表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/158

#05

「不服は大有りだがしょうがないね。行くよ。正妻の犬の騎士さん。ワンワン」


「!」


「じゃあ、案内よろしく」と言うと顔を真っ赤にした騎士が先頭に立ち演習場へと向かう。


5分ほど歩くと無駄に広い演習場に着く。まぁ辺境の男爵領だから土地だけはあるよな。演習場中央奥には全体を見渡せる櫓がある。あそこの上から演習の状況を見れば効率良さそうだな。ふむ、櫓にも兵がいるのか。ああコイツも赤表示か気をつけねば。


演習場中央手前に兵と騎士が集まっている。うむ、明確に敵対赤表示は櫓の兵士とノラスと一緒にいた騎士だけか後は黄色と・・1人青か。


「マリス様、久しぶりですな」と唯一青表示の老騎士。


「カル爺、久しぶりだね。元気だったか」


「ハイ。まだまだマリス様の御子を見るまでは死ねませんよ」


「ハハ、まだ 5歳だから長生きしないとね」


このカル爺は母さんが在命中に良く警護をしていた騎士だ。良く可愛がってもらっていた。本当の爺ちゃんみたいだ。もう60歳すぎているらしいがまだ矍鑠として元気だ。


「マリス!早く武器を選べ」とノラスが言ってくるので演習用の武器を眺める。


一般の成人兵士には小型だが 5歳の自分には大きな盾を選ぶ。


「これでいいぞ」と演習場中央へと向かう。ノラスと向かい合う。中央に審判役の騎士がいる。コイツは黄色。まぁ良いか。


「初め!」との声と共に剣を大きく振りかぶりノラスが突っ込んでくるが剣が盾に当たる瞬間後ろへと飛ぶ。


カキンっと音がするがコチラにダメージはなし。もちろん魔力循環を今日は多めに巡らせている。


そこから何度もノラスは切りかかってくるがダメージはなし。開始 5分経ったがもうノラスは肩で息をしている。さてもう少し弱らせるか。



「カル隊長」


「なんだ?」


「5歳のマリス様には酷では?」


「そう見えるか」


「?」


「良く見てみろ。ノラス様は一見攻めていて有利に見えるがマリス様は剣が盾に当たると同時に後ろに飛んで勢いを減じている。あれではノリス様は疲れるだけでマリス様にダメージは与えられまい」


「カル隊長、あれは剣速に押されて押し飛ばされているのではないのですか?」


「はぁ、まだまだだな。開始から 5分経ったがノラス様は肩で息をしていてマリス様をみろ。まるっきりダメージどころか疲れてさえいないだろ」


「あっ、本当ですね。ですがもしそれが本当ならどうやってマリス様はその技術を手に入れたのでしょうか?」


「どうだろうな。ただの天才かもしれんぞ」


「ハハハ、それはないんじゃないですかマリス様は文字化けスキルだと言うし・・」


「本当に只の文字化けならな。ほら、もう決着がつくぞ」




頃あいだな。ノラスが再度突っ込んできた所を盾の向きを斜めにして受け流す。受け流された剣は横に逸れて地面を叩く。その横あいから盾でバランスを崩したノラスを全力で弾き飛ばす。シールドバッシュ。


何も予想していないノラスはモロに盾の打撃を喰らいゴロゴロと転がって行く。倒れたノラスはピクリとも動かない。審判を見る。審判は慌ててノラスの状態を確認。


「勝者マリス様!」と告げる。ふぅと息を抜こうとした瞬間。マップから警告がある。櫓方面から高速で飛来する危険物を捉えた。


すぐに飛んでくる方向に盾を向けて構える。ドスっと盾に矢が刺さる。


更にマップから警告。後ろから接近する敵対赤表示。


直前まで櫓方面に盾を向けて、後ろに敵対者が近づいたところで横に大きく避けて相手を回避して足を掛ける。相手は受け身を取れずに剣を持ったまま倒れる。


そこにすかさず近づき顔面を全力で蹴り上げる。ガスっと音がして相手は白目を向き口から泡を吹いている。


次に櫓を見ると矢を番て放とうとしている。そこで右手に収納から鉛弾丸を収納から取り出して魔力で筒を生成、ライフリングを筒に刻み弾丸を包む。そして相手を狙い火魔法を発火。


パンっと乾いた音と共にライフリングに従い弾丸は回転直進して射手の左肩を貫く。射手は弓を取り落として左肩を抑える。


マップから警告音。確認すると青表示だ。振り向いて、


「カル爺!!」


カル爺はマリスの前に立つとマリスを庇うように敵対していた者達に剣を向ける。


「皆の者!!痴れ者を捕らえよ!!」


様子に気がついた騎士達がオロオロしながら寄ってきてカル爺に叱責されながら射手の兵と倒れている騎士を拘束する。


「マリス様、申し訳ございません」とカル爺は片膝をつき頭を下げる。


「良いよ。カル爺。最近だけどパンに毒を盛られたりしてたから警戒してたんだよ」


「!、そんな!誰がそんな事を!」


「毒入りパンを持って来たのは侍女のミルナ。どうやら指示したのは正妻様だね。母さんも正妻に毒殺されたみたいだね。ハッキリとは言わなかったけど間違いないよ」


「そ、そんな!わかりました今回の件だけでも徹底的に調べ上げます」と立ち上がり礼をして立ち去る。


とりあえずノラスも兵に担がれて行ったしもう良いかな。今日は一日スライム退治だな。



夕方ギリギリまでスライム退治。レベルはまだ上がらない。


離れに帰り身綺麗にすると夕食。美味いな。でも塩気と肉が欲しいな。


今日も魔力枯渇で熟睡です。

お読みいただきありがとうございます。


少しでもおもしろいと思っていただけましたら、ブクマ、評価をお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] おもしろい [気になる点] 命狙われてるのに魔力切れで気絶はまずい
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ