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#48

「あ、マリス様。ここにモロコシ4種置いてあります」と食堂の台所の一角を指す。


4種を確認後、それぞれを一掴みづつ小皿に分けて取り出し魔導コンロの前へと移動する。


コンロの上にフライパンを置いて薄くオリーブオイルを塗る、そこに1種類の乾燥したモロコシを入れて蓋をして中火で熱する。


少し経ち何も変化が無いのを確認すると熱したモロコシを皿に出す。


次にまた違う乾燥したモロコシを火にかけるも、また反応はなし。次も駄目。最後の1種類を火にかけるとポンっポンっと弾ける音がする。これは爆裂種だ。


「ヨシっ」と呟くと、音がしなくなった所で火から降ろして蓋を開けると白く膨らんだモロコシが出来ていた。そこに塩を振りポップコーンの完成だ。


少し多めに作って収納しておく。そうだ少し味を変えた物も何種類か用意するかな。



夜になると宿の食堂に商人や冒険者、そしてマリス等が集まり夕食となる。


今日の夕食はヨネンに渡す塩唐揚げのレシピで作ったものと、ラッシュボアの生姜焼だ。つまみにポップコーンを4種用意。


1つ目は普通に塩のみ、2つ目は塩とニンニクパウダーをかけた物、3つ目は塩胡椒したもの、最後に塩を振り甜菜砂糖を煮詰めてカラメルを作って絡めたものだ。


まずは普通に塩のみの物を出すと皆んなバクバクと食べる。好評だ。


ニンニクパウダーと塩胡椒は酒飲みに人気。最後の甘塩っぱいカラメル味は女子と子供に人気だった。


商人はこれにも飛び付きレシピを買えないかと言って来たので少し考えて了承。その代わりに名前をライデンコーンと名付けて売り出してライデンの宣伝もしてもらうことにした。



翌日は灼熱の牙の面々が話をしたいと言うので領主館の応接室で話をすることにした。今回はカル爺も一緒だ。


「あの男爵様、ここライデンに冒険者ギルドを誘致するつもりはありませんか?」と代表してスグロが喋る。


「う〜ん、今の所はないな。戦力的には騎士が3人と兵士5人が常駐しているからな。冒険者ギルドを呼ぶ程でもない」


「そ、そうですよね」と俯く。


「どうして聞いたんだ?」6人はお互いの顔を見ながら。


「え〜と俺らなんですが、ここが気に入りまして出来ればここを本拠地にして活動できればと」


「そうなんですよ!飯も旨いし、酒も旨い!それにこれから発展しそうだし」とクロイが言う。うんうんと他のメンバーも頷いている。そこに、


「僧侶のミクロ殿は調薬はできるのかの」とカル爺が聞く。


「ハイ、中級までのポーションや解毒ポーション、傷薬なら作れます」


「マリス様、彼らの了承次第ですがこの者達をスグロ殿、クロイ殿、ダン殿、マズ殿をまずは兵士として雇い適性があれば騎士に、アンナ殿は魔法師として、そしてミクロ殿は回復師と薬師を兼ねてライデン領で雇い入れるのはどうでしょうか?」


「そうだな。ライデン領も人手不足だからな」と言うと冒険者達を見て、


「どうだ。ここで雇われてみないか?」と聞く。


6人はそれぞれキョロキョロと顔を見合わせるが答えはすぐには出ないようだ。


「答えは直ぐに出さなくても良い。ここに雇われるとしてもヨネン達との護衛の契約もあるだろう。ここを出る時までに答えを出してくれればいい」


「分かりました」と代表してスグロが言うと6人は出て行く。


「カル爺、彼らはここに来るかな?」


「ははは、どうでしょうか?ですがここの良さは感じているはずです」と笑う。


「ふふ、そうか?じゃあ今晩も何か美味しい物でも作るか?」


「ははは、胃袋を掴むのは良いですな」と嬉しそうに笑う。



「なぁ皆どうする?」と宿の部屋へと6人は集まりスグロは問いかける。


「私は受けようと思うわ」とアンナ。あちゃ〜という顔をしながらクロイが、


「アンナと皆んなは良いけどよ。俺っちは騎士まではなれねぇと思うとな。一生兵士もなんだか気が重いな」


「騎士か確かに魅力的だな。今後何処か他の領で騎士になれるチャンスは無いと思うしな」とマズ。


「確かにな」としみじみ同意するダン。


「そうよね。私達は現在Bランク、ここまでは順調にランクが上がったけど中堅上位というところね。今後はAランクを目指すのも良いけどある程度若いうちに腰を据えるのも良いと思うわ」と僧侶ミクロ。


「皆んなの意見は分かった。俺もこの話には魅力を感じている。それにな、あの男爵だが何か他と違う気がするんだ。なんと言うのかな・・・得体の知れない何か。それだと悪く聞こえるかも知れないが今後大きな事を成し遂げる気がしてならない。その時に俺たちが関われれば面白そうだ。どうだろうか、クロイも不安はあるだろうが皆んなでこの話を受けてみないか?なんだかここの兵士も普通ではないんだよなぁ。分かるか?」とスグロが言い、


「ああ、分かるわそれ。妙に普通の兵士でも強いしどうやら魔法も使えるようなんだよなぁ」と何かを思い出しながらマズは話す。


「皆んなが言う事も分かる。俺も同意するっすよ」とクロイ。


「そうか分かった。みんなもそれで良いか?」と見回すと全員が頷いている。


「もう明日には返事をしよう。今夜にでも明日の予定に入れてもらう」

お読みいただきありがとうございます。


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