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#65

翌日朝、ワンボックス型のトラッターでライズに向かう。同乗者は辺境伯様にアルヴィンとカル爺だ。


30分程度でライズに到着。門を開けてライズの中に入る。トラッターから降りると、


「ほう、ここがライズか」と辺境伯様。


「裏の山が鉱山でそこから鉱石を採掘してここで加工しています」と工房へと歩いていく。そこで精錬された地金を見せる。現物を手に持ちながら鉄、アルミ、ジュラルミン、超々ジュラルミン、魔導ジュラルミン、ステンレスと機能の説明。


次はコークス炉。


「これは裏の山で取れたこの石炭という燃える石を加工する炉です」と石炭とコークスを見せる。


「従来の鍛治では加工出来なかった金属がこのコークスで加工可能となりました。多分ですが他の国に比べてこれだけでも10年、いえ、そうですね100年は進んでいるかと思います」


「そんなにか?」と驚く辺境伯様。


「なのでここも秘匿しています」


「なるほど」と納得顔の辺境伯様。


最後に倉庫に行き複座のイーグルワンと試作機をトラッターで引き出す。試作機は塗料を塗っていないので銀色に輝き、イーグルワンは薄いグレーに塗られてロービジ化されている。


「こちらの銀色の機体が試作機でグレーの物が複座の量産試作機になります。この量産型ももう最終段階で殆ど完成しています」とイーグルワンに手を当てて説明する。


2機ともトラッターで道に引き出してマリスがイーグルワンを操縦して後ろに辺境伯様が乗り、試作機はカル爺が操縦、後ろにアルヴァンが乗る。


マリスが乗るイーグルワンは徐々にスピードを上げると空へと舞い上がる。後ろに乗る辺境伯様は驚くあまり声もないようだ。


カル爺が操縦する試作機も飛び立ちイーグルワンを追従するように飛行する。


『マリス様、何処に向かわれますか?』と念話が届く。


「なんだ!カルの声が聞こえるぞ」と辺境伯様が騒ぐ。


「これは念話というスキルを魔導化した物で、このように離れていても通信できます」と説明。


「カル爺、海へ向かおう」


『了解しました』と返事。後ろで「海だと?」と言っているが無視。30分も掛からずにポセイド上空に到達。


「父上、ここが海にある拠点のポセイドです。今は誰もいませんが」


「ライデンからここまでの距離はどれくらいだ?」


「大体250㎞位ですね」とマリス。


「そうかそんなにか。それがこんな短時間で辿りつけるとは信じられん」と驚いているようだ。


少し海上を飛んだ後にライズへと帰投する。


ライズで持ち込んだ昼食を食堂で食べるとカル爺が地図を広げる。


「父上これを見てください」と地図を見せる。


「これはこの周辺の地図だな。正確なのか?」


「はい、かなりの精度で作成されています。勿論、魔の森の中心部や帝国の地図は伝聞を纏めて予想で書いてありますが」


「そうか、魔の森はやはり大きいな。ここが魔の山か、ここまではどれくらいだ?」


「魔の山までは目測ですが250㎞前後かと、そこからさらに250㎞で帝国でしょう」


「では魔の森の上を飛ぶのか?」


「いえ、魔の山周辺で巨大なドラゴンが複数飛んでいるのを確認しています。無理ですね。ですがこちら」と海を指差す。


「この魔の森からの延長線上の海は魔力が濃く、水中には複数の大型魔物が存在している様ですが空にはいません。そこを飛んで通り」ぐるっと海を指差しながら帝国領土まで指を動かす。


「帝国領内へと飛んでいく計画です」


「なるほどな。本当に可能なのか?」とマリスを睨む。


「可能です」と辺境伯の目を見る。


「そうか、帝国へはどれくらいで到達できる?」


「あのイーグルワンの速度が最高速で時速700㎞を超えます。大体、このライズから帝国沿岸までに1時間と少しで到達。更に帝国領内に入り多分ですが1時間程度で帝都へと辿りつけるかと思います」


「2時間と少しか、3時間と考えても良いな。あの魔導機の武器はなんだ?」


「それは今は魔導機関銃という火器が積んであり金属を打ち出して攻撃できる物とまだ構想段階ですが爆弾という物を考えています。この爆弾という物は空から投下して地上に達すると爆発、その爆発した威力で半径20〜30mの範囲の物を粉砕します。かなりの威力になり帝都の帝城も数発で粉砕できると考えてください。あと対人用も考えていますが爆弾が完成後に着手する予定です」


「分かった。それは完成したら見れるか?」


「はい、大丈夫です」


「これも秘匿だな」と辺境伯とアルヴィンは顔を見合わせて苦笑する。


ライデンに戻り、残りの日程は無難に乗り切り辺境伯様御一行はアーナンテ領都へと帰っていった。


「なんとか乗り切ったな」とカル爺に声をかけるが、


「全部知られてしまいましたが」とつれない返事。ハァ〜と溜め息1つ吐いて、


「まぁ、協力は得られるという事で納得しよう」


「そうですな」


ああ、疲れたよ。何か美味しいものでも食べて気分転換しよう。 

お読みいただきありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[一言] ファンタジー感は魔法のみか
2021/09/06 11:18 退会済み
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