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#63

翌朝、マリスはカル爺と話し合う。


「何処まで見せるか?どうやら昨夜アルヴィンに何か見られたらしい」


「はい、アルヴィンはガロンとダロスの義手と義足。それに食堂の魔導具類をさり気無く見ておりました」


「そうか、それはしょうがないな」


「ユーボ、トラッター、バイクは見せても良いかと、しかしEOは隠したいですね」と渋い顔でカル爺は言う。


「そうだなユーボ、トラッター、バイクは勿体ぶって見せよう。そこで終わりであれば御の字だ」


「そうですな。そうしましょう」とカル爺は部屋を後にする。


辺境伯様と朝食を済ますと今日は朝から農地へと視察に行く。アルヴィンもカル爺と共に玄関で待っていて合流して前庭に出ると、そこにはガロン、ダロス、アーネン、マッキの4人がいる。


「あのマリス様」と代表してガロンが話してくる。ああ、ユーボか。一度、カル爺を見るとカル爺は頷く。


「良いぞ」とガロンに言うと4人は前庭にある大きな倉庫を開けると中に入っていく。それをなんだなんだと辺境伯とアルヴィンが見ていると中からユーボⅡが姿を現す。


ガロンのユーボを先頭に領主館の門を抜け農地方面へと姿を消す。唖然と見ていた辺境伯とアルヴィンはやっと正気を取り戻すと、


「あれはなんだ?」と辺境伯はマリスに詰め寄る。


「あ、あれは開拓用の魔導機です。不整地を移動する能力と木を切り、切り株を除去。畑を耕す能力もあり、牽引すれば荷台も運べます」と説明。アルヴィンもカル爺から説明を聞いているようだ。話をしながら領主館の門を潜ると倉庫の方に人だかり。近づくと開拓民達が何か困っているようだ。話しかけると皆倉庫を見る。そういう事かと、ヨネンには見られている事を思い出して今更かと、


「良いぞ」と声を掛けると皆んなホッとしたように倉庫を開けて準備を始める。中から2台のトラッターが荷台を牽引して現れると、開拓民は手荷物を牽引荷台に乗せて自分たちはトラッターの荷台へと乗り込んでいく。全員乗ると農地へと走り去る。マリスは振り返ると、


「あれも魔導具か?」と辺境伯様。


「は、はい、あれも魔導機です。あの様に人や物を乗せて運ぶことが出来ます。収穫期などは収穫物を運ぶのに重宝しますね」と顔を背けながら説明する。農地側の門へと歩いて行く。


門を出ると広大な農地が見える。おお、大分広がった様だなと後ろを振り向くと、唖然としている辺境伯とアルヴィン。あちゃ〜と頭を抱えるが後の祭り。


「こ、これはどう言うことだ。マリス」と辺境伯様。


「え〜と魔導機の力と魔法ですね」と諦める。カル爺を見て地図を取り出すと周辺を説明。


「こんなにか?」


「昨季はここまでで今季はここからここまでです」と説明。


「昨季はここまでということはかなりの収穫ではないのか?」


「そうですね」と目を背ける。


「これ程とは」と絶句状態のアルヴィン。


「だから人が足りないと言うのだな」と納得顔の辺境伯様。


「はい、現状ではかなり足りていません。できれば補充の人員が欲しいです」


「それはこの視察が終わり次第手配しよう」とアルヴィンに確認するとアルヴィンは頷く。


「そうだな12家族ほど送ろうか」


「そんなにですか?良いのですか?」


「ああ、前回の開拓民募集の時も殺到してな。カルを慕う者も多かったがお前の母親を慕う者も多くてな」と遠くを見て寂しそうな顔をする。


「そうなんですか」



次に一台トラッターを用意して農地を視察して昼にはライデンに戻り昼食を摂る。その後は辺境伯のリクエストによりマリスが運転してトラッターでコルニデへと向かう。助手席には辺境伯様、荷台にカル爺とアルヴィン。


時速60㎞で石畳の道を走る。30分もすると到着。これには辺境伯もアルヴィンも驚いている。コルニデの開拓民も驚いていたが辺境伯様の姿を見ると納得してUターンしてライデンへと戻る。


その帰りの道中は質問攻めだったのは言うまでも無い。この改良されたトラッターは時速90㎞巡航で走れる。まぁ道さえ整備されていればだが。なので約1時間でモラニデへ、更に1時間でアーナンテ領都へと着くことが可能だ。


それを説明するとなぜこれを用意したか辺境伯は分かった様だ。


「ではあれか。これは帝国が攻めて来た時に迅速に動ける様にか?」


「そうですね、ここは辺境も辺境です。これがあればその日のうちに戦場に駆けつける事が可能となります」


「なるほどな、だから秘匿していたんだな」


「そうです」


ライデンに着くと昨季の収穫量やトラッターについて説明。まだ試作段階でやっと開拓民レベルなら使える様になったと説明。今現在は騎士団用のトラッターも開発中であるとも説明した。


なんとか納得してもらい、夕食の時間となる。


この日の夜も盛大に飲み食べて騒ぐ。騎士や兵士は久しぶりに会うためか楽しそうだ。お前ら昨日も騒いでいたろうにと思うが大人だから言わない。8歳だけど。


そんなこんなで今日も終わり。


魔力枯渇しておやすみなさい。

お読みいただきありがとうございます。


誤字報告ありがとうございます。最近の誤字報告をクリックする前の心境は答案用紙が返ってくる前を思い出します。その度にグハァ〜とかウガァ〜とかダメージ受けています。


そんなお詫びと感謝に17:00にもう1話投稿します。


少しでもおもしろいと思っていただけましたら、ブクマ、評価をお願いいたします!

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