#08
今日もアラームの音で覚醒。顔を洗い身支度をする。
朝食を食べたら棚を確認する。あったあったと岩塩でも入れていただろう小さな壺を取り出す。取り出した壺を水で丹念に洗う。
次に鍋小に水を入れ火にかける。沸騰したら壺を入れて熱湯消毒する。
熱湯消毒した壺を取り出して冷ます。冷ましている間に採取した熟したアケビを洗う。洗ったアケビをナイフでカットして消毒した壺に入れ水を入れる。壺の口を綺麗な布で蓋をして紐で縛る。これでうまくいけばアケビ酵母ができる筈。小麦粉が手に入ればふっくらとしたパンが食べたい。酵母が上手く育つ事を願う。
出かける前に館に寄って蓋付きの鍋を一つと小さな壺を2つと中位の壺1つ用意してもらい離れへと運んでもらう。
正門を潜り今日は裏山へと向かう。今日の採取物にハチミツを加える。上手く見つかれば儲けものだ。
午前中は少しのマップ埋めとスライム退治、ラックバード退治と順調だ。
昼食を食べたあともマップを埋めながらハチミツを探す。勿論、スライムも見つけたら退治している。
帰ろうかと思った所でマップに反応。ハチミツだ。10m程歩くと3m先にある木に大きな蜂の巣がぶら下がっている。周りには蜂がブンブン飛び回っている。見つからないように身を潜めてハチミツを収納。
問題無く収納できた。蜂の巣をみると少し騒がしくなったがこちらには来ない。そのまま後退りして引き返す。また採取しに来よう。
離れに帰ると小麦粉の入った袋、大体20kg位かな?と小さな壺に岩塩。蓋付きの鍋に中位の壺1つに小さな壺が2つ運ばれていた。
夕食は焼いて収納していた鶏肉とスープで腹を満たした。
新たに増えた蓋付き鍋に水を入れ火にかけて水を沸騰させる。沸騰したお湯に小さな壺2つを入れて熱湯消毒する。20分程でお湯から取り出して冷ます。
冷めたら水気を拭き取り1つは収納。もう一つに採取したハチミツを入れる。採取したハチミツの4分の3ほど入った。みると300mlほどの量。もう一つの小さな壺を取り出して残り100ml程度を入れる。これは館に納めるかな。
次に火にかけていた鍋のお湯を捨てて精米した米約3合入れる。鍋を持って外に出て鍋に水を入れて少しかき混ぜて水を捨てる。これを2回繰り返す。
また水を入れてかき混ぜながら米を洗い水を捨てる。これは3回繰り返す。
水を入れて米を浸漬させて1時間ほど寝かせる。
竃に火をつける。鍋の中を確認して大体で水量を調整。これを目安に柔らかければ次回は少なく硬ければ水を多くする。今回は大体で。
鍋を火にかける。この時火は強火だ。沸々と沸騰してきたところで蓋を開けてスプーンでかき混ぜる。そして更に火にかけて沸騰させる。沸騰したら薪を減らして弱火にする。あとは耳をすませて音がパチパチという音に変わるところで火のついた薪に風を送り強火にして1分程で鍋を厚での布を敷いた机の上に置く。このまま20分程蒸らす。これで完成だ。前世ではソロキャンプで鍋で米を炊いていたのが異世界で役に立つとは。
蒸らしが終わり蓋を開けてスプーンでかき混ぜる。良い匂いだ米艶も良いね。上手く炊けたみたいだ。おこげも出来ている。
一掴み食べてみると、
「美味い」あー懐かしい味だ。勿論日本の厳選して改良された米には敵わないが米を食べられただけで感動ものだ。
あとは皿と砕いた岩塩を出してせっせとおにぎりを握っていく。シンプルに塩結びだ。
少し小さめだが5歳には十分の大きさのおにぎりが10個出来た。すぐに温かいまま収納する。明日が楽しみだ。
寝る前にハーブ茶にハチミツを入れて飲んでみる。
「これも美味いな」ハチミツの優しい甘さが温まる。美味しい。
魔力を枯渇させて就寝。
アラームの音で起きる。
顔を洗い。着替えると朝食にする。
今日は塩むすび1個とスープ。美味い美味い。
朝食を食べたらお出かけだ。正門を抜けると今日は少し下った先にある主村モラニデ村へと行く。このモラニデ村は規模としては村以上町未満の規模だ。今ひとつ大きくなれない。
その原因に特産物が魔物由来の素材しか無いからだ。それも冒険者ギルドは無く魔物討伐は全て男爵領の騎士と兵士が行うため、定期的に素材は提供されるが奥地まで入って希少な素材までは採ってこないので他の領との差別化ができないでいる。
村について歩く。まずは店を見る。
雑貨屋に入ると日用品がズラリと並ぶ。村というには品揃えが豊富だ。
「らっしゃい」と温厚そうなおじさんが声をかけてくる。折角なので懐から出す振りをして収納からラックバードの魔石を5個出してみる。
「おじさん、これ売れる?」と差し出すと、
「う〜んそうだな。1個200ギルで5個で1000ギルの銀貨1枚だけど良いか?」
「あっ、それでお願いします」と銀貨1枚受け取る。
1ギルは日本円で1円に相当。10ギルで1銅貨、100ギル銅貨10枚で1000ギル銀貨1枚、10000ギルで大銀貨1枚、100000ギル大銀貨10枚で金貨1枚、1000000ギル金貨10枚で大金貨1枚、1千万ギル大金貨10枚で白金貨1枚、1億ギル白金貨10枚で大白金貨1枚となる。
まぁこの辺で見かけるのは金貨までだろう。それも稀だ。
次は作物や干し肉を扱う商店だ。塩や油も置いている。
中を見渡して白菜のような野菜2つと玉ねぎ的な何かを4つ程の数を買う。これで銅貨1枚。安い。
ふと店を出る際に店の外に置いてある野菜が目に入る。勿論鑑定。
な、なんと甜菜だ。店主に聞くとどうやら家畜用の餌だという。これを10本で1銅貨で買う。
全て大きな布にくるみ背負う。重心が高いので初めはフラついたが慣れれば重心が高い方が楽だ。
一時離れへと帰宅。中に入り買ってきた物を収納する。
昼食を食べたらまた村へと散策に行く。
次は鍛冶屋。中に入ると生活道具の鍋やフライパン、ナイフが置いてある。剣は2本無造作に立てかけてあるだけだ。奥からは鉄を叩く音がする。特に用があるわけでは無いので店を出る。
次は調剤屋だポーションや生活薬を置いている。ここには下級ポーションと下痢止めや簡単な傷塗り薬に風邪に効く薬などがあった。ここも特に用は無いのですぐに出る。
あとは少し村の中を散策して帰りに雑貨屋で小さな壺を2つで銅貨2枚で購入する。
さて帰宅だ。
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