#32
アラームが鳴る前に起床。何か勝った気分になる。
短剣を持って外で素振りをする。今日はかなり寒いな。20分程素振りをすると離れの中に戻り、顔を洗ってから朝食を食べる。
身支度を整えたら温泉小屋へと向かう。1時間半程で到着する。
さてどうするか。
周りを見渡して小屋と温泉の敷地より広めにとり塀を設置しようと思う。そのために木を切って切り株も排除。1時間ほどで結構な広さを確保できた。
門の位置を決めたら土魔法で3mの石の塀を作成していく。地中の中も1mは石にして倒れたりしないようにする。塀の厚さは30㎝だ。これを休み休み4時間程で作成し終わる。
門の場所に木枠を取り付けて土魔法で固定する。切り倒した木から頑丈な門扉を作成。鉄でこれも頑丈な蝶番を作り門扉を取り付けてゆく。完成だ。
中からは閂で施錠ができる。外からは錬金術と土魔法で大きな南京錠を青銅で作ってそれで施錠可能だ。鍵は3本用意、一つは自分が持ちあとの2つは騎士団に渡す。巡回時にでも使って欲しい。
あとは家具だ。まずは4人掛けのダイニングテーブルと椅子を4脚作成。最後に2段ベッドを2つ作成。これで騎士達も宿泊できるだろう。
あとは裏手に魔法で乾燥させた薪を保管する木の小屋を作成して薪を積んで置く。
これで準備完了だ。
さて帰ろう。
数日が経ち年末となった。温泉小屋に行く前に温泉小屋の鍵を渡しに館へと行く。丁度、カル爺が居たので鍵を渡し温泉小屋の場所を教える。
あとは今日から年始2日まで温泉小屋で過ごす趣旨を伝えて館を出て温泉小屋へと向かう。
昼少し前に到着。中に入り門扉に閂で施錠する。これで安全だな。敷地内に異常がないか確認してから小屋の中に入る。
雨戸を開けて明るくするとストーブに薪を入れて火を点ける。トイレに行き洗浄用の水タンクに魔法で水を一杯にする。これで約4回水で流すことができる。
良い時間なので簡単に収納からパンとスープで昼食を摂る。食後はマッタリハーブ茶を飲む。至福の時だ。心地よい。
夕食まで勿論時間があるので魔導コンロの改良をしたいと思う。
試作で作ったコンロを収納から机の上に出す。コンロ外側を外して基板から火を出す魔法陣が描かれた魔石を取り外す。
魔石を2つ新たに収納から出して魔法陣を刻んで行く。今まで取り付けて居た魔石を中火とすると弱火用魔法陣と強火用魔法陣をそれぞれの魔石に刻む。次に火力を切り替えるツマミを作成。これは単純にそれぞれの魔法陣へ燃料魔石からの回路を繋ぎ変えるだけの簡単な構造だ。使う魔石の数は増えるが3つは消耗品ではないので大丈夫だろう。
コンロ外側も火力切り替えのツマミが取り付けられるように加工して被せると完成だ。
流しの横の作業台へとコンロを設置。大きさもコンパクトで持ち運べるのが良いな。今度は離れ用に3つ口コンロも作ろうかな。
今日の夕食は収納の作り置きを食べるので夕食の時間までは錬金術と魔導工学の勉強だ。使える魔法陣があれば使いたい。
実際の本で読みたいなとか考えていると・・・・ピコンと頭の中で音がする。ステータスを確認すると“書庫“というスキルが生えていた。なんだと思い確認すると錬金術スキルで脳内閲覧出来る書籍や資料を実体化して読むことが出来て書庫に保管できる。実際にある本や資料もコピーして書庫に保存する事が可能になる。実体化した本は5m離れると消えて書庫に戻るとセキュリティーもバッチリな有能スキルだ。
なんか簡単にスキルが生えるな。少し怖い。なんでだろうか?
と考えているとふと称号:異世界転生者が気になった。
ステータスを確認して称号:異世界転生者の部分を鑑定する。
“称号:異世界転生者・・・・取得経験値増加(※スキル経験値も含む)、スキル取得難易度軽減“
と出た。これが原因かぁ。少しスッキリした。でもこれはバレたらヤバイなステータス開示に表示されないのが救いか。問題は鑑定スキルかな。
どうにかしてステータス隠蔽系のスキルを手に入れよう。どうすれば良いんだ?分からん。まぁ今すぐ必要というわけでは無い。ゆっくり考えよう。
さてと書庫から適当な錬金術関連の書籍を実体化して読む。その前にハーブ茶を用意してマッタリと読書だ。
2時間ほどが経過。ふむふむ読んだ書籍はゴーレム関連の書籍だった。通常の魔石で作るゴーレムは部位程度しか動かすことが出来ず、動作も繰り返しの単純な反復動作しか出来ない。とあった。但し、術操作者が直接触り動作させる事は可能だと書いてある。でも大体の場合は自分で作業や動作した方が早いと締め括られていた。まぁそうか、この世界は身体強化や魔法が使える世界だからな。
また、複雑な動作をさせる場合には魔石では無く生成された魔晶石という物が必要で、その魔晶石にプログラムみたいに術式を構築して内部に書き込む必要があると、拠点防衛などの自律して行動するゴーレムの場合は限定された場所での運用で複数の魔晶石を使い複雑な術式を構築する必要があり、その場合には複数の動作制御用の魔晶石以外に行動記録の魔晶石が必要で動かしながら少しづつ行動動作を記録・整理して動作の無駄を削除、最適化して行く必要があるとあった。
ゴーレムをお供に探索は出来ないのね。
この書籍には魔晶石の取得・生成方法は書いていなかった。何処かにあるのだろう。インデックスが欲しい。
もう夕方なので温泉に入ろう。
石の蓋を開けてお湯と水が浴槽に入る様に調整する。温度は42℃程度に調整。
30分もすると湯船が一杯になり溢れて来ている。源泉掛け流しだ。
他に誰も使わないので服を脱いだらザブンと浴槽に浸かる。
「くぁぁぁぁぁ〜」と声が出る。くぅ〜。気持ち良い。
しばし目を瞑りお湯を堪能。
あー生きているって感じがするなぁ。とても気持ち良い。
桶を一つ収納から出して湯船に浮かべるとカップを桶の中に入れてカップの中に氷を魔法で出して水も生成。風魔法で炭酸化してライムを絞り飲む。
ゴクリ。美味い。温泉で熱くなった身体に染みる。のぼせないうちに風呂から上がる。体拭いて着替えたら小屋へと入る。夜風が気持ち良い。寒いけど。
夕食を食べたら今日はお終い。
魔力枯渇させて就寝します。
おやすみなさい。
お読みいただきありがとうございます。
少しでもおもしろいと思っていただけましたら、ブクマ、評価をお願いいたします!




