記憶させていく。これは考えれる使用可能な物を全て記憶させた。それを機体に戻すと制御用マザーコアである魔晶石に手を当てて起動させるとブーンと低い音がなり自立する。機体を吊るしているワイヤーを外して機体に乗り込む。ハッチは閉めない。
操縦席に座り左右の魔銅操縦桿を握る。深呼吸。スゥーハァーと吸って吐いてを繰り返し目を瞑り精神統一。
魔銅操縦桿から魔力を使いマザーコアとシンクロ。するとマザーコアである魔晶石が光輝きヒューンと小さい音で唸る。
マザーコアを経由して記憶媒体用魔晶石にアクセス。記憶した魔法陣を使いたい方法をイメージしながらマザーコアに関連づけていく。マザーコアは子コアとなるプラクリス10個を使い演算処理してイメージを具体化して定着させていく。するとマザーコアは大きく輝き、一時機能が停止して数秒経つと再起動。すると・・、
ハッチが閉まり目の前に色々な情報が羅列されて整理されると機内が明るくなる。
閉じていた目を開けるとハッチが閉じているのに外が見える。左右に首を振るとそちらも見える。外からみると顔にあたる部分の左右に広がる幅の広い溝に白い光球が見える。それが上下左右に動いている。
少したつと機内の空気がリフレッシュされて操縦者の好む環境へと変えていく。
「魔法戦闘モード」と呟くと視界にレティクルが浮かび残存魔力と使用可能魔法が羅列される。目を目標に向けるとレティクルが動き追従する。
「ロックオン」と呟くとレティクルが目標物に固定される。「ロック」と5回続けて呟き5目標を追従。「魔法戦闘モード解除」というとレティクルが消える。
機体全体に循環している魔力を増やし、外部装甲を魔力障壁で覆う。左腕前腕甲側を前に向けて、
「シールド」と呟くと緑色に輝く魔力の盾が形成される。色が付いているのはカッコ良いから。意味はない。
次に腰部に装備された両手で握ると少しはみ出るぐらいの丸い棒状の物を右手で持つ。
「ソード」と呟くとその持った棒状の物から魔力の棒が伸びる。「斬撃付与」と呟くと黄緑色に発光。近くにあった丸太を簡単に切り裂く。その切り口は滑らかだ。魔力を元に戻して腰に棒状のものを戻す。暫定的に魔力ソードと命名。
工房の中を歩き出す。コングのデータによりスムーズに歩行。工房の扉を開く。
「光学迷彩」と呟くと機体は消える。消えたまま工房の外へと向かう。
「消音」と呟くと機体から発する音や歩行音は聞こえなくなる。工房から走り出してライズ方面の外壁へと向かい直前で屈んで跳躍して、
「スラスター」と呟くと機体周囲から下へと風魔法で風が発生して機体を持ち上げる。悠々と高さ15m程の跳躍になり外壁と堀を超えて着地。操縦席には振動や衝撃はない。
ライズ方面へと走る。
「ジェットスラスター」と呟くと無魔法で筒が2つ作成されて、その中で火魔法で圧縮された火が下方へと放出される。その時に風魔法により空気が圧縮されて下へと解放されるとそこに火魔法により燃焼された炎が空気により爆発的に燃焼。機体を暴力的に上空へと持ち上げる。
グンっと上昇した時に操縦者にGがかかる。更に燃焼加速して上昇。細かなスラスター噴射により姿勢を制御して飛行。高度が100mを超えた所で自然落下。スラスターで降下を遅らせつつ着地姿勢をとる。着陸寸前に強めにスラスターを噴かせて着陸時の衝撃を和らげる。成功だ。イメージ通りに動かすことが出来た。やはりこう言うのは地球でアニメを見てた世代はイメージがしやすい。その鮮明な描写が魔晶石へとフィードバックされて魔法でイメージ補完して実行して成功した。
異世界って凄いな。これはまだ誰にも見せられない。俺の収納へと保管だ。
お読みいただきありがとうございます。
17:00にも1話投稿。
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